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★★国産材の家での間伐材・古材の創作家具展★★
日時 9月23日(土)午前11時〜午後5時夕刻より交流会あり
        24日(日)午前10時〜午後4時
会場 静岡市津渡野508 鳥居宅(加藤方) 電話294−9063
主催 小林木工 静岡市羽鳥1035−26 電話・FAX278−9628
    「間伐材と古材の創作家具のご注文待ってます!」
協賛 常木工務店 静岡市小鹿366 電話285−3558
    「国産材の家はオマカセ!」
後援 「ゴミゼロプラン静岡」市民ネットワーク
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☆☆☆最終処分場見学の記録☆☆☆
8月29日は静岡市北沼上にある最終処分場、30日には富士市にある製紙ゴミ
(ペーパースラッジ)の最終処分場を廃棄物処分場問題全国ネットワーク事務局の大
久保貞利さんといっしょにゴミゼロネットの仲間約10名が訪れました。処分場のプ
ロがいっしょにいくと見えないものまで見えてくる貴重な体験でした。その見学の記
録です。

☆貴重な写真がまもなく私のところに届きます。ホームページにて発表予定!
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◎◎<静岡市最終処分場見学の記録>◎◎

8月29日は静岡市北沼上にある最終処分場、30日には富士市にある製紙ゴミ(ペーパースラッジ)の最終処分場を廃棄物処分場問題全国ネットワーク事務局の大久保貞利さんといっしょにゴミゼロネットの仲間約10名が訪れました。処分場のプロがいっしょにいくと見えないものまで見えてくる貴重な体験でした。その見学の記録です。

<静岡市最終分譲データー>
☆静岡市最終処分場の埋立可能量=61.8万m3 ← 当初計画75万m3
☆既に埋立てられた量=39.1万m3 残余埋立て可能量22.7万m3
☆当初計画1990年〜2006年の17年間で埋立て終了予定
☆埋立量4万m3/年の場合(90〜99年平均値)あと5.8年
☆埋立量2.8万m
3/年の場合(99年実績)あと8.1年
☆埋立て量1.5万m3/年の場合(99年比ゴミ量半減)あと15.1年





●灰溶融炉2004年(平成16年)稼動で●
完成まで埋立量が毎年4万m3、完成後1/3の毎年埋立量1.3万m3とすれば
22.7万m3−4万m3×4年)/1.3万m3≒5年 2008年度(平成20年)終了
余命期間あと9年(灰溶融炉導入で3年延命 あと6年 9年

<最終処分場見学記録>

2,000829日、静岡市北沼上の最終処分場に行ってきました。
処分場は、埋め立て地、浸出池、汚水処理施設および調整池からなる管理型最終処分場 です。(補1)(補2)
<写真下 シートを補修した後>
 まず埋立地を見学しました。処分場の埋立地はゴムシートが敷かれていて直接は汚染水が地下に浸透しないよう(こと)になっています。ゴムシートの上には不織布が貼られています不織布を貼るのは紫外線でシートが劣化するのを防ぐためと説明を受けました。また地形に凸凹がある部分についてはモルタルを吹き付け上に不織布を張っているということでした。シートを補修した跡が数箇所ありました。重機で残土をかけるとき、傷がつくため補修していると説明されましたが、もしかすると光線によって劣化した可能性もあると思いました。果たしてあんな程度のもので、水の浸透が妨げられ、地下水汚染が避けられるものでしょうか。疑問は残ります。

 シート上に溜まった雨水は減水ピットから汚水処理施設に運ばれ、微生物処理、活性炭処理、キレート処理を受け、上澄みを次亜塩素酸処理をしたうえ放流しているそうです。(補3)(補4)静岡ヘリポート付近で流出するということです。底にたまる汚泥はまた処分場に戻すそうです。

<写真下 汚水処理施設、日本の安全基準は甘いと言われているが…>


<写真下 灰の正体鉄線等が混じっている>

 ここで埋められているものは一般廃棄物の焼却灰、飛灰、不燃破砕ゴミです。灰と破砕ゴミの割合は91であるということでした。ただ不燃破砕ゴミは複合素材からなっているものも多く、可燃ゴミの分別も決してよくないため、錆びた鉄、木、ビニールが灰と混然一体となっていて、なかなか見苦しい様相を呈しています。これは中に入ってはじめてわかりました。この処分場では灰の上に残土をかけてサンドイッチ状にすることになっていますが、1部では焼却灰が地表に露出していました。触ろうとした参加者に対し、それは飛灰だからさわらない方がよいと案内の市の職員の方から注意がありました。清掃工場からでた灰は最終処分場できちんと処理がされていると説明を受けてきましたが、考えていた以上に管理は難しいようです。処分場に立つとコンクリートのような強烈なにおいがします。のどが痛くなります。どうも原因は清掃工場で塩素と炭化水素が結びついてダイオキシンを発生しないよう添加している消石灰に原因があるようです

<写真左 見学者が灰に触ろうとした時「危険だから触らないで!」と市の担当者が言いました。




 この処分場の最終埋め立て量は
618,0003で平成12年で520,000トンの廃棄物が入っていて処分場がいっぱいになるまであと数年しかないといわれます。このため静岡市では灰溶融炉を平成16年度までに導入しようと考えています。問題点としてはランニングコストが高いという点、スラグから有害物質がでるかもしれないという点などいろいろあります。説明してくれた担当の方も、「厚生省がいう溶出試験で有害物質がでなければ路盤材として使って良いという言い方は体の良い逃げではないか?」と言われていました。(補5)アメリカ並みの厳しい実験をすべきでしょう。安全性が確認されていないものを日本中にばらまいてしまって、あとで取り返しがつかないことにならないようにしたいものです。せめてスラグは処分場に埋めるというのが現在のところ妥当線だと思いました。確かに焼却灰はダイオキシンを含み処理が大変でしょう。しかし講師の大久保さんのいうように、灰溶融炉には2次飛灰の問題など多くの問題が山積しているようです。導入によってこの処分場の延命効果はわずか5年ほどだと聞くと、このような技術にわれわれが賭けてしまっていいのか考え込んでしまいます。静岡市は、処分場の現状、灰溶融炉の実態をきちんと市民に知らせて、議論の場を提供する必要があると思います。見学に行ってこれは何とかしなければならないという感覚を持ちました。皆さんも見学にいったら良いですよ。(S)

<写真左 新沼上清掃工場近くの産業廃棄物焼却施設。こちらの方がもっと怖そう!廃材自体に一部火がついていた。中に入るのは危ないという大久保さんの判断で畑側から撮影>




<補足>

補1.処分場の立地…雨が降りやすいところ
補2.52万tの保水能力の灰の堆積した土地に大雨が降って38,000tの調整池で大丈夫か?許可ラインぎりぎりの大きさかも。
3.浸出水処理は普通の下水処理並。これで有害物質を防げるのか?活性炭は水の中の浮遊分子にくっついているダイオキシンを取ってくれる。年1回交換し古いものは処分場に埋める。
4.放流水の検査は月1回、処分場→処理施設への流入水の検査年2回(2ヶ月かけて1回)
補5.「厚生省は『溶融スラグからは溶出しない』とか『スラグは安全』という表現はしませんよ。『規定の実験で溶出しなければ、使ってもいい』というだけで、何の保障もしていないし、その実験で大丈夫なら“安全”ということではありませんからねえ」とは市の担当者の言。

◎◎<富士の最終処分場見学の記録>◎◎

<ペーパースラッジ=PSのデーター>


 8月30日富士市の商工会議所内にある岳南産業廃棄物処理業共同組合をたずねました。この組合は製紙業者三十数社の参加する組合だそうです。富士山の裾野にはこの組合が今までに手がけた処分場が約80箇所、その他の中小処分場もあわせれば100以上の処分場があるそうです。富士山の裾野で整地されて資材置き場になっているようなところの多くは、もと処分場があったところだそうです。
<写真左 丸火東処分場全景>

 早速、車に分乗し富士山の裾野に見学に行きました。見学は丸火東処分場(丸火公園の近く)(補6)と初坂下処分場。丸火はまさにペーパースラッジ(以下PS)を埋立て処分しているところを、初坂下は平成10年に埋立て完了後植栽を施した状態を見学できました。

<写真左 水溜りから怪しげな泡が吹き出していた>

 まず丸火東処分場。関係者以外立ち入り禁止の看板を見ながら作業道を車で上がり、プレハブの管理棟脇に車を停めました。ここから歩いて処分場に入ると、なんともいえない臭いがします。溜まった緑色の水(雨水だと説明を受けた)からは何かガスが沸き出しています。あまり長時間いたくない気分。ここに搬入しているものは、PS焼却灰(昭和40年代後半まではPSはそのまま捨てられていましたが、現在は容積を減らすため焼却しているそうです。燃やすことで容積は1割程度になるということでした)と富士川用水にたまる砂泥(これも汚泥扱いになるのだそうです)および会社からでてくる汚泥だそうです。割合はPSが8割に対し汚泥2割。年間6万〜7万m3(昭和には19万m3/年)のPS灰が搬入されるとのことです。(補7)
<写真左 ちょうどダンプがPS灰を落として行った>
<写真左 ずいぶん簡単な水処理施設!大丈夫?>
 この処分場も管理型でビニールシート(厚さ15mmのゴムシート?)の上に遮光シートを敷いていました。処分場の底面は、アスファルト上に30センチほど赤土を敷きその上にガラ(この付近に産する溶岩)を入れ、さらにその上をシートで覆っているということでした。この処分場はこのままではもう埋められないため下流側に構造物を作りさらに埋められるよう県に計画変更を申請しているのだそうです。ここでの水処理は昨日の最終処分場と比較すると装置が随分簡略な感じを受けました。処理水はそのまま放流するようですが大丈夫でしょうか?地下水に影響したりしないのでしょうか?(補8)
<写真左 白っぽいのがPS灰。何故鉄線が入るのか?>
<写真左 埋立て後、地主に返された土地。地主の希望で道を作ってある。植林はヒノキ>

 処分場の西側は処分場の跡で今は牧草地になっているそうです(刈った草を牛に与えている)。PS灰の上に.5メートルほど土を入れヒノキを植えていましたが生育は今一つのようで、むしろススキなど雑草が繁茂していました。「大丈夫なのでしょうか?」と聞いてみましたが、「地主の考えだから」とのこと。確かにそのとおりですが、安全性の確認が欲しいと思いました。

 次に初坂下処分場にいきました。道から奥に入るとやや傾いた平坦地が広がっています。ここも管理型の処分場だったところで、埋め立てが完了し今年春植栽をして地主に返したところだそうです。しかし調整池は残っており、5年間はCODなどをチェックするそうです。 傾斜地が造成され、平地になって返ってくるため、処分場として貸しだす地主も少なくないそうです。地代が1平米1500円などという話もありました。

 PS灰は比較的安全という話も聞いていましたが、埋めているところをみると、きちんと管理する必要を感じます。「企業に捨てるものに金を掛けたくないという考えがある」とは案内していただいた方の言葉ですが、この考えが環境の悪化に拍車をかけていると思います。企業の責任は明確にするべきでしょう。また再生紙を使う我々もPS灰の行方をきちんと把握したいものです。言葉だけの「循環型社会」にならないよう、考え、行動していきたいと強く思いました。(S)



<写真左 県道からみた処分場入り口。この奥に旧処分場があるとはちょっと想像できない。こんなところが富士のすそ野にはたくさんあるということです>



 現在埋め立て中の処分場の方は、異臭がとても気になりました。富士山麓の不法投棄はよく耳にしていて、問題があると思っていましたが、管理型の処分場でも大いに問題ありと感じました。PS灰と工水汚泥という比較的出所のしっかりした産廃でこれでは建設廃材などほかの処分場はもっとひどいのではと想像しました。処分場は山間部に作られることが多いので、水源の汚染がとても心配になりました。昔は素堀のあなに何でもかんでも埋めていたのでしょうから。大久保さんによると最終処分場の跡地は大きな(重い)ものは建てられないとのことで、そういう場所をどう活用するのかも疑問として残りました。

 韓国では処分場跡地に建てたデパートで(手抜き工事も相まって)崩壊事故が起きたそうですね。2カ所目に見た処分場跡地には檜が植えられていましたが、1.5メートルの覆土で樹木が育つのか、数年後にどうなっているか見てみたいと思いました。(I)

<補足>

補6.「丸火東(マルビヒガシ)処分場」広さ20,000u埋立容量174,000m3造成費6.1億円(ほかに許認可費用借地料などがかかる)平成12年2月21日開設(埋立開始)8月30日現在101,000m3埋立 3年で埋立終了の見通し

補7.PS灰6,300円/t、燃え殻8,300円/tの引取手数料


補8.浸出水処理後は「沢に放流」となっているが、近くに沢がみえない。「そのまま地面にしみこんでいく」がの現状らしい。
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ゴミゼロプラン静岡」市民ネットワーク(略称ゴミゼロネット)
〈第36回会合のお知らせ〉毎月第2土曜日
日時 2000年 10月14日(土)午前10時〜12時
所   アイセル21 4階41集会室
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