010510号ゴミゼロ通信「使うならやっぱり再生紙」

☆ゴミゼロ通信2001年５月１０日号（今号３０４通発信）
情報満載！ゴミゼロネットのホームページ　
http://plaza25.mbn.or.jp/~gomizeronet/
┏━↓ 今日の話題のダイジェスト↓━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
●5/12特別企画“いぎりす便り”の栗岡理子さんの帰国報告会（午後３時頃～）
・第４３回定例会５月１２日（土）午後１時より　アイセル２１研修室
●５月２７日溶融炉問題ネット結成集会
●「古紙１００％の再生紙が必ずしも環境に優しくない」というのは

質の良い古紙しか使われなくなることを懸念するからだ！

・「古紙再生に力を入れるほど化石燃料の消費量は増加する」

という主張は数字のマジックでは！

・リサイクルにともなう汚泥などの諸問題を考えると、リサイクルが万能でない

使用量を減らすことが一番

●小泉首相の所信表明演説から思ったこと

「大量生産・消費に対する規制や抑制策」が求められているのに。

残念ながら「演説」ではそこまで踏み込んでいない！

●参議院議員水野誠一さん（無所属の会）

過剰なリサイクル志向は経済的にも、環境的にも、省資源的にも

必ずしも正しくないことはご存じの通り…！

●静岡市議会議員団との懇談会不発に終わる！！
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
┏━↓●ゴミゼロネットの熱い５月●↓━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
第４３回定例会５月１２日（土）午後１時より　アイセル２１研修室
いつもは午前中に行なう定例会ですが、午後に変更です　
●特別企画“いぎりす便り”の栗岡理子さんの帰国報告会（午後３時頃～）

ご家族の都合でイギリス・ブライトンに１０ヶ月滞在した栗岡さん。
ヨーロッパ中に広がったオイルショック、
修理屋さんが繁盛するイギリス、
ドイツハノーバーの環境万博・スウェーデンへの旅行も、
各国のトイレットペーパー、最近では口蹄疫のこと……
たくさんの情報を送ってくれました。
これらのことを一気に話してくれるかもしれません。
イギリスのごみ事情を中心に楽しい話になること受けあい！
＜午後５時３０分頃～懇親会　
辰金（長谷通り）定食を食べながら安上がりな懇談の一時！＞
-------------
●５月２７日溶融炉問題ネット結成集会

５月２７日(日)午後1時30分～　女性総合会館「あざれあ」研修室
結成集会＆津川敬さん講演会
「溶融炉・灰溶融炉に未来はあるのか？」　会場費５００円
全国から注目されている集会です！必見！

参議院議員水野誠一さんも参加するかもしれません！！

┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
ゴミゼロ通信010505号「古紙１００％の再生紙が必ずしも、環境に優しくない」

には「何か変ではないですか？」とメールを多数いただきました。

もう少し整理する意味で、今いろんな人から意見を募集中です。

是非みなさんからもお願いします。

早速、古紙ネット静岡の栗岡さんからメールをいただきましたので全文を掲載します。

その栗岡さんの主張の要旨と再度日経エコロジー掲載の表を載せました。

今後も、調べられるだけは、調べてゴミゼロ通信で掲載していきます。

ポイントはやはり、

「リサイクルは万能ではない」けれどもその問題点を指摘したり、評論する中で結局「大量生産・大量消費の使い捨て社会」に手を貸してしまう危険性と表裏一体のところだと思います。

●「古紙１００％の再生紙が必ずしも環境に優しくない」というのは

質の良い古紙しか使われなくなることを懸念するから。

コピー用紙等（均一な品質を求める商品）の場合、

製紙会社は上質の古紙のみを使いたがり、

結果的に低級な古紙の行き場を減らすことになる。

それよりは、多少バージンパルプを混ぜてもいいから、

いろいろな古紙を使ってもらう方が結果的には

古紙利用率を上げることになる。

※上質の古紙＝出所のわかっている産業古紙等

特に製紙会社の古紙はバージンパルプとほとんと違いがないほど良質
※低級な古紙＝何が混じっているかわからないような家庭から回収した古紙等

産業古紙でも、ランクが分かれている

●「古紙再生に力を入れるほど化石燃料の消費量は増加する」

という主張は数字のマジックでは！？

理由

このエネルギー消費量の数字は、

・莫大な運送エネルギーを考慮していない

・化石燃料の使用量だけではなく、CO2の排出量をも考慮すべき

再生紙は化学パルプの４分の１以下！
古紙をゴミとして燃やせば、またそこでもCO2が排出される

●リサイクルにともなう汚泥などの諸問題を考えると、リサイクルが万能でない

使用量を減らすことが一番

＜●●参考●●＞

------------------------------------------------------　
☆古紙はなぜエコロジーか
　時々、古紙よりバージンパルプの方がエコロジーだという人がいる。

それは本当だろうか？
　広島大学大学院の井山氏の

「紙の製造・使用・廃棄におけるＬＣＡを用いた環境影響評価に関する研究」

によると、上質紙（晒化学パルプ）と再生紙（古紙80％）の製造から使用、廃棄までのＣ０２発生量を図で示すと以下のようになるそうだ。

図略

広島大学大学院井山慶信氏報告（抜粋）

（第１０回廃棄物学会研究発表会論文集１９９９より）

CO2発生量比較（単位　ｔ-CO2/ｔ）
☆上質紙　合計　3.8

原料調達　0.1　パルプ化　0.9　　製紙　1.1　廃棄1.７

☆再生紙　合計　1.4

原料調達　0.0　パルプ化　0.2　再資源化　0.2　製紙　1.0

上質紙が再生紙と比べ倍以上の環境負荷であることがわかる。

（991223号古紙ネット静岡通信No２より）
------------------------------------------------------　
●パルプ製造時のエネルギー収支（日経エコロジーより）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　製造工程で
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　黒液の燃料化　　　発生する
　　　　　　　　　電力　蒸気　重油　による削減　　合計　　廃棄物の量
化学パルプ　　　 68　　108　　36　　　　　▲310　 ▲98　　　　 10
機械パルプ　　   605        1    ―           ―       606　　10～20
新聞古紙による
脱インクパルプ    82        3  　 ―           ―     　85　　　　150
上質系古紙に
よる
脱インクパルプ (新聞古紙の５割増程度の値と推定されている)  400
-------------------------------------------------------------

┏━↓栗岡さんからのメール↓━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
＜化石燃料の使用量の問題と古紙の配合バランスの問題は、

別々に考えてください。＞

旧通産省が、製紙メーカーが自分に都合の良いように算出した紙生産時のエネルギー消費量のデーターを公開して以来、この日経の記事のような誤解が後をたたず、ほとほと困っています。

誤解１

まず、「古紙１００％の再生紙が必ずしも環境に優しくない」ということを市民運動家たちが指摘していることと、この製紙メーカーのいうエネルギー消費量うんぬんとはまったく別の話です。私たちが「古紙１００％」という基準に疑問をもつのは、古紙が化石燃料をたくさん使うからではなく、質の良い古紙しか使われなくなることを懸念するからです。
この古紙１００％の再生紙というのがトイレットペーパーであればまったく問題ありませんが、コピー用紙であった場合、もし私が製紙メーカーの社員であっても、いい加減な古紙は使わず、上質の古紙のみを使いたいと思うでしょう。特に、何が混じっているかわからないような家庭から回収した古紙は使いたくなくて、出所のわかっている産業古紙などを使おうとすると思います。
コピー用紙のような均一な品質を求める商品に「古紙１００％」を求めるのは、結果的に低級な古紙の行き場を減らすことになりかねません。それよりは、多少バージンパルプを混ぜてもいいから、いろいろな古紙を使ってもらう方が結果的には古紙利用率を上げることになるかと思います。

誤解２

製紙メーカーの出したこのエネルギー消費量の数字は、あくまでもメーカー内で消費されるエネルギー量です。
ご存じのとおり、木材チップのほとんどは遠い外国から運ばれてきます。木をきって、チップにし、タンカーで海を渡ってくるのに必要な膨大なエネルギーは計算に入っていません。
反面、古紙のほとんどは国内で回収されますから、運送に必要なエネルギーは木材チップにくらべかなり少ないものと思われます。

ですから、このエネルギー消費量の数字は、もう少し考える必要があると思います。

しかも、私たちが問題にしてほしいのは、化石燃料の使用量だけではなく、地球温暖化の減速のためCO2　の排出量をも考慮してほしいわけです。化学パルプを作るときにでる黒液を燃料として使うのは大変結構なことですが、いくら黒液を利用して化石燃料を減らしても、CO2の排出削減にはなりえませんから、それを考えるとやはりエネルギー消費が本来少なくてすむ再生紙のほうが「環境にいい」といえると思います（ここに出ているように再生紙は化学パルプの４分の１以下！）。
また、古紙をゴミとして燃やせば、またそこでCO2が出ます。ゴミとして燃やさず、原料として利用できる上、しかも化学パルプを作るよりずっとCO2の排出を抑えられるのですから、やはり再生紙は素晴らしいと思いませんか？

とはいえ、リサイクルにともなう汚泥などの諸問題を考えると、リサイクルが万能でないことはあきらかで、使用量を減らすことが一番なのはいうまでもありません。

再生紙がいいのは、何も木を伐ってはいけないからではありません。伐られずに荒れている日本の人工林をもっと有効に使うべきだと思います。「木を伐るのは悪いから、再生紙を使う」という人が時々いますが、それは間違いです。

でも、紙だって燃やせばダイオキシンがでるわけですし、また資源の有効利用やCO2の見地からいっても、やはり使った紙はリサイクルするのが一番いいと思います。

化石燃料の使用量の問題と古紙の配合バランスの問題は、別々に考えてください。
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛

┏━↓●小泉首相の所信表明演説から思ったこと●↓━━━━━━━━━━┓
「私の所信表明演説に対する感想」

マスコミでも小泉首相に期待する異様なほどの雰囲気が感じられる。

そうは言っても、私もある部分では彼に期待を寄せている一人である。

しかし、

小泉総理の所信表明演説を読んで、私はいくつかの点で納得がいかない点（不明な点）があった。

特にごみ問題にしぼってみる。

「…廃棄物を大幅に削減するためにゴミゼロ作戦を提唱します…」等と循環型社会について触れている。

今や環境問題・循環型社会を論じないではいられないからだろう。

しかし、よく読んで見ると、歴代の首相の所信表明演説のごみ問題に対する姿勢と比べて後退しているように思えた。すなわち、今まで（小渕首相まで）はまがりなりにも「大量廃棄の原因を大量生産・大量消費にある」ことを必ず表現してきた。少なくとも「大量生産・大量消費」の文字が挿入されていた。

ところが森首相になってから、その言葉が「循環型社会」という表現に置き換えられているように思える。

昨年の循環型社会形成推進基本法の成立の時、心有る市民グループは、成立に慎重に対応するよう各政党にせまり、結果民主党だけが反対に回った。

この法の不十分なところは、

・実効性に乏しい理念法に終わってしまっている

・廃棄物処理に狭めている

の２点を指摘した。

「循環型社会」は基本だが、政府のいうこの言葉の意味は少し違うのではと危惧している。

「環境」「循環型社会」が大流行しているのだが、

その中身たるや単なるリサイクル（再生利用）至上主義に終わっているような印象。

だからこそ

その中身特に「大量生産・消費に対する規制や抑制策」が求められていると思う。人気のある小泉さんだが、残念ながら「演説」ではそこまで踏み込んでいないと私には見えてしまった。

国家議員はどんな風にみているのだろうと

参議院議員水野誠一さん（無所属の会）に同様の意見をぶつけてみた。

●水野誠一さんのメールの一部

過剰なリサイクル志向は

経済的にも、環境的にも、省資源的にも

必ずしも正しくないことはご存じの通り…！

****************************

……私は環境経済学という立場から考えて、経済性と環境性とのバランスが取れた具体策を、設計・生産・流通・使用・廃棄・再生といったサイクル全体で考えることが重要だと考えます。そこから生じる経済活動をすべてシステムとしてデザインすることが大切で、私はこれを「ホロデザイン」と呼んでいます。

たとえば、自動車を例に取れば、車のリサイクル率を高めれば良いという考え方は疑問ですし、新車開発のサイクルを長期化するといった方法ではなく、ボディやシャーシは破棄せずに、サスペンションやエンジンなどの機能部品のみバージョンアップしていくシステムや、所有から使用への意識転換によって成立する、完全なレンタルシステム、リースシステムがデザインされるべきだということです。これでない限り、リサイクル率は高まっても、完全なバージン素材には戻らず、またリサイクルに掛かるエネルギー消費までは抑制できないからです。
過剰なリサイクル志向は経済的にも、環境的にも、省資源的にも必ずしも正しくないことはご存じの通りです。 ……

****************************

夜中発のメールにしては、短くとも、的確な答えが返ってきた。

（発信して、半日後の返信でした）

「…所有から使用への意識転換によって成立する、完全なレンタルシステム、リースシステムがデザインされるべきだ…」

とはあのスウェーデンで実験されているシステムのことみたいです。

所信表明演説にこうした水野さんの主張を求めることは無理なことだろうか？

経済構造改革を言うのなら、場当たり的な借金を批判するように

もっと具体的な社会構造目標に踏み込んでももらいたいとあらためて思った。

でも、水野さんの淡々たる返信はすごい！

また意見交換できれば、最高です。

ついでに溶融炉問題ネット結成集会への参加要請をしたら、

検討してくれるとの返事でした。

石川知事も言えば検討してくれるかなあ～……（Ｔ）

＜参考＞

参議院議員　水野誠一さん

メールアドレス　　mail@miznos.com

ホームページ　　http://www.miznos.com/index.html

県政を変えよう！　オリーブの木ネットワーク
http://www.geocities.co.jp/WallStreet-Stock/3333/

┏━↓●ゴミゼロネットの熱い５月●↓━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
●静岡市議会議員団との懇談会不発に終わる！！
５月９日(水)午後6時30分～9時　アイセル２１　３階日本間

自民党から共産党までの市議会議員の方々と
静岡市のごみシステムを熱く語ろうという企画。
すでに全議員に“名古屋の熱い夏＝容リ法中間総括”を配布済み。
静岡を大きく変えるキッカケになれば！

だったのですが、

言い出しっぺの公明党の方も（急な選挙対策会議のため）、

必ず来ると言ってくれた民主党や自民党の方も、結局来てくれませんでした。

もちろん、丁寧に参加できないとの連絡はありました。

でも、市民自治クラブの車椅子議員渡辺正直さんは唯一参加してくれました！！

ありがとうございます。

渡辺議員によれば、「この時期は忙しい時期だからしかたがないのでは…」

でした。

でも容リ法をめぐる白熱した議論を１４名の参加でやりましたヨ！

--------------------------------------
「ゴミゼロプラン静岡」市民ネットワーク（略称ゴミゼロネット）
〈第43回定例会のお知らせ〉毎月第２土曜日
日時２００１年５月１２日(土)午後１時～５時
　所　アイセル２１　４階　研修室
--------------------------------------
内容
①溶融炉・処分場問題・ネットワーク
②容リ法・生ごみたい肥化その他
③栗岡さんのイギリス報告会
--------------------------------------
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
☆あなたの友人のメールアドレスをお知らせください
☆ゴミゼロ通信は転送、転載、複写何でもＯＫです
☆あなたの情報、ご意見、ご感想をお待ちしております
☆※送信御迷惑な場合は遠慮なくご連絡ください！送信を止めさせていただきます
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
●●ゴミゼロプラン静岡」市民ネットワーク●●
　☆連絡先☆

┌────────────────────┐
│壷阪道也　　　　　　　　　　　　　　　　　
│〒421-0111静岡市丸子新田277-4
│TEL・FAX 054-257-3177　　　　　　　　　
│Email mirai2@bj.mbn.or.jp future2@nyc.odn.ne.jp
│HP　http://plaza25.mbn.or.jp/~gomizeronet/　　　　　　　
└────────────────────┘