010917号ゴミゼロ通信「コアラの原生林破壊からごみ問題が見えてくる！」

☆ゴミゼロ通信2001年９月１７日号（今号５００通発信）
情報満載！ゴミゼロネットのホームページ　
http://plaza25.mbn.or.jp/~gomizeronet/

┏━↓ 今日の話題のダイジェスト↓━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
●　速報！第３回ゴミゼロフェスタ開催決定

●溶融炉問題ネットの会合

●遂にゴミゼロネットのＨＰに噂の究極の生ごみ処理法がアップしました！

●コアラの原生林破壊からごみ問題が見えてくる！
・多様性豊かなオーストラリアの森林
・植林した木を使って欲しいが植林には反対だ！
・植林木ではなく天然林を伐採する大昭和製紙
・二人に会おうとしない大昭和製紙
・森林保護の鍵を握る日本人
・急増する日本の紙生産と低い古紙利用率
・一人一日Ａ４用紙１４０枚を捨てている静岡市民
・紙の浪費がコアラを殺している？
●〈第４８回定例会〉（毎月第２土曜日）
日時２００１年１０月１３日(土)午前１０時～12時
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●●　速報！第３回ゴミゼロフェスタ開催決定　●●

☆時間　１１月１１日（日）午前１０時～午後３時
☆場所　新沼上清掃工場（静岡市）
　
　　・・・　ごみのことを考えるお祭りです　・・・
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＜溶融炉問題ネットの会合＞
●時間　１０月６日（土）午後1時３０分より
●場所　ＮＰＯ活動推進センター（静岡市呉服町）
●議題　××町の産廃施設のダイオキシン汚染調査
　　　　　　その他各地の状況報告
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●遂にゴミゼロネットのＨＰに噂の究極の生ごみ処理法がアップしました！

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┏━↓ ●コアラの原生林破壊からごみ問題が見えてくる！● ↓━━━━━━┓

　９月１０日台風が静岡を直撃する中、参加者２０名ほどの小さな集会が行われた。集会のゲストはオーストラリアから「日本企業による木材チップのための天然林伐採に反対するＮＧＯグループ」の代表ハリエット・スウィフトさんとティム・キャドマンさんの二人だった。
　
●多様性豊かなオーストラリアの森林

2時間歩けば、
野生のコアラに出会える

　現在国土の５％を占めるオーストラリアの森林には世界中の生物種の５％にも及ぶ動植物が生息しているという。その森林で広く見られるユーカリには数百もの種類があり、最も高いもので１３２ｍ。天然林というより原生林（オールドグロス林）には樹齢２００年から１０００年の樹木が大部分を占め、種々な樹種や下層植物などの多様な動植物が生息する豊かな生態系を形成している。
　その森林にはコアラやフクロモモンガ、ボッサムなどの有袋類をはじめ、オーストラリアだけに生息する動物が多く生息している。その多くは樹齢１５０～２００年以上の成長木にしか見られない洞（気の内部にできる穴）を住居として利用している。「コアラが生存する森を２時間も歩けば９９％野生のコアラに出会える」とティムさんが熱く語ってくれた。
　その原生林も含めた森林は毎年２０万ha;も伐採され、その大半は木材チップとして毎年６００万ｔ以上日本に輸出されているのだ。

●植林した木を使って欲しいが植林には反対だ！

　二人の話は生々しかった。「植林した木を使って欲しいが植林には反対だ」という不思議な言葉がすべてを物語っている。植林の実態が問題である。まず原生林が伐採され、生態系が破壊される。伐採跡地には空中からナパーム弾みたいなものを投下し「再生焼き」が行われ、すべての生物が死滅する。その後ユーカリの植林を植え、その芽が周辺の動物に食べられないように、毒物がまかれ、それを食べたワラビーなどの動物は死滅する。伐採と植林によって３度動物達は殺されるのだ。だから現状の植林自体にも反対するという。

●植林木ではなく天然林を伐採する大昭和製紙

伐採後、焼かれた現場

　その原生林伐採の最大の責任者は日本の製紙企業、特に大昭和製紙だと彼らは訴える。例えば王子製紙は「植林による木材チップの調達率は公称９０％以上、彼らＮＧＯグループからも５０％以上である」と評価されているにも関わらず、一方の大昭和製紙はわずか数％だという。確かに植林面積も王子製紙は「オーストラリア４ヶ所ですでに２９，７２２６ｈａ、オーストラリア東部３ヶ所だけでも８，６８３ｈａ植林(２００１年３月現在)、２～８年の短期目標で計５６，０００ｈａ」（王子製紙ＨＰより）と植林をしているが、一方大昭和製紙は「２００９年までの目標植林面積は５０００ｈａで、２０００年度の植林実績は４１３ｈａ」（大昭和製紙ＨＰより）と王子製紙と比べて圧倒的に少ない。
　大昭和製紙はオーストラリア東部ニューサウスウェールズ州イーデンにハリス大昭和の木材チップ工場と輸出港がある。その工場では原料のほとんどすべてに天然林木を使用している。ところが、「大昭和製紙環境報告書」によれば、まず「森林資源の保護育成」をあげ、「豪州での植林事業を継続する」「植林資源からの調達を増加させる」と強調し、更に「…当社は、１９８９年からオーストラリアのニューサウスウェールズ州、ビクトリア州において、ユーカリの植林事業を行っています。…当社は国内の他、アメリカ、カナダ、オーストラリアなど、適切に管理され持続可能な森林経営がなされている国から木材チップを調達しています。…当社は持続可能な森林資源の保護と育成に努めています。」とある。もちろん、よく見れば別表から１９９９年１％、２０００年は３％の植林資源からの低い調達率は読み取れる。しかし、その植林対象地は「牧草地、未利用地」とあり、皆伐（森林内と樹木を全て伐採する方法）した後での再生焼き、毒物のばらまきなどは一切ふれていない。

●二人に会おうとしない大昭和製紙

　９月１０日台風の中、二人とその支援者は大昭和製紙を訪問したのだが、事前の申し入れにも関わらず、大昭和製紙はこの遠方よりのお客様を守衛所にすら通さなかった。
　二人の大昭和製紙への手紙の趣旨は①植林木の供給量が急増しており、近い将来、オーストラリアから輸出される天然木原料木材チップのすべてを植林木で十分まかなえる量になること②大昭和製紙を通じてオーストラリアから輸出される木材チップは天然林木材から植林木材への転換をすること③天然林の伐採を必要とする植林事業に着手しないこと④イーデン木材チップ工場の閉鎖又は工場の木材チップ原料を針葉樹植林木に転換すること⑤大昭和製紙による木材チップ用の伐採予定地にはコアラの重要な生息地があり絶滅の危機に瀕していること等々と大昭和製紙の発展も願いながら、やさしく要望している。
　ポイントは「木材チップを使うな！」と言っているのではなく「天然林木から植林木への転換」と「天然林を破壊しない植林事業の推進」だ。これらは大昭和製紙をはじめすべての日本の製紙メーカーが進めている「森林資源の保護育成」からすれば当然なことである。

●森林保護の鍵を握る日本人

　何故大昭和製紙は森林資源の保護を訴えながらも日本企業の中でも飛び抜けて天然林伐採を続けるのだろう。
　日本の紙生産量は約３０００万ｔ、世界全体の紙生産量の９．９％を占めており、紙の原料となる木材チップの輸入量は、なんと世界貿易全体の７０％を占めている (１９９８年)。しかも、日本の木材チップの輸入は、１９８７年の７１４万ｔから、１９９７年は１３８８万ｔと、１０年間で２倍近くにもなっている。日本が木材チップを輸入している国は、第１位がアメリカ、第２位がオーストラリアで、この２カ国からの輸入量は全体の約６割を占めている。残念ながら、オーストラリアだけでなく私達日本人が世界中の森林保護の鍵を握っていると言える。木材チップ輸入超大国日本で、企業間競争に打ち勝つために、大昭和製紙はより安い木材チップを求めてオーストラリア・コアラの住む原生林を伐採していることが想像できる。
　その背景に日本の紙大量消費事情を見て取る必要があるだろう。熾烈なコスト競争がある。

●急増する日本の紙生産と低い古紙利用率

　日本の紙生産量は８５年１８００万ｔが１５年後約２倍の３０００万ｔに増えた。その急増の中味は雑誌、コピー用紙などの印刷・情報用紙である。古紙の利用率が５６％（９９年）までなったと言われるが、実は段ボール等の板紙の古紙利用率８９％と高いだけで、一般の紙の古紙利用率は３１％、特に生産が急増した雑誌、コピー用紙などの印刷・情報用紙は、古紙利用率が１８％と極端に低い。
　この紙大量消費の現実はごみ問題ともなっている。

●一人一日Ａ４用紙１４０枚を捨てている静岡市民

　４７万都市の静岡市の可燃ごみは２０００年度で約１８万４千ｔ。その半分が紙ごみと言われる。１９９９年度には静岡市は指定袋導入と古紙の行政回収を始めた関係で前年２０万ｔだった可燃ごみは２万５千ｔ減少した。特に直接収集するごみ（多くは市民の生活排出ごみ）は３万ｔ減って、１２万６千ｔ（１５年前の８６年の水準）まで減った。ところが清掃工場へ直接搬入されるごみ（多くは事業系のごみ）は約２千ｔ増え６万１千ｔ（２０００年度は６万４千ｔ）と１５年前の約３倍に膨れ上がっている。多くは紙ごみであることが推定される。その多くはパソコンの普及等による印刷・情報用紙（古紙利用率の極端に低い）ではないだろうか？しかし、事業系以外の紙ごみも少なく見積もっても、年間６万ｔ（古紙回収分も含む）一人一日当たり３００ｇから４００ｇ（Ａ４用紙８０枚分に相当）を廃棄している。事業系のごみまで含めれば、一人一日当たり７００ｇ（Ａ４用紙１４０枚分に相当）近くの紙をごみとして排出している勘定になる。

●紙の浪費がコアラを殺している？

　増えすぎるごみは処分場のひっ迫、ダイオキシンの発生、清掃費の急増、灰溶融炉導入とその処理問題でおおいに頭を悩ませている。
　紙の大量生産・消費がコアラの住む森を荒らし、一方でその廃棄の仕方で困り、私たちに深刻なごみ問題をたらしているとは何たる皮肉。もはやリサイクル（回収・再生利用）すれば解決する域を越えてはいないだろうか。
「紙の浪費がコアラを殺している」は言い過ぎだろうか？（Ｔ）
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＜要請先＞

〒417-0846　静岡県富士市今井４－１－１
大昭和製紙株式会社

代表取締役社長　十河　一元　様

Email　hello@daishowa.co.jp
HP　　http://www.daishowa.co.jp/
２００１年大昭和製紙環境報告書　　
　http://www.daishowa.co.jp/recycle/effortpdf-f.html

＜参考＞

熱帯林行動ネットワーク（JATAN）のＨＰ

http://www.jca.apc.org/jatan/
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＜独り言＞

　最近、環境問題に関心のあるという若い学生達数人を話す機会があった。その内の一人が「環境問題の講演会では事実や現実は語ってくれるが、何故環境問題を取り組まなければならないかを教えてくれない」と言うので、ついいかに次世代にツケが回ろうとしているか自分なりに話してみた。ところが、それは答えになっていないという。

　何が求められているのかわからないまま、話しを終えて別れたのだが、どうもスッキリしない。

　環境ブームの中で、問われているのはより詳しい、正確な現実であり、抽象的なことではない。よりリアリティをもって環境の危機を感じられるかどうかが重要なのに……。

　大昭和製紙がオーストラリアでやっていることは、私達の大量紙消費社会で製紙会社が当面のコスト優先の結果だと思う。そういう意味で、よりやすい紙を求め、手軽に印刷・コピーしまくる現代社会の消費者も又その責任を求められる。

　今号は「紙を何故大量消費してはいけないか？」をリアリティを持って、コアラが私達に問い掛けてくれたと思ったから、いの一番に取り上げてみた。

　でも、これもまた対岸の火事。そのことを知っても尚、『「何故ゴミ減量をしなければならないのか？」「何故環境問題を取り組まなければならないのか？」を誰も教えてくれない』とその学生は私に又問い掛けるのだろうか？

　精神と感性の貧困と簡単に片付けては、その方々に申しわけないようだが、少し意識のある人すら、自分が見つけられないのか？現代社会の悲劇だろうか？（T）
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「ゴミゼロプラン静岡」市民ネットワーク（略称ゴミゼロネット）
参加費１００円で誰でも参加できます
〈第４８回定例会〉毎月第２土曜日
日時２００１年１０月１３日(土)午前１０時～12時
　所　アイセル２１　４階４１集会室
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内容
①生ごみたい肥化
②ゴミゼロフェスタ
③古着リサイクル・容リ法　その他
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☆連絡先☆
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│壷阪道也　　　　　　　　　　　　　　　　　
│〒421-0111静岡市丸子新田277-4
│TEL・FAX 054-257-3177　　　　　　　　　
│Email mirai2@bj.mbn.or.jp future2@nyc.odn.ne.jp
│HP　http://plaza25.mbn.or.jp/~gomizeronet/　　　　　　　
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