020804号ゴミゼロ通信「豊橋ガス化溶融炉動かず！？」

☆ゴミゼロ通信2002年８月４日号（今号５０７通発信）
情報満載！ゴミゼロネットのホームページ　
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┏━↓ 今日の話題のダイジェスト↓━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
●豊橋市ガス化溶融炉動かず！？
・本運転が始まったばかりのガス化溶融炉が確かに止っていた。
・ごみを燃料で動くガス化溶融炉のはず毎日のように灯油を使っていた。
・発電設備があるものの電力は結局買っていた
・「溶融」という技術は無理を承知で開発した本来やってはならない技術！（by津川敬）

●静岡県下のガス化溶融炉に関わる情報

・島田市・藤枝市・富士市・御殿場市・天竜市

●３Ｒではなく２Ｒを　津川　敬

・シャンプー容器とＰＥＴボトル
・ごみが減っては成り立たない環境ビジネス
・優先すべき政策は何か

● 予告！奇跡の生ゴミ堆肥化方法
●独り言
●「ゴミゼロプラン静岡」市民ネットワーク（略称ゴミゼロネット）

〈第５９回定例会〉９月１４日(土)午前１０時～12時
　所　アイセル２１　４階４５集会室
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
┏━↓●豊橋市ガス化溶融炉動かず！？ ●↓━━━━━━━━━┓

●豊橋市
　約半年の試運転期間中にまともに動かなかった豊橋市のガス化溶融炉は本年4月以降本運転が開始された。
　その後どうなったのだろうと気になって、たまたま去る7月２３日に「豊橋の焼却炉を考える市民の会」の豊田さんに電話で問い合わせてみた。
その豊田さんによれば
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４月本運転開始以降、相変わらずまともに動いていないとのこと
一号炉…　５月２７日～６月２７日定期点検で停止
二号炉…　６月１６日～７月１７日定期点検で停止
つまり　６月１６日～２７日まではガス化溶融炉は完全停止していたということ
実はストーカー炉（従来の焼却炉）の３号炉が残されていたため、
ゴミ処理が可能になったという悲惨な状況
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ということだった。
たまたま、7月２４日に豊田さん達が豊橋市に情報公開を請求していた資料が公開され、その直後に私のもとにも資料をFAXしていただいた。
資料は４月、５月、６月度のガス化溶融炉の運転月報であった。
多くの数字が並んだ資料であるが、いくつかの点が確認できた。

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１．本運転が始まったばかりのガス化溶融炉が確かに止っていた。

一号炉…5月２８日～６月２５日まで運転停止
二号炉…６月１６日～　　　　　　　　運転停止
三号炉（以前からのストーカー炉）
４月１日～４月１１日、６月１日～２１日、２４日～３０日　運転

２．ごみを燃料で動くガス化溶融炉のはず毎日のように灯油を使っていた。

助燃材としての灯油はガス化溶融炉では運転立ち上げ時のみ使用するというふれこみだったのだが、その月報によれば
１、２号炉とも４月～５月毎日４～５千Ｌ、最大１万L以上の灯油を使用していた。
６月は一号炉がほぼ停止しているが、その運転開始当初６月２６日には何と３万２千L強の灯油を使用していた。

灯油使用量（１日アタリ　単位Ｌ）
　　　　　4月平均 4月最大 5月平均 5月最大 6月平均 6月最大
一号炉　　4224　　13761　　　3913　 12096　　2156　　32193
二号炉　　4553　　12784　　　4540　 10355　　3733　　15467
三号炉　　　 63　　 1895　　　　　0　　　　 0　　　199     2623

３．発電設備があるものの電力は結局買っていた

単位kwh
　　　　　発電量　消費電力量　　売電量　
4月　3,468,300　　　3,557,970　　　-89,670
５月　3,332,650　　　3,443,250　　-110,600
6月　　809,830　　　2,388,890　-1,579,060
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＜津川敬さん（環境ジャーナリスト）からのこの事故に関するコメント＞

「溶融」という技術は無理を承知で開発をみた技術であり、本来やってはならない技術だったのです。それをなぜ敢えて採用するのかといえば今日まで溜りに溜まった矛盾（ＤＸＮ対策と処分場ひっ迫）の即効的解決を迫られているからです。
　しかしそれと引き替えに背負うリスクは並大抵のものではありません。重金属類・窒素酸化物の揮散に加え、技術面での最大のリスクは炉内耐火物が持たないことです。メーカーによっては炉内温度が１３５０℃より高くなるようなら融点降下剤（成分は企業秘密）を投入して耐火物を保護するそうです。それでも完全というわけにいかず、時折炉を休止させ、耐火物の点検、補修を欠かせません。溶融炉を二系列、三系列設けるのもその理由からです。豊橋の場合、二炉とも休止した時期があったそうで、何かがあったようです。残念ながら日本では国会のスキャンダルと同じで内部告発がないと何も表にでない仕組みになっていますから推測の域を出ませんが、それは当たっていると思います。
　さらにガス化溶融炉の〝売り〟はガス化炉で発生した熱分解ガスを溶融炉に送り熱エネルギーにするというものですが、額面どおり受け取るわけにはいきません。推進側のコンサルタントでさえ「いまや助燃（重油や都市ガス）を使うのは常識で、そのコストをユーザー（自治体側）が持つのか、メーカーが持つのかというレベルの話になっています」というほどなのです。　
　豊橋（八女も同じ）のケースもおそらく多額のランニングコスト・メンテナンスコストがかかっているはずです。部品ひとつとっても町工場などに発注すればせいぜい数万円でできるものを契約上の理由からその１０倍、数１０倍になってしまうのが実情です。要するに環境メーカーにとって自治体は格好の食い物になっているのです。
　住基ネットが「ＩＣカード市場の拡大と徴兵、徴税、治安の効率化が狙い」であるように、環境も絶好の利権絡みテーマになっているのです。
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参考：試運転の操業状態
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昨年8月完成、三井造船による１０月仮操業開始、今年4月より豊橋市に引き渡され
た。
施設、２００ｔ／日×２基（三井造船）総工費１８０億円全国最大級のガス化溶融炉
施設。

ところが、試運転中は満足にうごいていないどころか爆発事故も起きていた。

◎◎試運転の状況◎◎
２００１年　９月２６日１・２号炉火入れ式
　　　　　１０月中旬　1号炉へゴミ投入し、試運転、その後一旦とめる
　　　　　１１月上旬　１・２号炉へゴミ投入し試運転
　　　　　１２月下旬　１・２号炉とめる　約１ヶ月
２００２年　１月２４日１号炉・２５日２号炉の再試運転
　　　　　　１月２６日シンポジュウム参加者が視察
　　　　　　１月３１日火災発生　１・２号炉緊急停止
　　　　　　２月１４日　市当局の考え方（下記）
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┏━━↓●静岡県下のガス化溶融炉に関わる情報●↓ ━━━━━━━━━┓

●島田市（島田市、金谷町、川根町、中川根町、本川根町　一市四町広域）
・本年度中に着工を目指しているようす（島田市伊太の田代地区）
・最近の地域住民の町内会の一部（津田恵子島田市議会議員居住区）での住民アンケートで反対は過半数を上回った模様。
・建設予定地にクマタカの巣があるということで環境調査がされているらしい
・機種は新日鉄の直接溶融炉でほぼ決まりだろうと言われている。

財源は以下
　　　　　              金額　　　　割合
補助金　           １８億円      19％
起債　　            ６９億円      72％
一般財源　　　　　９億円       9％
溶融炉総予算　　９６億円    100％

施設規模　148t/日(74t/24h×2炉)

１割の手付金を支払えばガス化溶融炉が手に入る。これでは自治体が作りたくなるわけだ（壷）
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●藤枝市（藤枝市、焼津市、岡部町、大井川町　二市二町広域）

昨年１２月２０日藤枝市助宗地区が予定地として、突然新聞発表され、住民の困惑が続いているとか。
私に連絡をくれた志太環境市民クラブは　
ごみ処理場建設候補地変更を求めるHP
http://setogawa.hoops.ne.jp/

といホームページを作りながら行動を開始しているようです。

御問合せは
志太環境市民クラブ　代表世話人　田中　仁
TEL・ＦＡＸ　０５４－６４５－４４２５
e-mail　wbs29330@mail.wbs.ne.jp

志太環境市民クラブＨＰ
http://setogawa.hoops.ne.jp/

まで

実は７月２７日（土）午後２時３０分～５時３０分島田市で田中さん達と情報交換を行いました。

助宗地区で有機農業を営む方も参加され、今後に不安を語っていました。

同じ静岡県の富士市（候補地３地区発表）と比べ、何故問答無用で藤枝市は助宗地区だけなのだろう？

疑問は残りました。

その田中さんが藤枝市議会の議事録をチェックして後ほど、以下の情報をくれました。

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候補地選定に関しての情報公開について藤枝市長は

「候補地名を具体的に明かにするとそれぞれの地域でさまざまな反響が予想され、
このことが客観的に最適地を選定する際の大きな支障になる」ことを理由に
「あくまでも１ヶ所に絞り込んだ時点で議会に報告したい」
と言っていました。
さらに
「失敗は絶対に許されないというふうに私自身も固い決意を持っております。
その姿勢で臨んでおりますので、１ヶ所に絞って申し上げた段階で、ほかに移る
というこはまずないと、動かないということでご理解をいただきたい」
と信じられないことを言っていました。

ですから候補地の決定は住民にいっさい相談なく
市長（とおそらく市の企画財政課）にて密室にて行なわれたものと思われます。

なんとも強引なやりかたで怒りを感じます。

ある意味地元町内会の態度（説明会をしたいとの市側の要請も拒否）も正解なのかなと思ったりもします。
一回でも説明会をすれば恐らく住民の理解を得たということで一気にすすんでいくのでしょうかね。
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＜参考＞
現在は、
藤枝市高柳地区・・・焼却場
焼津市一色地区・・・焼却場
岡部町・・・リサイクルセンター
焼却灰は他県へ埋め立て処分
藤枝市高柳地区にある焼却場の契約期限がＨ１６．３月に切れるため、新しく焼却場
を建設する計画がある。
ことはわかっていましたが…
機種、方式等は未だ未定

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●富士市
富士市役所に７月１１日の午前中に問い合わせたところ、その担当者によると

現清掃工場が操業１５年　２０年で打ち切り
３００ｔ炉？約３００億円　候補地が3箇所　平成20年度(08年)操業がメド
機種・方式は未定7月１１日第一回検討委員会
ということでした。

その３ケ所のうちの一つが現在の清掃工場がある隣接地であり、
その地域の方々が中止を要請しているようです。

その中のグループの方が津川敬さんを呼んで９月に講演会を開催する予定とのこと

以下の案内が私の所へも来ました

＜津川敬講演会＞

9月1日（日）午後1時３０分～3時３０分

青葉台公民館・多目的ホールにて（無料）

富士市のゴミを考える会（コープしずおかテーマ別公募）

連絡先・小野由美子　電話３５ー２４３９（午後4時半まで）

　　　　　杉本宏子　　　電話２１７８０３（午後５時半から）

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●御殿場
産廃業者ビーコンが御殿場市深沢地区に産廃用のガス化溶融炉建設計画があり、昨年
７月２２日津川敬さんを招いて講演学習会を開催したりしておりました。

最近その後について問い合わせたところ
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おかげさまで、溶融炉は一時凍結となった模様です
現在地元と業者間での新協定書の準備をしていて
調印等が済み次第ご連絡申し上げます。
現状、業者のみでの溶融炉建設には莫大な資金が必要となる為
簡単には行かないと思っております。
--------------------
という返事をいただきました。
※ガス化溶融炉は民間単独ベースでは建設不可能ということでしょうか？（壷）
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●天竜市(天竜市、龍山村、佐久間町、水窪町、春野町５市町村広域事業)

天竜川鮎釣地区にあったガス化溶融炉の建設計画は住民の反対運動の成果か、撤回さ
れたと今年の初めに聞いております。ただ、建設が中止になったのではなく、他地区
に変更になったということです。

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┏━↓●３Ｒではなく２Ｒを　津川　敬 ●↓ ━━━━━━━━━━━━━━━┓

　　　　　　　　３　Ｒ　で　は　な　く　２　Ｒ　を　　　　　　　　　津川　敬

◆シャンプー容器とＰＥＴボトル
　５年ほど前、プラスチック業界のある幹部にインタビューしたことがある。その時の彼の発言が印象的だった。
「シャンプー容器がガラスだったら風呂場のタイルに落ちて壊れる危険がある。プラスチック容器ならその心配はありません」。
　その昔、シャンプーは粉末か、それを固めただけのつましい商品だった。それでは並みの石けんと変わらず、普及はおぼつかない。そこで成分を界面活性剤で〝水増し〟し、大量生産と派手なＣＭで売りまくった。プラスチック容器なしでは成り立たない販売戦略だった。そんな状況をつくっておいて「風呂場が危険」もないだろう。ちなみに界面活性剤の強烈な油分洗浄力は毛根細胞を確実に破壊する。洗髪は石けんで十分なのだ。
　市中に溢れるプラスチックごみが深刻な社会問題となったのは１９６０年代半ばのことである。燃やせば焼却炉を傷め、埋めれば１０年はもつ処分場が３年で行き詰まる。ごみ処理現場はパニックだった。
　１９７０年に開かれた大阪万博ではプラスチック容器の使用が全面禁止となり、翌７１年、「この事態を放置したら、将来取り返しがつかぬことになる」と二人の識者が注目すべき発言を行なった。一人は革新自治体の旗手と呼ばれた美濃部亮吉・東京都知事、もう一人は大阪市立公害研究所に勤務していた本多淳裕氏（現・クリーンジャパンセンター参与）である。まず待ったなしの処分場危機の渦中にあった美濃部氏は有名な「東京ゴミ戦争宣言」の中で次のようなメッセージを残している。「国には焼却・埋立てによらぬ廃棄物処理技術の開発を、そして企業にはプラスチックをはじめとする合成化学物質の生産抑制を強く望みたい」。
　そして本多氏は、ある官庁系の広報誌に「用済みになったプラスチックはそれを買った商店等に下取りさせ、石油化学工業側に返還する大きな循環の輪をつくれ」との提言を寄せている。プラスチックは最初から使い捨てを前提に開発された素材であり、リユースはおろか、マテリアルリサイクルも土木資材などごく一部に限られる。本田氏のいうように〝製造元〟である石油化学工業界も廃プラの回収を義務付けられたら打つ手はなく、残る道はリデュース（生産抑制）しかない。本多氏の本意はおそらくそこにあったと見るべきだろう。今日でいう拡大生産者責任だが、自らタレ流す廃棄物の後始末をすべて自治体に押しつけ、利潤拡大を図ってきた産業界はこれら提言に耳を貸さず、ひたすら大量生産・大量消費路線を突っ走ってきた。ちなみに当時（１９７０年度）におけるプラスチック樹脂の生産量は約５００万トン。だが３０年後の今日、生産量は１４７４万トンとほぼ３倍に達し、廃プラスチック排出量も９９７万トンと、まさに絶望的な数字となってしまった（０２年６月・社団法人プラスチック処理促進協会）。
　すべては消費者のニーズ、と産業界はいう。本当にそうなのか。山口智子、藤原紀香、松島奈々子など当代一線級の美女たちが競って小型ＰＥＴボトル入り日本茶を宣伝している。いずれも当たり前のようにラッパ飲みだ。かつてその飲み方は品性下劣の見本として世の親たちがきつくたしなめたものである。それ自体が文化でもある日本茶をゴクゴクとラッパ飲みーーー。それが消費者のニーズなのか。
　１９９７年４月、全国清涼飲料工業会は小型ＰＥＴボトルの使用自粛を取り止めた。
「缶入りの清涼飲料水だと一気に飲んでしまう必要がある。小型ＰＥＴボトルなら飲み残しても蓋を閉めてバッグにしまっておけるから若者たちにも好評」というのが〝解禁〟理由のひとつだった。だが当時、規制対象外の輸入業者がすでに小型ＰＥＴボトル飲料を売りまくっており、工業会未加盟のメーカーも小型販売に乗り出していたため、「もうこれ以上待てない」というのが工業会の本音だったのである。「ワンウエィ公害の元凶・小型ＰＥＴボトル反対」で多くの市民団体が街頭デモをやったが業界は聞く耳をもたず、容器包装リサイクル法の本格実施で小型ＰＥＴボトル生産はうなぎ登りとなった。　
　ＰＥＴボトルリサイクル推進協議会が公表した最新統計によると、その生産量は２００１年で４０万２７２７トン、２００２年予測で４３万３０００トンとなっている（０２年７月現在）。１９９７年の生産量が２１万８８０６トンだったから、５年でほぼ倍増した勘定だ。しかもそのうち清涼飲料用ボトルの比率は９４％と圧倒的である。一方、容器包装リサイクル法の本格施行によるＰＥＴボトル回収率は４０.１％に達したと業界は自賛するが、回収後の始末をどうするのか。そこに救世主のように登場したのがエコタウン事業である。

◆ごみが減っては成り立たない環境ビジネス
　いま国（経済産業省・環境省）が承認したエコタウン事業は全国で１６ヵ所（０２年６月現在）。「取り扱い品目」でもっとも多いのがＰＥＴボトル再生事業で、あとは家電、自動車、ＲＤＦ発電、廃プラ高炉還元、事務機器リサイクル、廃プラ油化などである。
　エコタウン事業が成立する要件は三つある。ひとつは目算どおりに廃棄物が集まるのか（入口）、二つ目はリサイクル工程で環境負荷を低減できるか（中間）、第三はでき上がった「製品」に販路はあるのか（出口）である。
　だがこのうち第二と第三の要件は如何にも不確定要素が多すぎる。環境負荷の低減（安全性）と販路拡大は完全にシーソーゲームであり、後者を重視すれば前者を切らざるを得ない。先行する北九州エコタウンでもＯＡ機器、廃自動車、蛍光管リサイクルなどが採算ラインに乗るのはまだ先の話だという（朝日新聞北九州版・２００２年３月２０日）。
　こうなるとエコタウン最大のメリットは「行き場を失った廃棄物群の巨大な受皿」というほかはない。
　もうひとつ見逃せないのはエコタウン事業が斜陽化した重厚長大産業の救済策になっていることである。生産縮小で膨大な遊休地を抱える鉄鋼。売れ行きの長期低落に歯止めがかからず、〝環境〟に活路を求めざるを得ないセメントなどはその象徴であろう。溶融飛灰を各地から集め、金属類を取り出そうという製錬メーカーも同じである。
　３Ｒという。循環型社会形成に向けた政策決定の優先順位だが、目的はあくまで「ごみを出さない生産構造への転換」であろう。とすれば何よりも選択さるべきは第一順位のリデュース（発生抑制）であり、第二順位のリユース（繰り返し使用）の筈だ。しかし現実に進行しているのは「劣後の選択」というべき三番目のＲ、リサイクルのビジネス化だけなのである。リサイクルの前提は大量廃棄であり、同じＲがついても前の２Ｒとは似て非なるものというべきだ。そのすべては「ごみが減っては成り立たないビジネス」であることが特色であり、エコセメント、ＲＤＦ発電、廃プラの高炉還元など、それがビジネスである限り〝原料〟の廃棄物が絶え間なく生産・搬入されることが要求される。しかもエコタウンの認定が得られるなら国の補助がつくという価値の転倒ぶりには驚くほかはない。　なぜこうも理念と現実の間に超え難い解離が生ずるのか。多分そこには拡大生産者責任（ＥＰＲ）をめぐる姿勢の相違がある。

◆優先すべき政策は何か
　ＥＰＲについて、ヨーロッパ先進国での定義はきわめて簡潔である。「その本質は『誰がごみ処理を物理的に行なうかではなく、誰がごみ処理の費用を負担するかにある』（ＯＥＣＤ報告書）」（毎日新聞２０００年４月１５日付）というものだ。
　この定義に従えばリデュースとは「生産コストの中に廃棄物処理コストを内部化する」ことの一点に尽きる。だが日本では産業界がその定義に不満のようだ。
　本年（０２年）７月１６日、（社）日本経済団体連合会は「循環型社会の着実な進展に向けて」なる意見書を公表し、以下のように述べている。
「拡大生産者責任については何よりも社会の各ステークホルダーが適切な役割を担うことを基本とすべきである。生産者が果たすべき最大の責務はリサイクルしやすい製品設計や材料選択等、企業の有する技術開発力を活用すること、引き取った製品の資源化努力と適正処理、さらに生産活動や製品の情報公開をすることである」（２制度問題に関する提言　⑤ 拡大生産者責任について）
　ここには廃棄物処理コストを内部化することによる発生抑制の発想はない。あくまで処理責任分担論と政策の第三順位であるリサイクルをＥＰＲの核に据える姿勢だけである。　さらに意見書は次のような提言も行なう。「適正な廃棄物処理とリサイクルを推進する上で今必要なのは単なる規制の強化ではなく、規制改革である。不法投棄は厳しく罰し、リサイクルは規制を緩和して推進することが必要になっている」（１基本的考え方）。
「地方公共団体が行なっている流入規制は必要な広域処理を妨げており、コスト低減および適正処理の観点から見直しが必要である」（５　制度問題に関する提言）。
　産業界の手前勝手もここまでくると立派というほかはない。
　なぜ地方自治体が廃棄物処理法に逆らってまで産廃の流入規制を行なうのか。すべては地域環境の悪化に対する自衛なのである。
　７、８年前、秋田県能代市郊外に管理型、安定型処分場が林立し、漏れ出した汚水が地下水に決定的なダメージを与えた。県が応急手当を施したものの、汚染は拡大する一方だった。同じようなケースは栃木県那須町、滋賀県栗東市、福岡県筑紫野市など枚挙にいとまがない。すべて大都市圏から持ち込まれた産廃であり、しかも正式に許可を受けた処分場での不法投棄事件である。香川県の豊島、奈良の西吉野はその典型であった。
　水源地への立地規制も地元民の悲願である。いまから１０年も前、栃木県の鍋山という地域で石灰の掘り跡を安定型処分場にする計画が持ち上がり、激しい反対運動が起きた。予定地から湧き出す清水が周辺の生活用水になっていたからである。闘争は数年におよび膠着状態となった。
　それを見兼ねた在京の市民団体が当時の厚生省（産廃対策室）を訪れ「水源地への処分場立地を規制してほしい」と申し入れたところ、当時の室長は「どこを指して水源地と仰るのか。そんなことをいったら日本国中水源地ではないか」と言い放った。その思想はいまも生きている。現在問題となっている茨城県笠間市のケースがそれだ。
　同市福田という地区に笠間富士という名の行楽地があったが、地元業者がそこを採石場にして掘り崩してしまった。しかし跡地から湧き水が出て、１年後には水深３７メートルの大きな湖になった。ところが県はそれを偶然生まれた水溜まりだとして、公共関与により産廃・一廃の共用処分場にする計画を立てた。しかしいまも湖につづく湿地帯からの湧き水が絶えないことで広範な建設反対運動が起きた。その湧き水がすぐ傍の涸沼川という一級河川に流れ込み、笠間市を含む８市町村の水道水源になっていたからである。茨城県の説明会で住民側は「水源地への立地はやめてほしい」と申し入れたが、ここでもは県は「日本国中が水源地」論を持ち出したのである。
　ここ数年、全国の市町村が自衛のため「水道水源保護条例」をつくるケースが目立っているのも当然の話であろう。最近の事例では奈良県天理市が同条例を制定し、その数１８３件に及んでいる。
　むろん環境省はこの動きを苦々しく受けとめている。「産廃施設には法律で厳しい基準を課している。条例の必要はない」（廃棄物・リサイクル対策部岡沢和好部長朝日新聞２００１年５月１日付）という見解だ。しかし完璧な防護工事を施したという豊島でさえ、いまなお廃棄物の層から１日８トンの汚水が瀬戸内海に流れ出している。それでもひところの１６分の１だという。
　国は大事な財源をリサイクルビジネスに費やす方向でなく、第一義的には負の遺産をなくすことに全力を注ぐべきである。この６月、経済産業省は環境産業支援法の立法準備に入った。これは９３年に施行された省エネ・リサイクル法が来年（０３年）３月３１日で廃止になるため、それに代わる立法との意味合いもあるというが、法案には支援対象をリデュース、リユースにも拡大することになっている。それがどう産業（ビジネス）に結びつくのか、もうひとつ真意が掴めない。ちなみに同省は２０１０年の環境ビジネス市場は４４兆３０００億円と試算する。
　この際、循環型社会形成に向けた政策決定の優先順位を上位２Ｒだけに絞り、３Ｒの呼称は即刻やめた方がいい。リサイクル施設を廃棄物規制から外せ、などという産業界の暴論に耳を貸すことはないのである。
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┏━━━ ↓● 予告！奇跡の生ゴミ堆肥化方法 ●↓━━━━━━━━━━┓

ガス化溶融炉をはじめごみ問題では暗いニュースばかり。

でも何故か私は今明るいのです。(^o^)

コンポスト２年、EM処理５年、米ぬか・鶏ふん２年、オカ屑・米ぬか・鶏ふん１年

計１０年間生ゴミ処理・堆肥化をやってきた私が新方式にはまっているからです。(^o^)

もっと正確なレシピは後日発表します。

これは7月１３日のゴミゼロネットの定例会で金谷町の鈴木武男さんから教えてもらったものです。

（実際の教えとは一部変更してありますが…）

◎新方式は（私が実際にやったこと）

発泡スチロールの箱（高さ２１cm×横３８cm×縦４９cm）フタ付き。

発泡スチロールの箱をきれいにして、

米ぬかを７～８分目まで入れ、熱湯を注ぐ。（やけどに注意！）

※熱湯の量は米ぬか１０ＫＧに熱湯３Lくらいの割合。

熱いので注意しながら、しゃもじ等でかき混ぜる。

ダンゴが握れるくらいの粘り気がでる量の熱湯を注ぐ。

水を含むと、米ぬかは収縮して半分以下くらいになります。

そこへ納豆を２～30粒くらい混ぜ、消石灰少々（手のひら軽くいっぱい程度）
上から新聞紙をひいて保温して、２４時間放置する（シーツ等をかぶせる）

※納豆は多ければ良いわけでもなく、米ぬかの量で納豆菌の住む量はきまります。

いつも、古シーツ等をかけ、5～10cmくらいずらして、フタをする。

米ぬかが発熱し続ければ、発酵成功。
後は、水を普通に切った生ゴミを混ぜる。入れるたびに手で底までよく混ぜる。

※手袋をして混ぜたり、木のしゃもじを使ったりしても良い。ポイントは底や隅までよく混ぜること。硬いもの（スコップ等）だと発泡スチロールを痛め易いので注意。

私は７月１４日の午前中につくり、１５日（月）から生ゴミ投入開始。
現在まで、ヌカどこを混ぜるような感じて、底の方がづっと入れていられないくらい熱い！

熱いところは７０℃以上はある感じ。

但し、最初はとても納豆っぽい臭いがきつく、蝿がよってきました。

でもその臭いは1週間で和らぎます。ご安心ください。

これはすごいかもしれないと思っている。
理由は、

１．常に高温であるために虫が発生しない

２．今までは水をよく切らないとべとべとになりがちだったが、これは逆に乾きすぎるくらいである。

もう少し様子をみて、HP上でもっとわかり易く発表したいと思っています。

ある程度、生ゴミ堆肥化に興味がある人は必ずはまります。（壷）

┗　━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
┏━↓●独り言　● ↓ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
「古着を扱うお店静岡マップ」ももうすぐ完成。

古着、ガス化溶融炉、生ゴミ処理この３つが頭の中をぐるぐるしながら1ヶ月以上をが過ぎてしまった。遂に7月はゴミゼロ通信発信ゼロという不名誉な記録を達成。

集まってくる情報を適確に発信したいのだが、いろんなことがあって私は一時パンクしました。

でも、こうしてやっと発信。(^o^)丿

さあ！スタート！（壷）

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┏━↓●集会情報●↓━━━━━━━━━━━━━━━━・━━━━━━━┓
〈第５９回定例会〉９月１４日(土)午前１０時～12時
　所　アイセル２１　４階４５集会室
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「駿河でんでん市場ニュ～ス」ただ今６９名に発信中（No１０まで）(^o^)
ニュ～スの申込みは直接(壷）まで
♪～広げよう！でんでん市場の輪～♪
♪～♪「でんでん市場」のホームページ開店！！♪～♪　
http://www.geocities.co.jp/NatureLand/5757/denden/
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