☆ゴミゼロ通信2003年3月29日号(今号511通発信)
情報満載!ゴミゼロネットのホームページ 
http://plaza25.mbn.or.jp/~gomizeronet/
┏━↓ 今日の話題のダイジェスト↓━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
●日本の農業・無農薬栽培を守る助宗地区農民の心を見てきた(壷)
・何故無農薬有機栽培なの?
・法外な価格の土地買収が人の心を狂わせる
・助宗地区農民の願いは日本再生の願い
●藤枝助宗地区のガス化溶融炉建設計画とは何か?(志太環境市民クラブ 田中 仁)
・はじめに
・これまでの経緯(主なできごと)
・助宗地区とはどういうところ?
・行政はどういう進め方をしたのか?
・助宗町内会の主張
・行政の主張
・問題はなんなのであろうか?(今まで聞いた声を集めました)
・解決するのか?
●静岡市梅ケ島発 最後の“電気のない暮らし”
●もうひとつの杉山里果さん送別会
●図書の紹介&韓国環境視察ツアーの紹介
●集会情報
・「ゴミゼロプラン静岡」市民ネットワーク
〈第66回定例会〉4月12日(土)午前10時〜12時
 所  アイセル21 4階41集会室
こんな決め方でいいの!廃棄物処理施設
日時 2003年4月19日(土)13:30〜
講師 
山田辰美さん(富士常葉大学助教授) 
池田こみちさん
(環総研副所長 長野県中信地区廃棄物処理施設検討委員会学識委員)
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
┏━↓●日本の農業・無農薬栽培を守る助宗地区農民の心を見てきた ●↓━┓
  藤枝市助宗地区の清流会の方々とのささやかな交流会を3月28日助宗農業会館で縁あって持つことができた。
助宗地区は一昨年の12月突然、ゴミ処理施設建設候補地に決まったとマスコミ報道されて以来、平穏な日々が一転していた。もちろん何としても建設を止めさせたいというのが地元助宗地区の多数意見だ。清流会はその反対運動の中心。清流会とは助宗地区で無農薬有機栽培のお茶作りをする50歳前後の11戸の農家有志グループ。青年団みたいな形で始まって早30年も経つ。助宗地区93戸の内農業を営むのは兼業農家も含めて約70戸。その中で、日本の農業衰退の傾向同様専業農家は20戸前後と少ない。清流会は働き盛りの専業農家の中核だ。
●何故無農薬有機栽培なの?
 「何故無農薬有機栽培のお茶作りを始めたのですか?」と質問に集まってきた方々は口々に語り始めた。「「農薬の毒性はよく知られているが、消費者がお茶として飲む以上に、農薬を使う方がどんなに危険かわからない。…酒を飲んで、農薬を散布した後の田んぼを歩いて死んだ人もけっこういるくらいだ」「だから農民だったら誰だって無農薬栽培をしたいはずだ。だたできる条件があるのか。販路があるのかが問題だけなんだ。」「…助宗地区は無農薬栽培をするのに適して所なんだ。盆地のように周囲を山に囲まれている為、害虫の大量発生が遅く、また、茶畑が山に接しているため天敵の隠れ家となる。(天敵がいるため害虫の発生が抑えられる)どこでも無農薬栽培ができるとは限らない。茶所と呼ばれているようないろんな有名な場所なんかでは返って不可能なんだよ。」と機関銃のように無農薬有機栽培への情熱を語り始めた。
●法外な価格の土地買収が人の心を狂わせる
 「でも施設建設に反対しているのは農業を今真剣にやっている40代〜50代の人間で、地区の長老格の60代〜70代の人の一部が農地を売りたくってしょうがないんだよ。同じ地区の仲間が今意見が割れているのは悲しいよ」助宗地区に育って、農家として自立して無農薬・有機栽培へ活路を求め、軌道に乗ってきた矢先でのこのごみ処理施設建設計画への反感・戸惑いは強かった。「実は売却の話はこれが初めてではないんだ。プレカット工場建設、工業団地の誘致計画があって、土地が売れると思い込んだ人にとってみれば飛びつきたくなるような話なんだ」誘致賛成派の人々の心情も同じ地区住民としてよく理解しているようだ。
 「…例えば第2東名がすでにこの地区では建設されているが、坪千円でも売れない土地(山)が坪何万円でも売れ、何千万円もの大金を手にした人が周辺にはたくさんいるわけで、工業団地やプレカット工場で土地を高く売れると夢を見ている人が俺も俺もと土地を売りたくなるのも理由があるよ…」公共事業の無駄遣いは今話題のテーマ。法外な価格での土地買収は地権者にとってはおいしい話。しかし、これが本来農家を続けていくべき土地柄にもお金のバランスを狂わせる波紋を投げかけている。「売りたい農地を都会からの農業志望者を募るやり方もあるのでは?」という意見に「農家というのはそんな甘いものではないよ。もちろん最低生活覚悟なら別だがね。最初から売れる農産物を作るのは至難の業。試行錯誤を重ねないとね。ましてや無農薬・有機栽培というのはね…」農家としての誇りと苦労をにじませながらの重い言葉だった。
●助宗地区農民の願いは日本再生の願い
 元々この交流会は助宗地区で生ゴミの堆肥化工場の拠点作りを考えたらどうかというのがメインテーマだったが、その話しより助宗無農薬・有機栽培農家の農民魂の話しが主に終わってしまった。「生ゴミからできる堆肥は本当に堆肥として有効かは疑問だよ。返って土地を劣化させなければね」という意見はごみ問題を市民の側からしか見えない私たちにはプロの農家の考えとして大変参考になる。
 大量生産大量消費のツケで大量のごみが発生している。私たち市民が今出すべくして排出している「ごみ」。確かにその処理は出る以上はどこかで処理をしなければならない。農薬付けの安い輸入農産物が大量に日本に入り、日本の農業は絶滅の危機の瀬戸際に来ている。そのごみ処理をめぐって、貴重な専業農家しかも無農薬・有機栽培を続けていこうとしている助宗地区清流会の人たちの前に立ちふさがっている。私たちがこの問題を助宗地区農民とエゴとして片付けてしまっては次世代の私たちにどんな顔向けができるのだろうか?
 苦しくても、賛成派地区住民のことも思いやりながら反対運動を続ける助宗地区の農民魂に小さな感動すら覚えた。
(2003年3月29日記 「ゴミゼロプラン静岡」市民ネットワーク 壷阪道也)

┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
┏━↓●藤枝助宗地区のガス化溶融炉建設計画とは何か?●↓ ━━━━━┓

志太環境市民クラブ 代表世話人 田中 仁
================================================================
■はじめに
================================================================
 志太2市2町(藤枝市・焼津市・大井川町・岡部町)において現在ゴミ処理は藤枝市高柳、焼津市一色の清掃工場、岡部町のリサイクルセンターで処理されている。現在、この地において住民を巻き込んだ形で新ゴミ処理施設計画の問題が起こっている。まず、この問題において、藤枝市高柳清掃工場建設の際に地元と交した稼動は20年間という約束が重要になってくる。この約束を守れば、当然新たな場所に焼却施設を作るということになる。ここに、国のゴミ処理の広域化計画が絡む。新たに作るのであれば、今ある施設を統合して大規模化し、サーマルリサイクルなどを考えた施設とすれば補助金が出るのである。そうして、この地域約28万人のゴミ処理を一手に担う新ゴミ処理施設の計画が建てられた。しかし、問題は用地である。(やがて用地をめぐってこの計画は迷走を始めることとなる。)事業主の志太広域事務組合は平成9年頃から用地を探していた。しかし、ゴミ処理施設は必要な施設であるが、いわゆる迷惑施設。用地の選定はそう簡単ではなかった。
一般に、複数の首長からなる一部事務組合。ゴミ処理施設用地に関しては住民の関心が高く下手をすると命取りになる。ゴミ処理については誰しも自分の任期中には動きたがらないようだ。この地域においてもこのことは当てはまるかもしれない。なぜなら平成9年頃から用地選定に動き出しているにもかかわらず結局決まらず、藤枝市が受けたのは4年後の平成13年であった。稼動までに調査と建設に7年かかるということから、この時すでに高柳の稼動期限(平成16年3月)は間に合わず、延長は決定的な状況だったからだ。そうして、バトンタッチを受けた藤枝市はさらなる迷走を始めたのである。
現在まで高柳の住民からは延長の合意が得られず、新しい候補地の助宗とは話もしてもらえず宙に浮いてしまったこの問題、一体どうなるのか?

●以降この背景を頭において読んでいていただきたい
================================================================
■これまでの経緯(主なできごと)
================================================================
◎H13.2  
志太広域事務組合から藤枝市に新ゴミ焼却施設をお願いしたいとの申し出があった。
◎H13.4  
藤枝市が2市2町の新ゴミ焼却施設を受持つことを正式に受けた。そして、年内に候補地を絞り込み発表すると。
◎H13.11 
藤枝市議会にて「1ヵ所に絞って申し上げた段階で,他に移るということはまずないと、動かないということで御理解をいただきたい」と市長が公言。今年中に候補地を決定しお知らせすると。
◎H13.12.8
行政から助宗前町内会長宅に集まった一部の住民と町内会役員に対して候補地決定の発表まで内密にして欲しいとの依頼があった。(H15.2にこの事実が判明)
◎H13.12.20
静岡新聞志太榛原面に、藤枝市助宗が循環型ゴミ処理施設の候補地に決まったと掲載される。(このとき藤枝市からはなんの話もなく、地元住民にとっては、寝耳に水の話だった)
◎H13.12.21
朝日、読売、毎日各社も一斉に候補地決定を報じる。
◎H14.2.22
地元住民有志が、志太広域事務組合・藤枝市長に対して反対署名を提出。助宗地区住民の過半数を超える170人分をもって 反対の意思を表明 。
◎H14.2.23
新聞にその件の記事が掲載される。
◎H14.3.9
臨時に助宗町民大会が開かれ、そこに突然、市から松野藤枝市長、企画調整課長、企画財政部長他が出席。その中で、市長からは新聞報道が先行し、計画の説明が遅れたことの謝罪はあったものの決定は政治的な判断であり、理解を得ながらこのまま進めたいとの話があった。環境アセスの結果が悪くても、計画を改善し助宗に出来るようにしたいと。 さらに、助宗以外の調査は考えていないとも。これに対し住民は今後の交渉はすべて助宗町内会を窓口にし、個人や地権者に対して行なわないという約束を交わした。
◎H14.3.12
3.9の臨時町民大会にて、地元助宗町内会として、今回の話は全て「白紙撤回」することを決定し、その決議書を藤枝市、及び志太広域事務組合に提出した。
◎H14.3.18
市長と今後の交渉はすべて助宗町内会を窓口にし、個人や地権者に対して行なわないという「確約書」を取り交わす 。
◎H14.5.18
助宗町内会長がようやく決まる。(1度は町内会長を受けた方がゴミ処理施設問題にからむ精神的心労から町内会長を辞退していた)この時、今年度も白紙撤回決議を継続するということを確認した。
◎H14.5〜H14.9
助宗町内会は「白紙撤回」を理由に藤枝市からの説明会開催の要請を拒否。
◎H14.10.4
藤枝市が戸別に説明に入るという文書(市長名)を助宗の各戸に郵送する。助宗町内会はこれに対し市に抗議。
◎H14.10〜H14.11
藤枝市は助宗戸別の説明を実施。
◎H14.10.25
志太環境市民クラブ(市民団体)が11月藤枝市議会に計画の変更を求める陳情を約4700名の署名と合わせて提出。
◎H14.12.9
藤枝市議会の陳情審査(志太環境市民クラブ提出分)の結果、志太広域事務組合の事業だからという理由で「不採択」となる。
◎H15.1.20
藤枝市が助宗住民に対し戸別に案内を出し先進地視察(埼玉県川口市)を実施推進者中立者含め42名が参加。助宗町内会は市に抗議した。
◎H15.2.12
助宗町内会が2月藤枝市議会に陳情書を提出。内容は町内決議の「白紙撤回」に対する対応、窓口を町内会とすることの確約違反、これらの市当局の姿勢を正すことを議会に求めるという内容また、2/26 志太広域事務組合 議会へも陳情を提出。
◎H15.2.16
次年度の助宗町内会長を含む役員の選挙があり、賛成派、反対派それぞれが候補者を擁立、選挙の結果、白紙撤回継続を公約とした反対の立場をとる方々が町内会長、副町内会長に選出される。
◎H15.2.17
助宗の将来を考える会(地元の推進者有志)が話し合いを促進する要望書を藤枝市議会へ、志太広域事務組合 議会へは陳情をそれぞれ提出。
◎H15.3.3
志太環境市民クラブ(市民団体)が11月藤枝市議会「不採択」を受けて志太広域事務組合 議会に陳情書を提出。
◎H15.3.10
藤枝市議会の陳情審査(助宗町内会提出分)の結果、やはり志太広域事務組合の事業だからという理由で「不採択」となる話し合いのテーブルが開かれるように要望される。
◎H15.3.14
候補地選定に係るいっさいの資料の情報開示請求が地元からなされる。
◎H15.3.25
志太広域事務組合3月議会において3団体(助宗町内会、助宗の将来を考える会、志太環境市民クラブ)の陳情審査の結果「継続審議」となるまた、来年度助宗を対象に土質や農作物への影響などの調査(約2,000万円)を考えていることが分かった。
================================================================
■助宗地区とはどういうところ?
================================================================
助宗地区は最終処分場(焼却灰の埋立地)もあり、廃棄物処理という点では志太広域事務組合や他地域の人々に多くの協力を過去に充分果たしており、犠牲になっているという気持ちが大きい。過去に花倉地区(助宗地区に隣接)に焼却場があったとき、助宗地区には風向きによって煙の停滞や降灰などの被害があったため、どんなものであれゴミ処理施設に対する拒否感が強くある。また、今回候補地となったところはプレカット工場の計画(H1年ごろ)県の工業団地計画(H10年ごろ)が持ち上がり、いずれも計画は中止となったが、土地を売りたいとする地権者が誘致をした経緯があり、無農薬有機農業を以前から実践していた地元農家との間で深い軋轢(あつれき)があった。理由は定かではないが、工業団地計画の中止後、反対をしていた方が亡くなっている。これらの計画の推進窓口にあたった藤枝市の対応には強い不満があり、行政に対する不信感は以前から大変強い地域であった。
================================================================
■行政はどういう進め方をしたのか?
================================================================
平成9年ごろから志太広域事務組合(以下志広組)で新ゴミ処理施設の用地を2市2町内で探し始めた。数ヶ所選定し、外部シンクタンクに委託し比較検討したようだが、選定は難航したようである。そこで、2市2町の役割分担という考え方(迷惑施設と言われる施設を2市2町で分担する)から、平成13年2月に志広組から藤枝市に用地をお願いしたいとの申し出があり、藤枝市は同年4月にこれを受けた。このとき年内に候補地を絞り込み発表するとした。藤枝市が絞り込みをする過程で候補にのぼった数ヶ所の地域からは、いち早く反対の声が上がり、やはり選定は非常に難航したようである。
そんなつまづきを繰り返していくうちに、これは地元に相談しながらやっていてはできるものも出来ないということで、地元に相談をせず、行政主体で行政の責任で選定するという判断をしたようだ。
そして、藤枝市が主体で1ヶ所に決めた結果を志広組の理事会が了承し、候補地を助宗に決定との記者会見、議員に報告がなされた。(候補地が助宗という結果は関係者も首をひねるものだったようだ。)
この藤枝市の選定の背景には、現在稼動している高柳清掃工場の地元との期限確約が平成16年3月と迫っており、新工場稼動まで7年(調査、建設含め)かかることを考えると時間の猶予がないということがあったことも付け加えておく。
================================================================
■助宗町内会の主張
================================================================
行政は何者かに新聞にリークされたと弁明しているが、地元住民からすれば発表が1日や2日早くなっただけで、新聞リークは問題としていない。それよりもそれ以前のプロセスが不透明で、決定ありきの下ろし方をすることが問題だととらえている。
この発表に対し、助宗町内会は臨時住民大会で白紙撤回を決議。また、過去工業団地の問題では、行政は地権者と直接交渉したことで、町内が混乱した経緯を踏まえ、窓口を町内会とすることを行政に約束させた。町内会は、話を聞けば押し切られてしまうとして、度重なる市側の説明会開催の要請を拒否しつづけている。
================================================================
■行政の主張
================================================================
説明会を拒否し続ける町内会に対し、平成14年10月頃から戸別に説明を始めた。また、平成15年1月には戸別に案内書を郵送し、先進地視察(埼玉県川口市)を視察。(これらの窓口に対する行政の約束の違反に対し町内会はその都度、抗議した)候補地決定は地域の発展性等を考えた最適地だとし、候補地は変更するつもりはなく、とにかく町内会は窓口を開くようにとのことである。また、選定経緯などは助宗が窓口を開いてくれなければ話せないと。
================================================================
■問題はなんなのであろうか?(今まで聞いた声を集めました)
================================================================
●地権者の誘致に対して、行政側がしっかりとした裏ずけの調査をせず、決めてしまった点が問題、助宗の過去の経緯を知っていればこのようになることも予測が出来たはずであり工場団地計画当時の担当者の声が反映されなかった。(誘致の中に当時の町内会長という立場の人物がいたことが影響したのかも町内の合意は得られていると行政側が理解してしまったのでは?)
●行政の選定の経緯がまったく明かにされていない点
●決定ありきの下ろし方が問題、時代に逆行しているのでは?「1ヵ所に絞って申し上げた段階で,他に移るということはまずないと、動かないということで御理解をいただきたい」と市長が公言していた。
●一部の地権者が町内住民の合意を得ず誘致した点(助宗町内が過去からの軋轢で、推進者と反対者間では冷静に話も出来ないほどである)
●反対者は反対するだけで代替案がないのでは?
●志太広域事務組合の組織的に責任関係が明確でないことから広がった問題では?今回は、志太広域事務組合の事業だが、用地の選定は藤枝市が一任されており、藤枝市が用地を選定した結果、志太広域事務組合 理事会が了承し、議会に報告された。果たして、用地選定に関しては藤枝市、志太広域事務組合、議会どこに責任があるのだろうか?
================================================================
■解決するのか?
================================================================
あくまでも助宗は最適地で他に変える気はないとする藤枝市とこのような決め方に絶対納得がいかない地元住民との主張は平行線のままであり泥沼化(長期化)が予想される。
================================================================
※志太広域事務組合
 藤枝市・焼津市・大井川町・岡部町の2市2町からなる一部事務組合。職員は2市2町から出向している。管理は2年ごとに藤枝市と焼津市で交代しているH15年4月からは管理は藤枝市になり管理者は松野藤枝市長となる。理事会は 各2市2町の首長からなる4名である。
※藤枝市の窓口担当は企画調整課
H15年4月からは藤枝市に専門部署を設けて対応とのこと

┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
┏━↓●静岡市梅ケ島発 最後の“電気のない暮らし” ●↓ ━━━━━━━┓
 去る3月15日ゴミゼロネットの仲間でもある静岡市梅ケ島で暮らす杉山一家が4年間の電気のない暮らしを卒業して、4月より和歌山県本宮へ引越しするあたり、3部(正確には前の晩を含め4部)にわたって送別会を行いました。
<参考 これでいいん会のHP これを見れば杉山一家のことがわかります>
http://www.geocities.co.jp/NatureLand/5757/iinkai/
---------------------------------------------------
第一部 所 静岡市梅ケ島の杉山宅
第二部 ●イラク戦争NO!3.15静岡平和アクション“里果さんたちと一緒に歩こう!”
第三部 うなぎの辰金での普通の送別会
---------------------------------------------------
 杉山一家は梅ケ島を去るにあたり、静岡市に留まることを私は密かに期待していたのですが残念ながら和歌山県に引越しすることになったのです。3部にわたる二人からいろんな話しをあらためて聞くことができました。

<何故静岡に残らないの?>
 実は2歳の慧ちゃん以外に8月には第2子の出産を控えている里果さんは、東海大地震が起きるまでは子どものためにも静岡にはいたくないからだそうです。
 日本地図で原発の200km圏内を描いていくと本州では圏内に入らないのは紀伊半島の一部と青森県。青森県は六ヶ所村があることを思えば、実に比較的安全圏は紀伊半島の一部だけなんです。和歌山県本宮は正確にはギリギリ200km圏内ですが。二人が出会った北海道礼文島ももちろん圏外。
<本宮での生活は?>
 町興し事業の森林組合で大介さんが働くことになるので、新築の社宅で住むことになる。もちろん、今度は電気が引かれている。「そうすると私たちのように普通に電化製品が使うの?」と聞いてみると、電気洗濯機は使いたいとのこと。
 慧ちゃんを育てるのには、当然紙おむつ(紙というより石油・化学おむつ?!)なんかは使わずに、手洗いで済ましてきたが、毎日洗濯に数時間は費やしていたようだ。
 慧ちゃんの子育ても一生懸命でも、ゴミゼロネットの活動に積極的に参加してくれた杉山さんたち。よくがんばったね!とはあまりにもえらそうな言い方。ホントに大変だったのだろうと思う。
 
<もう一つの電化製品!?>
 いろいろ聞いてみると、それでも冷蔵庫・電子レンジ・テレビ…は要らない。と要らないづくし。でももうひとつ必要な電化製品はパソコンだそうです。
 私からの「暮らしぶりのレポートを送ってよ」の依頼にも忙しさで応えられなかったのが、残念そうだった。電池式WINDOWS CEのモバイルPCがあるのだが、入力には向かないようで。
 もちろん、メール通信のゴミゼロ通信や勝手連通信を気軽に読むには普通のPCの方がよい(とは言っていない。私の希望的観測で…)からだろう?
 
 今日(29日)は静岡市内で戦争反対のピースウォークがあり、そこで又里果さんたちに会うことができた。
 でも、PCがあれば又今まで以上に情報交換ができることだろう。
 送別会では杉山一家のパワーをみんなが感じていたことが話された。里果さんの感じたこと実践していることが、メールを通して、私も感じられればいいなあと期待している。
 ゴミゼロ通信で里果ちゃんの本宮日誌が連載になるかもね。
 (壷)
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
┏━↓●もうひとつの杉山里果さん送別会● ↓━━━━━━━━━━━━━┓
 前日の日から電気もない杉山家に泊り込んだ2組の子連れ主婦がいた。
 その内の一人松下さんから感想文が以下です。
 
 ☆    ☆    ☆   ☆    ☆    ☆ 
 
 そもそもは、3/2(日)のゴミゼロフェスタで杉山里果さんに会ったとき、「知り
合って間もないのに、転居なんて、惜しいよ〜。」「昼食会に一品持ち寄り、
ウドンをごちそうになるだけじゃ悪いから、前日からお手伝いに行かせて〜」
「すごくできる友だちがいるから、彼女も誘っていい?」ということで頼
みこみ、宿泊を許可してもらったんだ。でも、でも、二人とも子連れ。引っ越し
準備の忙しさの中で、結局、わたしたちは役立たずだったわ……とつくづく
反省し、自責しました。
翌日の4時まで3人で話したことを、いくつか紹介したいと思います。
キッカケは、子どもたちを寝かすために中断した夕飯の洗い物を仕上げようと、
里果さんが起きだして台所に立ったことから。汚したお皿が気になっていた友人
がまず、起き上がり、「でも、朝やった方が省エネかもよ」と言って寝
ちゃおうと思っていたわたしが、それに続いた。
皿を戸棚にしまって、立ち話をしているうちに、「ねえ、座らない?」と里果
さんが言って、コタツの掛け布団に足を入れて、上着を羽織り、二つのランプ
の灯りのなかで、わたしたちは話した。ときどき、闇のなかで、ネズミが動
いていた。

(以下は、だいたいの意味で正確な会話の再現・修正・まとめ。)

その1……里果さん:「マスコミは、わたしたちを客寄せパンダ的に取材
するんだよね。」
わたしと友人:「わたしたちも、そういう好奇心で里果さんの生活を知
ろうとしたのかもしれない。」
わたし:「なんで、里果さんたちの生活を知りたいかというと、今の生活に
『これでいいんかい?』って思っているからなんだよ。わたしさ、自分の生活
にいらついている。皮下脂肪と老廃物のカタマリである怠慢なわたし自身も
イヤ。このままじゃ、糖尿病さ。そんな自分を変えたいし、心身共に気持
ちよく生きたい。里果さんたちの生活を知ったら、自分の意識はきっと変わると
思ったんだ。
わたし、いわゆる紙オムツ使っているんだ。子どもに手間ひまかけることを第一
としないで、紙オムツをはかせて、連れ歩いている。そうしないと、自分を保
てない。だけど、いろいろ読んだり、聞いたりして、これじゃダメだよなとも
思っている。
この前さ、ある会合に出かけるために急いでいたんだ。そんなときに限って、子
どもがなかなかパンツをはいてくれなくて、もう、頭にきて、脱がせたパンツ
を床に叩きつけたんだ。オシッコを含んだブヨブヨの紙オムツ。それが破
れて、粒つぶの高分子吸収ポリマーが部屋に飛び散ったんだ。掛けてあった服
にも、衣類ケースにも、四畳半の部屋中に。もうイヤ〜って、泣き叫びながら、
掃除したよ。わたし、何してんだよ〜って思うよ。会合が終わる頃、ようやく
到着したさ。」
その2……「どうして、そう、毅然とできるの?」と問うわたしたちに、里果
さんは、過酷に働き続けて体を壊したことや、転地療養をしたことを話
してくれた。梅が島の生活での苦しい時期のこと、夫の大介さんに「強
がるんなら、強くなれ」「自分の弱さを認めろ」と言われたこと。そこからが
自分の再出発だと言っていた(かな?)。
わたし:「さっきから、里果さんの話を聞きながら、どこかで聞いたり、読
んだりしたよな〜って思っていたけど、今の話を聞いてわかったよ。みんな同
じことを言うのは、その人たちがある境地に辿
りついているってことなんだよね。もしかしたら、答えって1
つなのかもしれない。そして、違うのは、それに辿り着くまでの過程なのかな。
到達するまでが『人それぞれ』『自分自身』で、到達してしまったら『人』と
『自分』というこだわりやわだかまりはなくなくなる……のかな。」
その3……杉山家は、孤立していない。普通に生活している近所の人たちと、
ちゃんとつきあっている。里果さんは、同じ子どもをもつお母さんが集まる場
にも、ちゃんと行く。そして、中傷も受け入れる。
「どうしてそうできるのよ〜」と問うわたしに、「関係を断ち
切ってしまったら、伝えたいことも、伝えることができなくなるでしょ?」と答
えた。わたしみたいに、「原発のことを知らせなきゃ!」「ねえ、ねえ、誰
でもいいから聞いてよ!」なんていう、強迫観念はない。里果さんは、聞
かれたら答える。「知りたくなったら聞ける関係を保ちたい」と言った(か
な?)。
その4……人間として、母親として身を正し、子どもを信じ、努力を惜
しまないように見える里果さんを前に、わたしから見れば母親の優等生である
友人が、「こんな自分が母親では子どもに申し訳ないのよ」と涙声で言い、母親
という意識を敢えてせずに、その責任を自覚できないわたしは、またしても、
開き直る。
「アメリカのイラク攻撃だって、同じ母親として許せないし、悲しい。」と思
える里果さんと友人に対し、母親として考えることはできないんだけど、日本に
住む自分たちの現実とイラクをはじめとする人々の現実の違いに、疑問を感
じるようになった、わたし。

衣類や皿を水で洗って、その冷たさに感覚が冴えた。
薪ストーブの火を起し、ロウソクの炎を消す里果さんの、「ふうー」という息遣
いに、ハッとした。
いのちの呼吸だ。
「コレがやりたくて、夫はここに来たんだよ」といって、昼食会に来
たみんなに配られた紅茶。
素晴らしくおいしいと、人が言った。
この人たちは、モノにしている。本物にしていると思った。
わたしの生活や娯楽のほとんどは、輸入品の消費で成り立っている。
日本国内だけでは賄えない生活。
世界の不平等は、わたしの生活にあるんだ。

反戦デモに街へ下る山道。わたしたちと前を走る車をスゴイ勢いで追い抜いて
行った杉山家の車。
すんごく、速かった。街の規制に従わないたくましさ!
その白い箱形トラックが、杉山家の生きざまのように思えた。
杉山家は、過去と未来にタイムスリップしても、生きていける。


松下 祐子

┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
┏━↓●図書の紹介&韓国環境視察ツアーの紹介●↓ ━━━━━━━━━┓

 日本政府の廃棄物対策は、常に後手後手の状態です。おまけに、廃棄物対策に矮小
化した「循環型社会形成推進基本法」なる法律を01年6月に制定し、基本計画を0
3年3月14日に閣議決定しました。

 ところで、今回は、上記の内容と関係する内容ですが、興味をお示しするとお金が
掛かる情報提供です。
 国連が提案した「持続可能な開発」という定義は、それぞれの立場で使われ方が微
妙に異なります。

 情報の1 図書の紹介
 日本政府は、01年6月に72年の国連人間環境会議が採択した「人間環境宣
言」、そして、92年6月の「環境と開発に関する国連会議(リオサミット)」で確
認された「行動計画(アジェンダ21)」をベースに「循環型社会形成推進基本法」
を制定しましたが、法律の評価はそれぞれの立場で大幅に異なります。
 その評価の1つが「エントロピー学会」編集の「循環型社会を創る」で分析されて
います。
 図書名  循環型社会を創る 〜技術・経済・政策の展望〜
 定 価  2,400円+税
 編集者 エントロピー学会(白鳥紀一、丸山真人)
       ※報告者には、辻や熊本さんらが登場します
 出版社 藤原書店(広告>毎日:3月2日/日経:3月9日)

 情報の2 環境視察ツアーの紹介
 ところで、お隣の韓国は、環境政策基本法に基づき、00年8月過ぎには「持続可
能開発委員会」を発足させています。この様な韓国政府の取り組みを視察するツアー
を、とある旅行社が企画しましたので紹介します。
 視察名 韓国の環境政策(廃棄物処理とリサイクル)の現状視察
 時 期  5月11日(日)〜5月14日(水) 4日間
 費 用  108,000円//締め切り 4月10日
 関心のある方は辻まで(y.tuzi@vega.ocn.ne.jp)問い合わせを願います。問い合
わせのあった方にパンフレットを送付致しますので氏名と住所を必ずお知らせ下さ
い。

              埼玉県鶴ヶ島市
              循環型社会システム研究会 辻 芳徳
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
●吉津ダイオキシン汚染続報
 去る3月24日(日)静岡市吉津地区住民に対して住民説明会が行われ、住民50名の参加のなか開かれたようである。
 汚染土の撤去については静岡市はプロジェクトチームで検討中を前提にも、「ダイオキシン恐怖について今まで過剰言われすぎていた」ともとれる発言を繰り返していたようだ。
 とても心配な現実。詳報については次回に。(壷)
┏━↓●集会情報●↓━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
「ゴミゼロプラン静岡」市民ネットワーク
〈第66回定例会〉4月12日(土)午前10時〜12時
 所  アイセル21 4階41集会室
---------------------------------------------------------
第10回市民参加と情報公開で「ごみ処理検討委員会」設置を求める市民会議
※志太広域地区(藤枝市、焼津市、岡部町、大井川町)
---------------------------------------------------------
と き 2003年4月7日(月)19:00〜
ところ 焼津公民館アトレやいづ 3階 会議室
志太環境市民クラブ 代表世話人 田中 仁
TEL・FAX 054−645−4425
e-mail wbs29330@mail.wbs.ne.jp
志太環境市民クラブHP
http://setogawa.hoops.ne.jp/
-------------------------------------------------------
●集会予告●
こんな決め方でいいの!ごみ処理施設用地
情報公開と住民参加の必要性
日時 2003年4月19日(土)13:30〜
所  県立武道館会議室 JR藤枝駅南口近く
参加費 無料
講師 
山田辰美さん(富士常葉大学助教授)住民参加と情報公開 
池田こみちさん(環総研副所長 長野県中信地区廃棄物処理施設検討委員会学識委
員)

主催
情報公開と住民参加による「志太新ゴミ処理施設検討委員会」設置を求める市民会議
---------------------------------------------------------
「駿河でんでん市場ニュ〜ス」ただ今76名に発信中(No14まで)(^o^)
ニュ〜スの申込みは直接(壷)まで
♪〜広げよう!でんでん市場の輪〜♪ 地域通過は「ずらー」だよ〜!
♪〜♪「でんでん市場」のホームページ開店!!♪〜♪ 
http://www.geocities.co.jp/NatureLand/5757/denden/
*************************************************************
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
☆あなたの友人のメールアドレスをお知らせください
☆ゴミゼロ通信は転送、転載、複写何でもOKです
☆あなたの情報、ご意見、ご感想をお待ちしております
☆※送信御迷惑な場合は遠慮なくご連絡ください!送信を止めさせていただきます
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
●●ゴミゼロプラン静岡」市民ネットワーク●●
 ☆連絡先☆
┌────────────────────┐
│壷阪道也                 
│〒421-0111静岡市丸子新田277-4
│TEL・FAX 054-257-3177         
│Email  mirai2@bj.mbn.or.jp  future2@nyc.odn.ne.jp
│HP http://plaza25.mbn.or.jp/~gomizeronet/       
└────────────────────┘