荏原製作所 プラズマ方式(40t)が爆発!
原因は単純な?手順ミス!?
津川さんから以下メールが届きました。
ついでに東奥日報と朝日新聞、弘前地区環境整備センター紹介 広報も後段に掲載。
灰溶融炉爆発事故は、私の知る限りにおいて、昨年1月の東海市の爆発事故以来。
ただ、東海市は新日鉄のコークスを使うクリーンメルター方式・15トン/日×2だった。
今度は来春完成の静岡市灰溶融炉のタイプに近いプラズマ方式と聞いて、それだけにびっくりです。
灰溶融炉はまずはコスト高という問題だと思っていましたが、
手順を間違えば、爆発するものとは今更ながら、驚きです。(壷阪道也)
津川です。また青森で灰溶融炉の爆発事故がありました。18日付け朝日夕刊がベタ記事ながら報じています(毎日は出ていませんし、読売は知りません)。記事の概要は次のとおりです。「青森県弘前市町田のごみ処理施設『弘前地区環境整備センター』(水木健晴センター長)で17日午後11時5分ごろ、焼却灰の溶融炉が運転中に爆発し、作業員2人が軽いやけどをした。弘前署などが18日午前に現場検証し、原因を調べている」。
ベタ記事のためメーカー名や溶融炉の種類までは出ていませんが、メーカーは荏原製作所。今年4月に稼動したばかりのストーカ炉(123t×2基)で、灰溶融炉は同社自慢のプラズマ方式(40t)です。
ベタ記事とはいえ、この種の記事が全国版に転載されることは異例です。荏原の関係者から今夜(18日)聞いたところによると、以下のとおりです。プラズマ方式というのは従来から溶接等に用いるプラズマトーチに生成ガスを供給し、電圧を加えて1500℃から2000℃の高温・高速プラズマをつくりだして灰を溶融するというものです。
事故は炉内に差し込んである2本のトーチのうちの1本がトラブッたため、その先端を交換すべく、作業員がそれを取り出した。こんな場合、2本とも取り出しすのが常識だそうですが、1本は炉内に置きっぱなしで作業をしていたのです。炉そのものは止まっていたにもかかわらず、1600度という温度になっていたため、残したトーチの先端が溶け、そこに冷却水バルブの誤操作が加わって水蒸気爆発を起こしたとのことです。
電話でのやりとりだったため、詳しいフロー図もなく、それ以上はわかりませんが、「本来守るべき手順を守らなかったための単純ミス」だったことだけは間違いないようです。いずれ詳細な事故報告が出るでしょうから、改めて原因をお知らせできると思いますが、彼の話によると運転業務を請け負ったのは地元のSという札付き企業で、前木村守男知事とも癒着があったとの噂もある業者です。予定価格の半値程度で落札し、従業員教育もロクにしていなかった挙句の爆発事故だそうで、当時荏原の社員は一人もいなかったといいます。といって荏原製作所が免責されるわけもなく、社長か副社長が現地に飛んでいったそうです。
同じ青森のむつ市といい、弘前市といい、「ちょっとした不注意」が重大事故につながる技術が果たして社会的に認めらるべき技術なのでしょうか。今後ストーカ炉を入れる際は必ず灰溶融炉をつけろと環境省は居丈高で、いやおうなく灰溶融炉は普及してゆくはずです。いつなん時、どこでこの種の事故が起きるかわかったものではありません。
実は13年も前、東京都大田清掃工場第二工場の灰溶融炉(大同特殊鋼)が稼動早々水蒸気爆発を起こし、下請けの従業員2人が重軽傷を負っています。しかし当時の「灰溶融炉技術評価委員会」のリーダーだった平山直道・千葉工業大学教授は「技術検討委員会最終報告書」の中で次のような見解を明らかにしています。「これまでの新技術を振り返ってみると(中略)その技術が高度化、大規模化、複雑化するに伴い、試運転段階での種々のトラブルは避けられず、それを克服することにより初めて実用化技術として完成されたものとなってきた」。
参考 朝日新聞7月18日夕刊
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