皆様 ペットボトル研究の中間発表です。ご参考にして下さい
 
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「ミニペットボトルの売れない街・静岡」を創りたい!

               「ゴミゼロプラン静岡」市民ネットワーク 壷阪道也

 

・メーカーも認めている「ペットボトルは使い捨て容器」!

 

 500mlのミニペットの発売をメーカーは96年4月まで自主規制していた。その後2年間はCMも自粛、自動販売機でも売っていなかった。それはペットボトルが「使い捨て容器」であることをメーカーも自覚していて、市民の反応をみていたから。

 

・ペットボトルのリサイクルにはお金がかかっている

 

 リサイクルされたPETフレーク(8mm角の薄片)は1キロアタリ60円で売れ、その需要も増えていると言うが、そのフレークをリサイクル工場で作るのに150円から200円かけている。又自治体がPETボトルを収集して押しつぶしてベールにするのに200円〜400円(自治体によって異なる)かかる。要するに60円の価値を生み出す為に350円〜600円かけているのがPETボトルのリサイクル。しかも大半は税金。

 

・有価物の古紙・びん・缶のリサイクルとは根本的に違うペットボトルのリサイクル

 

 古紙・びん・缶は工場へ直接持ち込めば、そのまま原料としてすぐ使え、相場が下がったとしても、そのものを売ることができる貴重な資源。でもペットボトルは1キロアタリ、3〜600円でやっと60円のPET樹脂フレークができる。そのままのPETボトルだとただの燃えるごみ

 本来使い捨ての商品に税金を投入して、さも「リサイクルできる環境にやさしい商品」かのように扱つかわれているのがPETボトル。そのリサイクルは循環型社会にふさわしいリサイクルとはまったく異質のものと言って差し支えない。

 

・大量生産だから「PETボトルがPETボトルに戻らない」

 

 PET樹脂はリサイクルするとベンゼン環のつながりが130個から80個くらい減る。そのリサイクルPET樹脂はもう一度リサイクルすれば、もう繊維にすることはできないくらい劣化してしまう。現にリサイクルPET樹脂はリサイクルできない。又ペットボトルからペットボトルを作れなかったのは、ペットボトルを作る場合のPET樹脂の品質管理がとても厳しいから。ペットボトルの大量生産ラインでは一万分の一の確立で不良ペットボトルが生産されても、そのロットのすべてを廃棄するほど品質管理が厳しいという。効率よく生産するためにPETボトルの中味によってPET樹脂の品質を変えているくらいだ。そのPETボトルの生産ラインに劣化したPET樹脂など使えるわけがなかった。

 

・ペットボトルは安全な容器?

 

 飲料メーカーなどはHPなどで、「水筒の代わりにPETボトルを使わないで!(内容飲料によってPET樹脂は違う)」と訴えている。近頃では、暖めて飲めるPETボトルも売り出している(同じPETボトルでも微妙に材質が違う)が、それは特別なPETボトル。だから、普通のPETボトルに熱いお茶などを入れるのはたいへん危険。

 又、PET樹脂に炭酸飲料が少ない。目に見えない小さな穴が無数に開いているからだ。その穴に入り込んでしまうから、醤油のPETボトルをいくら洗っても、醤油の臭いは取れない。だから一度染み込んだものはけっして除去できない。もし、PETボトルに農薬を入れたら、それは燃やすべきで、けっしてリサイクルボックスに入れてはいけない。その農薬はフレークになってもPET樹脂からとれないからだ。

 フタができるから、その場で飲めない分を持ち歩ける手軽さに人気がある。しかし、飲料メーカーは「キャップを開けたら早めに飲むように。飲みきれるサイズのペットボトルを買うように」と訴える。「開封後3日後には急速に菌が増えカビが繁殖を始める」(静岡工業技術センター)のは事実。フタができる手軽さに逆に危険性が潜んでいる。

 「PETボトル入り緑茶は、急須で入れた煎茶に比べてビタミンCが1.2〜5.2倍多く含まれていた。これは茶葉に由来する量に加えて、酸化防止剤としてPETボトル入り緑茶にビタミンCが添加されているためであった」(静岡工業技術センター)つまり、PETボトルのお茶を普通のお茶と思って飲んではいけないという意味。

 

・ペットボトルのリサイクル率40%と言うけれど、実はその半分?

 

 2001年度のPETボトルの生産40万トン、回収量16万トンだから40%のリサイクル率(PETボトルリサイクル推進協議会HPより)という。でもPET樹脂として再商品化された量は9万5千トンしかない(同HPより)。自治体ルートで回収されたものは13万1千トン。残りの2万9千トン(16万−13万1千トン)は事業系のペットボトル回収等ということになっている。この2万9千トンの再商品化の行方がはっきりしない。どこにも公表されたデーターがない。(集められて燃やされただけかもしれない。燃やした方が処理費が安いのでその危険性は十分にある)そして自治体回収分の内3万6千トン(13万1千−9万5千トン)は集められたものの、分別不十分で焼却の運命(容器包装リサイクル協会広報より)という。(3万6千トンの無駄は税金70〜140億円をどぶへ捨てた計算)少なくとも、お金をかけて再商品化されたものは9万5千トンしかない。回収率が40%だったとしても、ホントのリサイクル率は24%という方が正しいかもしれない。

 

・お茶のミニペット(500ml)を飲まないだけでPETボトルの消費は半減する

 

 結局は使い捨て容器なのだから、止めようとしても止められない「手軽で便利な」PETボトル。飲料容器ではスチール缶が半減して、ガラスびんは消滅傾向。それに反しPETボトルは、ミニペット登場の96年から生産・消費がほぼ倍増。その増加分のほとんどがミニペットだと推定される。年間90億本、1人アタリ70本以上を飲んでいる勘定だ。清涼飲料の中軸と思われていた炭酸飲料や果実飲料は、最近反って減少傾向。逆に茶系飲料がここ数年で倍増の勢い。だからお茶のミニペットをみんなが止めればPETボトルの生産は必ず半減する。

 

 皆さん!それでもミニペットで飲みますか?

 

2003年8月8日記

 

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この小論に書かれたデーターは根拠があります。ご質問等ございましたら是非お寄せ下さい。
ご意見・ご感想をお待ちしております。
 
<参考>
 PETボトルリサイクル推進協議会
 日本容器包装リサイクル協会
 ペットボトルの賞味期限と保存方法(伊藤園HPより)
 全国清涼飲料工業会HP
 環境goo インタビューコーナー 
 ボトルtoボトルで資源循環型社会を目指す
 静岡工業技術センターのHP PETボトル入り緑茶飲料の化学成分比較
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