第1回容器包装リサイクルシステム検討会

日時:平成12年7月6日(木)10:00〜

場所:厚生省分室日比谷セントラルビル第1会議室

議事次第

1.開会

2.座長の選出

3.議事

 (1)検討会の位置づけ等について

 (2)容器包装リサイクルの現状について

 (3)検討項目について  。

 (4)その他

4.閉会

【資料】

 資料1 容器包装リサイクルシステム検討会メンバー

 資料2 容器包装リサイクルシステム検討会の設置について

 資料3 容器包装リサイクルの現状について

 資料4 容器包装リサイクルシステム検討会の検討項目(案)

資料1
検討会のメンバー

荒木 亨 紙製容器包装リサイクル推進協議会事務局長

岩田 功 (財) 日 本容器包装リサイクル協会専務理事

大平 惇 PETボトルリサイクル推進協議会推進委員会委員

郡罵 孝 同志社大学経済学部教授

崎田 裕子 環境カウンセラ―

高山 光史 京都市環境局環境企画部地球環境政策課担当課長

槌屋 勝嘉 柏市環境部長

永田 勝也 早稲田大学理工学部教授

日向寺昭夫 プラスチック容器包装リサイクル推進協議会事務局長

堀込 辰雄 PETボトルリサイクル推進協議会会長

宮野 忠幸 ガラスびんリサイクル促進協議会企画会議委員

寄本 勝美 早稲田大学政治経済学部教捜

<資料2>

容器包装リサイクルシステム検討会の設置について

1.趣旨

 容器包装リサイクル法は、本年4月から全面的に実施されているところであるが、今国会のリサイクル関係法案の審議の場においても、ペットボトルの生産・使用量が急増するー方でリサイクルが行き詰まっている問題、分別収集について市町村の負担が重いためリサイクルが進まないという問題等をはじめ、さまざまな問題点が指摘されている。

 こうしたことから、容器包装リサイクル法の実施状況と問題点を整理し、改善方策の選択肢を提示することにより、今後の議論の方向を明確化するため、有識者、市町村、事業者等をメンバーとする標記検討会を設置する。

 なお、厚生省の廃棄物・リサイクル行政は、来年1月から環境省に移管されることとなるため、年内に、標記検討会の結論をとりまとめ、省庁再編成後の具体的な施策の展開に資することとする。

2.検討会のメンバー

荒木 亨 紙製容器包装リサイクル推進協議会事務局長

岩田 功 (財) 日 本容器包装リサイクル協会専務理事

大平 惇 PETボトルリサイクル推進協議会推進委員会委員

郡罵 孝 同志社大学経済学部教授

崎田 裕子 環境カウンセラ―

高山 光史 京都市環境局環境企画部地球環境政策課担当課長

槌屋 勝嘉 柏市環境部長

永田 勝也 早稲田大学理工学部教授

日向寺昭夫 プラスチック容器包装リサイクル推進協議会事務局長

堀込 辰雄 PETボトルリサイクル推進協議会会長

宮野 忠幸 ガラスびんリサイクル促進協議会企画会議委員

寄本 勝美 早稲田大学政治経済学部教捜

 大蔵省(たぱこ塩事業室)、国税庁(酒税課)、農林水産省(食品流通局企画課)並びに通商産業省(リサイクル推進課、化学課)は、容器包装リサイクル法を厚生省と共同で施行している主務省庁として、本検討会の議論に参加、協力する。

3.検討スケジュール

 概ね1ケ月に1回のペ一スで開催し、平成12年12月を目途にとりまとめることとする。

公開について(案)

 本検討会の公開については、審議会等の透明化、見直し等について(平成7年9月29日閣議決定)等に基づき、以下のように取り扱うこととする。

1.本検討会の委員の氏名及び職業については公開する。

2.本検討会の開催予定に関する日時、場所及び議題については、決定後速やかに公開する。

3.本検討会においては座長の決するところにより会議又は発言者氏名を記した議事録を公開することとする。

 ただし、議事録を公開する場合において、個人の秘密及び企業の知的所有権等が開示され特定の者に不当な利益又は不利益をもたらすおそれその他非公開にすることについて正当な理由があると認められる部分については、座長の決するところにより、当該部分は非公開とする。

4.本検討会の提出資料については、座長が個人の秘密及び企業の知的所有権等が開示され特定の者に不当な利益若しくは不利益をもたらすおそれその他非公開とすることについて正当な理由があると認める部分を除き、公開するものとする。

資料3

容器包装リサイクルの現状について

<目次>

1.容器包装リサイクル法の現状  図表ファイルへ(PDFファイル149kb

1.1平成11年度までの実施状況

図表 分別収集実績重の伸び率の推移

図表 分別収集量・再商品化量。市町村数の推移

1.2平成12年4月からの実施状況

図表 平成12年度の指定法人ヘの分別基準適合物の引き取り申込状況

図表 紙製及びプラスチック製容器包装の平成12年度収集量見込み

図表 プラスチック製及び紙製容器包装のヨlき取り開始予定時期

図表 分別回収時期を平成13年度以降にした理由(224市町村等)

図表 紙製及びブラスチック製容器包装の識別マーク

1.3分別収集と再商品化のミスマッチ

図表 平成11年度の指定法人に係るペットボトルの収集量等実績(速報値)

2.ペットボトルを取り巻く状況  図表ファイルへ(PDFファイル200kb)

2.1ペットボ トルの特徴

図表 容器別の比重・内容量当たり重量の比較

2.2生産量の推移

図表ボトル用ペット樹脂の生産動向

2.3ペットボトルとその他主要容器との比較

図表 容器包装別生産畳の伸び率

2.4清涼飲料容器に占めるペットボトルのシェア

図表 清涼飲料の容器別生産轟とシェア

2.5ごみ中のペットボトルの比率

図表 都市ごみに占めるペットボトルの容積比率

図表 都市ごみに占めるペットボトルの湿重重比率

2.6 収集状況の推移

図表 分別収集轟。市町村数。人口の推移

2.7 分別収集の質   図表ファイルへ(PDFファイル205kb)

図表 容リ協会の分別基準ランク別の数畳

2.8 再商品化状況の推移

図表 再商品化計画・指定法人引取量の推移

図表 協会契約関係者数の推移

2.9 収集率と高商品化率

図表 生産養・回収畳(率)・再商品化量・分別収集実施市町村数の推移

2.10 海外におけるペットボトルリサイクル

図表 ペットボトルのリサイクル実施国

図表 世界のペットボトルリサイクル状況

2.11 事業者費用負担の現状

図表 ペットボトルの再商品化費用(総額・1本当たり)の推移

図表 ガラスぴんの再商品化費用 (総額・1本当たり)の推移

2.12 再商品化に係る事業者の費用負担

図表 ペットボトルの事業者負担

図表 ガラスびんの事業者費用負担

3.リデユース・リユース・リサイクルの取組事例紹介 
図表ファイルへ(PDFファイル238kb)

3.1ペットボトルの使用削減・易リサイクル化事例

図表 業界の取組(ペットボトル設計ガイドライン}

図表 個別事業者の取組

3.2ガラスぴんの使用削減。易リサイクル化事例.

図表 個別事業者の取組

3.3 紙裂容器包装の使用削減・易リサイクル化事例

図表 個別事業者の取組

3.4プラスチック製容器包装の使用削減・易リサイクル化事例

図表 個別事業者の取組

3.5ペットボトルのリユース事例

図表 ミネラル水、焼酎の量り売り

4.容器包装の高商品化技術   図表ファイルへ(PDFファイル315kb)

4.1 ペットボトルの再商品化技術の概要

図表 再生フレークの利用先

図表 再生フレークの用途別利用量

4.2ペットボトルのボトルtoボトル技術の状況

図表 ボトルtoボトル技術の概要と特徴

4.3ガラスびんの再商品化技術の概要

図表 再生カレットの利用先

図表 ガラスびんのリサイ クルフロー

4.4 紙製容器包装の再商品化技術の概要

図表 紙裂容器包装の再商品化方法

4.5プラスチック製容器包装の再商品化技術の概要

図表 ブラスチック製容器包装の再商品化方法

5.分別収集を新たに実施した際の費用と効果

5.1市町村における分別収集の費用と効果

図表 費用と効果の試算結果(3O万人都市の場合)

図表 費用と効果の試算結果 (3万人地域の場合)

6.国会審議での論点

6.1国会審議での諸点整理

 第147回国会では、収集費・保管費等の市町村負担の増大、ペットボトルの増大、リタ−ナブルの衰退、識別表示などが論点となった。

図表6.1−1厚生委員会での論点(第147回国会衆議院H12.5,12(金))

〇市町村負担の増大

 ペットボトルの使用増加に伴い、市町村の運搬費用が増大していることから、回収コストを事業者に負担してもらうべきだという意見がある。これら問題も含め、拡大生産者責任を確立する方向で検討してもらいたい。

〇ペットボトルの増大

 容器包装リサイクル法によってペットボトルの生産、消費の増加が加速されているのではないか。

図表6.1−2国土・環境委員会での論点(第147回国会参議院H12.5.25(木))

〇発生抑制効果の有無

 平成9年に施行され、ペットボトルの再商品化量は増えたものの生産量が増大し、ごみの量が倍ぐらいになっている。大量生産した方が、生産一本当たりの費用負担が安くなることから、大量生産促進法になっているのではないか。

〇リターナブルの衰退

 ペットボトルが増えて、環境負荷軽減の優等生であるリタ−ナブルびんが駆逐されてしまう状態は本末転倒ではないか。

〇選別しやすくするための表示

 消費者が買う時、廃棄物として処分する時、選別しやすいように製品ヘの分かりやすい表示が必要。

図表6.1−3商工委員会での論点(第147回国会衆議院H12.4.21、26、28)

〇自治体の負担

 自治体が回収、事業者が再商品化を負担するシステムでは、事業者の責任が少なすぎ、容器包装廃棄物の発生抑制、リサイクルしやすい製品開発へのインセンチイブになっていないのではないか。

〇サーマルリサイクル

 ペットボトル、プラスチック製容器包装の再商品化量が増えてくる中で、サーマルリサイクルについてどう考えるべきか。

〇再生品の用途

 ペットボトルについては、分別回収量の伸びに再商品化能力が追いつかないのみならず、再商品化により得られた再生ペレットの用途が限定されているという問題もある。再生ぺレットを積極的に使わせるため、インセンチイブを付与するべきではないか。

図表6.1−4国土・環境委員会での論点(第147回国会参議院H12.5,30)

〇リターナブル

 ペットボトルをリターナブルびんとして使用することはできないか。また、この際、デポ

ジット制度の導入が考えられないか。

〇リサイクル産業の育成

今後、リサイクルを進めていくに当たっては、産業政策の観点から、環境・リサイクル産業の育成を行っていくことが必要ではないか。

○リユースとリサイクル

 容器包装リサイクル法が制定・実施されたことによって、容器包装のリユースが減少し、

リサイクルが増えているのではないか。

資料4

容器包装リサイクルシステム検討会の検討項目(案)

1.リサイクルを進めても廃棄物となるペットボトルが減るに至っていない問題について

(1)現状認識

@容器包装リサイクル法の施行後、ペットボトルのリサイクル率は急速に向上しているが、そのー方で生産・使用貴も増えており、廃棄物となるペットボトルの貴ぼ減っていない。
A11年度には再商品化の能力が不足したため、市町村の分別収集したペットポトルの全量を引き取り再商品化することができず、一部の市町村からの引き取りが停止されるという事態も生じた。市町村により分別収集されたペットポトルが確実に全量再商品化できる体制が必要である。

(2)論点

@これら2つの問題について解決を図るため、
・誰がどのような目標を立てるべきか。
・どのような方法が考えられるか。
・政府のとりうる対策は何か。
・事業者、市町村、消費者にはそれぞれどのような行動が求められるのか。
・再商品化物の用途拡大をどのように図っていくか。
・再商品化物の輸出をどのように考えるか。
A発生抑制、再使用、再生利用(マテリアル・ケミカル・サーマルのリサイクル)という優先順位の考え方との整合性はどのように考えるのか。
B再商品化事業者による取り組みを円滑化する観点から、ペットボトルフレーク等の規格化(JIS)を進めるとともに、廃棄物処理法における再生利用認定制度が活用できるのではないか。

2.リタ―ナブル容器について

(1)現状認識

@リタ―ナブル容器からワンウェイ容器ヘの転換が進んでいる。
Aこれは、消費者の選択、流通形態の変化が中心釣な要因であると考えられるが、市町村が分別収集する容器包装リサイクル法によって、事業者が、自ら回収をも行うリタ―ナブル容器を選択する意欲を低下させているのではないかという指摘がある。
Bリタ―ナブル容器とワンウェイ容器について、環境負荷の観点からそれぞれの特長を適正に評価すべきとの指摘がある。

(2)論点

@リタ―ナブル容器からワンウェイ容器への転換が進んでいるのはなぜか。
A消費者、事業者にリタ一ナブル容器が選択されるためにはどのような要件が必要か。
B発生抑制、再使用、再生利用(リサイクル)という優先順位の考え方も踏まえ、 リタ一ナブル容器の促進を図ることのメリット・デメリットを洗い出し、それが適切かどうか。さらに、リタ―ナブル容器の促進が適切であるとした場合には、

・容器包装リサイクル法の仕組みの中でどのような方法が考えられるか。
・容器包装リサイクル法の仕組みが事業者のリタ―ナブル容器選択の意欲を低下させているのではないかとの指摘に対し、どのような対応が考えられるか。
・さらに効果的な方法としてはどのような方法が考えられるか。

3.市町村の取組みを支援する方策

(1)現状認識
@ペットボトルは集めれば集めるほど収集、圧縮、保管などの市町村の負担が増加していくという市町村の指摘がある。
Aまた、プラスチック製容器包装や紙製容器包装は、多種多様で住民に説明することが困難であること、量的に多いため今まで以上に分別収集の負担が大きいことから、ガラスびん、ペットボトル以上に分別収集への取組が進みにくい。
Bリサイクルの仕組みをつくるうえで質の良い分別収集が求められるが、質の良い分別収集を実現している市町村からは、こうした方向へのインセンテイブが働かないという指摘がある。

(2)論点 
@市町村にとっては、分別収集よる費用が発生するー方で最終処分量が減少するなどのメリットがあることを評価することが必要ではないか。
A市町村の分別収集を促進するためには、分別収集の実施により得られるメリットだけでは不十分であり、さらに市町村が取り組みやすくする方法を講ずるべきではないか。

  例えば、
・紙製容器包装及びプラスチック製容器包装の識別表示は有効で欠かせない方法であるが、早期に表示を普及させることが重要である。そのためにはどのような方法が考えられるか。
・分別のし易い容器包装の設計、使用を促進することが重要ではないか。
・市町村が安心して分別収集するためには、分別収集されたものが全量再商品化できるような体制が前提となるのではないか。

B質の良い分別収集を行う市町村を支援するため、インセンテイブを与えるべきではないか。

 そのための具体的な方法として何が考えられるか。
C市町村の費用負担を軽減するとともに、住民の適正な分別排出を促す手段としてごみの有料化を進めるべきではないか。
D容器包装リサイクル法の役割分担(分別収集は市町村、再商品化は事業者)について、市町村の負担が大きすぎるのではないかとの指摘についてどう考えるか。

4.効果的な容器包装リサイクル

(1)現状認識
@容器包装廃棄物の発生抑制、容器包装の減量化、リサイクルし易い容器包装素材への転換といった、廃棄物を減らす上で効果的な取組が重要である。
Aこれらの点で優れた取組や有効な取組を実施している事業者や事業者団体があるー方で、こうした取組が浸透、普及しているとは、必ずしもいえないのではないか。

(2)論点
@量り売りなどの容器包装廃棄物の発生抑制、簡易包装化、詰め替え方式、軽量化などの容器包装の減量化を具体的に促進するためにどのような方法が考えられるか。
Aリサイクルし易い容器包装素材への転換などを具体的に促進するためにどのような方法が考えられるか。

   例えば、
・複合素材の容器包装色つきペットボトル、塩化ビニル製の容器包装などのようにリサイクルのし易さという点で問題のある容器包装についてどのような方法が考えられるか。
・ペットボトルについては事業者団体により自主設計ガイドラインがつくられているが、 このような取組は他の容器包装についても有効ではないか。

Bこのような取り組みを促進する観点からは、容器包装リサイクルに対する事業者・消費者の意識の醸成を図っていくことが必要であるが、普及啓発にどのように取り組んで行くべきか。