<資料>大丈夫?!容器包装リサイクルシステム検討会!
☆はじめに
☆議事録抜粋
☆議事録抜粋詳細版

はじめに
第2回容器包装リサイクルシステム検討会議事録
日時:平成12年8月21日(月)14:00〜15:55
場所:厚生省分室 日比谷セントラルビル第1会議室

第2回検討会議事録から検討会を検証する

「使い捨て容器=ペットボトルが増えたのは消費者の責任だ。企業は消費者の求めに応じて製品を供給すればいい。使い捨て容器を規制するなんてファシズムだ!技術革新に対する挑戦だ!デポジットがつぶれたのも消費者が悪い。生産過剰・回収過剰で(リサイクルし過ぎて)全量引き取れと言われても、再商品化義務量は一つの目標だから…、ペットボトルがまた山積みになることはあり得る。その時は緊急避難的に燃料化(燃やす)ことも考えられるようにして欲しい」

(PETボトルリサイクル推進協議会の検討会委員の発言の要旨から)

 生産者・販売者の責任はどこへいったのでしょう?消費者が便利さ手軽さを安易に欲しているため、使い捨て容器が増えたのは事実でしょう。しかし、ミニペットを大量販売して、使い捨てに拍車をかけたのは企業です。それを野放しにしている仕組みが現行の容器包装リサイクル法ではないのですか?目先の利益・便利さにとらわれて欲するままに行動していたら、地球の未来などあるはずがありません。あえて誰が悪いかを論じるより、それなら抑制効果のある政策に切替えるしかないでしょう!それをファシズムと言っていたのでは終わりです。

<第2回議事録抜粋>

<崎田委員 環境カウンセラー>

…飲料の生産量が増える分はとりあえずペットボトル以外のものにするいった工夫を自主的におやりいただくというのは無理でしょうか。

<大平委員 PETボトルリサイクル推進協>

…メーカーの社会的使命というのは、品質、価格、利便性、そういったもので消費者が求めるものを供給していく、これが第一義的な使命…いまの消費者が求めるものを供給しないでストップするというのは出てこないわけです。…ペットボトルは悪いと証明できていればいいのですが、ただ、本当に悪いんですかということを考えないと、ドイツがやったような、ファシズム的な規制に走ってしまうことになるかもしれません。(リタ―ナブル容器を70数%必ずつくらなければいけないことを指す)…新しく出てきたものをつぶすということは、今度はぺットの次に新しい容器ができたときに、それをつぶすことにつながりますよね…技術革新を止めていいのだろうか

<高山委員 京都市環境局>

…ペットの分別収集、再生にはお金がかかっているわけですから、その負担割合を消費者の方にわかっていただくという仕組み…従来より費用がかかってきている…がわかるような仕組みが必要…。

<大平委員 PETボトルリサイクル推進協>

…ペットボトルでリタ一ナブルができるのであれば、ガラスの方がもっとやりやすいと思いますが、…中国地方で1リットルのガラスのリタ一ナブルボトル…50円のデポジットを付けました。…小売店が面倒だから扱ってくれない…消費者は、返すのが面倒だからやはり買ってくれない。買った消費者が戻してくれない。…結局は消えてしまいました。そういうガラスでさえだめだった。…二十五、六年前まで、清涼飲料の容器というのはほとんどリタ―ナブルだったんです。…リタ―ナブルびんを守れというのが社是だった…消費者のワンウェイ志向というのが、ライフスタイルが違ってきて受け入れられなくなつてしまった…ドイツのように法律をつくってとにかく強制的にやれば、それはリターナブルが実現するとは思います。ただ、そのときに、法で強制するからには、本当にリターナブルにしたらいいという検証をする必要がある…。

<崎田委員 環境カウンセラー>

…ワンウェイ志向の消費者が多くてだめだったというその現実もあるとは思います。でも、…もう一回チャレンジするというのを全国でやってみるということができたらと思います。…ライフサイクルアセスメント手法で容器間の環境負荷比較をしようというような研究…80%の回収率…最低5回以上のリタ一ナブル化が可能であれば環境負荷的には、環境負荷が下がる…データも出てきています…、もう少しリターナブル容器が増えるような、リターナブル容器に少し移しやすいような誘導策をこの法律の枠組みの中に入れる、あるいは国が政策として入れていくというようなことがあってもいいのではないか…。

<永田座長 早稲田大学理工学部教授>

…大平さんの話では、消費者に望まれるものをつくるのが第一とのことでしたが、…EPRなどの議論を聞いていると、それだけじゃないんじゃない…いまのお話だけだったら、それは10年前に聞いても同じことを言っていた…事業者の役割というのが、最近ではもう少し違った視点も生まれてきている…。

<大平委員 PETボトルリサイクル推進協>

…ペットより缶の方がメーカーとして売りたいんだ…なぜペットは利益率が低いかということですが容器代が高いんです。缶と比べて著しく高いんです。それから、充てんする効率がものすごく低いんです。…にもかかわらず、なぜペットを供給しなければいけないかという原点に戻ってほしいんです。さっきの生産規制だ、抑制だとか、消費者のせいにしてずるいとか、そういう発想をするときに、ぜひその事実を知った上で判断してほしいと思います。

<岩田委員 容器包装リサイクル協会>

…(ペットボトルが)短期的にはオーバーフローすることはあり得る…。(市町村に保管しておいてほしいという事態が生まれる)…、緊急避難的なものを用意していただかないとはっきり言って大変な問題になると思います。…たとえばケミカルリサイクル、輸出とは言いませんが、ほかの用途も、…これだけはやむを得ないだろうという枠組みをつくっていただかないと、短期的には難しい…もちろん市町村の方でお預かりいただくということがきちんとできればいい…。

<寄本委員 早稲田大学政治経済学部教授>

…製造メーカーが、リサイクルからみて余裕のある容器に切り替えてもらいたいという期待(リサイクルできない場合には、リサイクルできるものに切り替えてもらいたいという期待)が容リ法を考えるときにあった…調節を効かせるための経済的手法等々、もう一回考え直すという宿題が出てきている…。それがいつの間にか忘れられてしまいまして

<永田座長 早稲田大学理工学部教授>

…とにかく出てきたものは全量引き取るんですねと、そういう話でやっていってもらう以外にない…

<堀込委員 PETボトルリサイクル推進協>

 ですから、全量引き取るとおっしゃられても、…現状では、手法も全部リサイクル工場ヘ入れることに限られていて…その工場の能力以上のものが集まってあふれた場合に緊急避難的に方法は任せると言っていただければ、やり方は幾らでも考えられると思います。

<永田座長 早稲田大学理工学部教授>

…製品をつくるということの方をコントロ一ルできるような立場におられる…。―般の消費者の方はそのように理解している。…そのときの本当にわずかな量だけがケミカルリサイクルに回るんですよという説明でしょうか。必ずしもそうはならないのではないかという不安感もある…。

<高山委員 京都市環境局>

…あくまでも発生抑制が一つの目的であり、リサイクルはこのため手段として実施するわけですから、生産量は消費者が求めれば増えていきますが、それに対する対応というのは、EPRといった新しい概念が出てきた中で、どのように整理していくことが一つの視点なのかと思います。

<岩田委員 容器包装リサイクル協会>

…再商品化義務量というのがありますね。それが一つの目標になっている…ペットの場合には再商品化能力、収集力が低いものですから 一応、義務量は義務量で置いておいて、再商品化能力を少しでも伸ばして対応していこういう経歴が非常にあるわけです。その辺は推進協の方の努力というものを買っていただきたいと思います。…

<槌屋委員 柏市環境部長>

…緊急避難的な方法…というのはどういうようなことがございますでしょうか。

<岩田委員 容器包装リサイクル協会>

(コークス炉とか高炉原料化)そういうことが許されるのであれば、これから一生懸命考えます。

<第2回容器包装リサイクルシステム検討会議事録抜粋詳細正確版>

○大平委員

 これは表現がよくないですね。4倍としてこの数字をつくったわけじゃなくて、予測した数字を計算してみたら、たまたま4倍ぐらいだというだけの話しです。

O宮野委員

 多分、4〜6月の2万555トンというのは、前年引き取りの同期に対してほぼ1.7倍ぐらいになります。したがって、もしそのままいけば恐らく9万4〜5、000トンになる可能性はあるということですが、猛暑のぐあいをどう読むかは、7、8月が終わらなければわからないというのが本当のところではないかと思います。もし4〜6月の実績を延ばしたら9万トンを超える可能性もあると見る方が正しいと思います。

O永田座長

 そういう意味では、こういう季節変動や冷夏の影響などいろいろなことがあるでしょうけれども、そういう要因や、それから先ほどのペットへの代替、飲料としての伸びなどを含めてた意味での将来予測をする必要があるのではないでしょうか。―つは平均的な値で予測される部分と、それが変動した場合にどのぐらい増えるものであろうかという値といったものについて何か資料はないのでしょうか。そういうのはやったことはないと考えておいた方がいいのでしょうか。

O大平委員

 むずかしいと言うとそれまでになってしまうと叱らるかもしれませんが、急激に伸びたものの予測というのはむずかしいという面はあります。

〇崎田委員

 たとえば、再商品化がきちんと回る程度の量を見極めるまでのしばらくの間については、飲料の生産量が増える分はとりあえずペットボトル以外のものにするいった工夫を自主的におやりいただくというのは無理でしょうか。

〇堀込委員

 むずかしいと思いますね。

O崎田委員

 きっと飲料メーカーの方は一つの会社の中でいろいろな容器に入った飲料を全部生産されていらっしゃいますよね。ですから、企業の中で販売量などいろいろなシェアを自分の会社でどう出していくのか、環境的な負荷からいって一番おさまるのはどの辺か、といった予測をそれぞれの企業でもしお作りになっているのであれば、そういうのをぜひ今後伺っていきたいと思うのですが。

O大平委員

 非常にむずかしい問題を提起されているわけですけれども、答えになるかならないかわかりませんが、一つは、現在の法制度のもとでそういうことが可能かというのは置いておいて、われわれメーカーの社会的使命をどう考えているかということにも関係するわけです。われわれメーカーの社会的使命というのは、品質、価格、利便性、そういったもので消費者が求めるものを供給していく、これが第一義的な使命である。それから、ごみになった後のものについてももちろん責任がないわけではなくて、そこは法律に従って与えられた責任をきちんと果していくというのが使命です。そうすると、われわれの理解している社会的使命から、いまの消費者が求めるものを供給しないでストップするというのは出てこないわけです。

 もう―つ、ペットボトルは悪いから止めろという議論があるかもしれません。LCAその他の総社会コストという観点から、ペットボトルは悪いんだということが証明されれば、悪いからやめろという法律をつくって止めるということは可能だと思います。ペットボトルは悪いと証明できていればいいのですが、ただ、本当に悪いんですかということを考えないと、ドイツがやったような、ファシズム的な規制に走ってしまうことになるかもしれません。

O崎田委員

 リタ―ナブル容器を70数%必ずつくらなけれぱいけないといったことですね。

O大平委員

 それからもう―つ、缶とびんの場合でも、容器が新しく世の中に出てきたときには、やはり同じ現象が起きました。缶の場合、ものすごい勢いでリサイクル率は上昇したけれども、出たばかりのときは非常に低かったわけです。それだけ缶の業界が努力したわけで、われわれペットも負けずに努力していると言いたいのですが、いずれにせよ最初は低い。それは待つてもらわなければいけない。新しく出てきたものをつぶすということは、今度はぺットの次に新しい容器ができたときに、それをつぶすことにつながりますよね。そういうことをしていいのだろうか。極端に言えば、技術革新を止めていいのだろうかということにつながるのではないかと思います

O崎田委員

 私も、技術畑ではありませんので、細かいデータといったお話はほかの専門家の皆さんにお話をしていただきたいと思いますが、最近、ごみのこと、環境のことが気になっている人は、容器が非常に選択肢が少なくなっているということが、暮らしの中で大変問題にしています。ただ、私はペットボトルがいけないと思って言っているということではなくて、軽さとか、壊れないこととか、持ち運びに便利ということは、これからの高齢社会にはやはり大変ありがたい容器だと思っています。ですから、それなりに社会の中であるべきシェアというのはあると思います。

 ただ、いま私がなぜこういうお話をしているかというと、ワンウェイ容器が余りにも増えてきて、少し消費者も手間がかかるけれども、ちゃんとゆすいで返して、それでもう一回リタ―ナブルで使っていただくような容器がどんどん減ってきてしまっているというのが、ここ数年、顕著に出てきているということが、前回の資料からも言えるのではないかと思います。ここのところ、多くの消費者はそういう変化を大変憂慮しています。特にいろいろなところでお話ししていても、若い世代の方は、これだけ売っているのだから、 なぜそういう話になるのという方ももちろんいらっしやいますが、やはりみんなでお話ししていって、それなりの適正なところを見つけていかなければいけないのではないかと思います。そういう意味で、ペットボトルがここ数年、急激に増えているということに関して、本当にこのままでいいのだろうかという議論は一度きちんとしないといけないと思っておりまして、せっかく容器包装リサイクル法の検討会の場がありますので発言させていただいたきました。

O永田座長

 いまの話で、市町村の方から何かありませんか。

O高山委員

 平成8年、500ミリのペットボトルの容器が解禁された後、ペットボトルの量は非常に増えており、この計画によればこれがさらに今後増えていくという中で、ペットを分別収集して圧縮梱包するというのは市町村の負担ですから、これについて施設の整備等を考える場合には、分別収集計画において、ペットボトルの再商品化をするために、何トンのペットボトルの処理のための施設が必要かということを考えているわけです。当然、ペットボトルが増えていく中で、16年の数字を見てみますと、そもそも素材別のシェアで見ると、当初われわれが思っていた以上にペットが増えていっているので、それを圧縮梱包するの施設についても缶とびんとぺットの割合が大きく変えなければなりません。予測の中にはビールは入っていないということですが、アメリカの一部でも、ある州では入ってきているという情報もあります。できましたら、前も議論の中であったのですが、ペットの分別収集、再生にはお金がかかっているわけですから、その負担割合を消費者の方にわかっていただくという仕組みができれば、市町村としてもありがたいのではないかと思います。いま、缶もびんもペットポトルも同じようにリサイクルをしているんですけど、リサイクルするに当たって、やはり従来より費用がかかってきていますよという部分がわかるような仕組みが必要じゃないかと思います。

O永田座長

 ほかにありませんか。

O寄本委員

 いまのお話の関連でちょっと確かめておきたいんですけれども、廃ペットボトルの利用は、ケミカルリサイクルは技術的な開発などにカを入れておられるようですが、ボトルtoボトルといいましても、洗ってもう一回使うようなリタ一ナブルとしての利用というのは、いまのところはほとんど考えておられないというふうに考えてよろしいわけですか。傷がつきやすいとか、マイナスの面が大きいので、リターナブルではなくて、あくまでも原料として使うというふうにされていると考えてよろしいわけですか。

O大平委員

 はい。ペットボトルでリタ一ナブルができるのであれば、ガラスの方がもっとやりやすいと思いますが、ガラスですらできないという現状をまず分析していく必要があると思います。なぜガラスでもできないのかと言えば、やはり買ってくれないからということになります。私の会社は飲料メーカーですが、物の本にもあちこち書いてもらったことがありますが、中国地方で1リットルのガラスのリタ一ナブルボトルを出しまして、50円のデポジットを付けました。それで、これを店に置いてもらうのに、ものすごく苦労しました。それから、消費者に買ってもらうのも非常に苦労して、びんを返すと50円だけ安くなる。ほかのペットと比べて50円だけ事実上の値引きになるような値段の設定をして、それでも小売店が面倒だから扱ってくれない。

 消費者は、返すのが面倒だからやはり買ってくれない。買った消費者が戻してくれない。戻すのに回収機までドイツから輸入して何台も置いたり、いろいろな努力をしたのですが、結局は消えてしまいました。そういうガラスでさえだめだった。

 もう―つ逆のぼってみますと、二十五、六年前まで、清涼飲料の容器というのはほとんどリタ―ナブルだったんです。リタ―ナブルというのは、容器もさることながら、工場の設備がメーカーにとってはものすごく貴重な資産ですから、それを維持したいわけです。活用したいわけですが、現在、ビールで起こっているような現象がものすごい勢いでやってきて、設備は無駄になる、びんは無駄になる、大変な目に遭ったわけです。そのときも、リタ―ナブルびんを守れというのが社是だったと言っていいと思うんです。それで、結局、努力したけど守り切れなかった。消費者のワンウェイ志向というのが、ライフスタイルが違ってきて受け入れられなくなつてしまったんです。だから、どうしたらいいのかということですが、ドイツのように法律をつくってとにかく強制的にやれば、それはリターナブルが実現するとは思います。ただ、そのときに、法で強制するからには、本当にリターナブルにしたらいいという検証をする必要があると思うんです。そこのところの段階を抜きに、いきなりしたのがドイツだったと思います。リターナブルについてはそのように感じています。

〇崎田委員

 いまのガラスでさえ過去だめだったという話で、消費者の一人として本当に耳が痛いし、残念ながら消費者自身が本当に愚かだったと思ういます。ただし、いまは分かれ目にいるのではないかという気がします。なぜかというと、いろいろな報道でこれだけ環境問題の報道が強くなってきましたし、特に環境教育とか環境学習の分野に関しても、もっときちんとライフスタイルを見直していかなければいけないということで、環境庁とか文部省のいろいろなまとめも去年、一昨年あたりに出てきていまして、ことしあたりから現場で、地域教育、あるいは学校教育などでみんなでやっていこうというように、いろいろなところで動いています。私も環境カウンセラーという仕事でいろいろなところを回っていて、いろいろなお話をすると、小学校・中学校の生徒さんたちの反応が数年前と全く変わってきたと、学校の先生方が驚いていらっしゃいます。そういう意味では、やはり新しいことにもう一回チャレンジする分かれ目ではないかと思います。いままで企業として何度かチャレンジしてくださったけれども、ワンウェイ志向の消費者が多くてだめだったというその現実もあるとは思います。でも、ここのところで先ほどおっしゃった環境的なことをもう一度みんなで合意形成して、もう一回チャレンジするというのを全国でやってみるということができたらと思います。

 先ほど環境的な検証をもう一回ということでおっしゃっていたのですが、最近、ライフサイクルアセスメント手法で容器間の環境負荷比較をしようというような研究をされている学校の先生方も大変増えてきていらっしゃるようで、先日、そのシンポジウムに出てきましたけれども、大きく言って、やはり80%の回収率を確保できて、最低5回以上のリタ一ナブル化が可能であれば環境負荷的には、環境負荷が下がるとみんなが納得できる数字になるんじゃないかというようなお話もありました。基礎数字がかなり大ざっぱですけれども、このぐらいまでは納得できるのではないかというのが、いろいろな立場の方のお話だったんです。そういうデータも少しずつ出てきていますので、この法律は、もちろんリサイクルとしてきちんと回っていただくようにここで検討しながら、もう少しリターナブル容器が増えるような、リターナブル容器に少し移しやすいような誘導策をこの法律の枠組みの中に入れる、あるいは国が政策として入れていくというようなことがあってもいいのではないかという感じがいたします。

O永田座長

 ほかに何かありますでしょうか。ペットボトルに限らずということでリターナブルの話をいろいろしていただいたと思いますけれども、いまのお話も全部含めて、結局落ちつくところは、きっと環境負荷の話となるのでしょう。その辺のところをもう少しきちんとした形で評価できるシステムが必要になってくるものと思います。実は、私も大分前からLCAをやっていまして、この辺の話をやらせてもらったことがありますが、輸送の問題等が入ってまいりますとなかなか厄介なことにもなってまいりますし、それから、ドイツで3年ぐらいかかって容器包装についてのLCAをやった結果も出てきておりますので、そういうものも参考にしていただきながら、リターナブル化の話も少しまとめて議論をさせていただければと思います。

O大平委員

 LCAですけれども、いまいろいろなところで、いろいろな先生方がやってくださったり、それから生協とか、いろいろなところでやっていますけれども、それぞれある目的を持ってやっているような面がなきにしもあらずなので、国がきちんと組織化して客観的な研究をしていただけたら納得できるものができると思います。民間に任せておかないで、そこに国が入ってきてほしいということをお願いしたいと思います。

O永田座長

 LCA自体は、 LCAフォーラムということで通産省で研究費を準備していただいて5年計画でやっているおり、 そこでは基礎データを集めて、そういうものを使えるような状態にしていこうということ、あるいは、インパクトアセスメントなどの手法も開発していこうという話でやっています。 容器包装だけというわけではないのですが、そういう意味で基礎データが集まってくれば、同じ情報をべ―スにした上での議論はできるだろうと思います。ここら辺は、またこれから何回かやる過程の中でご紹介いただける点があったらお示しいただきましょう。

 それから、私、大平さんの話では、消費者に望まれるものをつくるのが第一とのことでしたが、それはそうに違いないんだろうと思いながらも、最近のEPRなどの議論を聞いていると、それだじゃないんじゃないでしょうかと感じます。いまのお話だけだったら、それは10年前に聞いても同じことを言っていただろうと思うんです。リサイクルを中心としていろいろな形で議論している中では、事業者の役割というのが、最近ではもう少し違った視点も生まれてきているのではないかという気がしていまして、そういう点で崎田さんとの間の議論を聞かせていただいておりました。

O寄本委員

 技術的な問題でちょっと教えていただきたいことがあるのですが、いまは、飲料容器の半分以上は自販機で売られていると思うんですけれども、自動販売機というのは、たとえばいま仮に缶飲料のものをべットボトルに切り替える場合に、自販機そのものを全部入れ替えなければならないんですか。それとも、自販機の中をちょっと操作すれば容器は種類が変わってもすぐ使えるようになるんですか。

O大平委員

 なかなかそうじゃないようです。技術的に結構面倒だそうです。しかも、金がかかるそうです。

O寄本委員

 そう簡単に切り替えられないんでね。

O大平委員

 はい。コンビニエンスストアですと、目の前にたくさんのものがあって、その中から選択できますが、自販機ですと、そこにあるものしか買えませんから、売る方としても、そんなに選択肢を与えなくても、たとえばペットを置かなくも、 「ぺットがないからしょうがないよ」と買わない人はいないので、喉が渇いて買いたければ、缶しかなくても缶を買っていきますよね。だから、わざわざむずかしいペットを入れ、利益率の低いペットを入れるインセンテイブが余り明確でないということです。

O寄本委員

さっきの崎田さんのご意見にちょっと関連してご質問したのですが、いま自動販売機がありまして、10のラインがあって、三つペットボトルが置かれている。これを二つにしたいと。仮に考えて、一つはびんに切り替えるといった場合に、チョコチョコと操作するだけではだめなんですか。やはり自販機そのものを切り替えなければいけないのですか。

O大平委員

 私は技術屋でないのでよくわかりませんが、機械全体を替えるわけではありませんが、とにかく面倒で金がかかることで、できれば余りやりたくないということのようです。

O寄本委員

 いまは7割前後は自販機で売られているんでしょう。

O大平委員

 清涼飲料ですか。

O寄本委員

 ええ。

〇大平委員

 清涼飲料の大体5割ですね。

O寄本委員

 わかりました。

O大平委員

 先ほどの自販機に限らず、ペットより缶の方がメーカーとして売りたいんだという経済的な面をぜひ理解していただきたいと思うのですが、自販機に入れるには手間暇かかる、金がかかる。それから、コンビニでもどこでもいいんですが、自販機だけではなくて棚で売るものについても、なぜペットは利益率が低いかということですが容器代が高いんです。缶と比べて著しく高いんです。それから、充てんする効率がものすごく低いんです。狭い口から入れますから。したがって、充てんのコストが高い。とにかくペットはかなわないのですが、にもかかわらず、なぜペットを供給しなければいけないかという原点に戻ってほしいんです。さっきの生産規制だ、抑制だとか、消費者のせいにしてずるいとか、そういう発想をするときに、ぜひその事実を知った上で判断してほしいと思います。

O永田座長

 それは、前回の議事録にも発言として載つていましたけれども。

O大平委員

 そこは重要なところですので。

O永田座長

 ちょっと私の方から質問いたします。資料3で、先ほど生産量の話なども問題にさせていただいたのは、基本的には生産量と分別回収量ですけれども、回収されたものは、業界団体というとおかしいですが、これから引き受けたサイドの方ですべて再商品化していきますよという原則論で考えていくと見ておいてよろしいんでしょうか。

O堀込委員

それは、これから先にわたってそのようにしていきたいと考えています。

O永田座長

 その中で−つ心配なのは、用途の話で、繊維とかシートとか、結構伸びを予測されていますよね。ここは、そちらのコントロール外のところではないんですか。こういう伸びは想定しておいて構わないんですか。

O堀込委員

 これは、現実にいま取引して使っている人たちの、12年度のこの数がどこまで伸びるのかという予測です。

O永田座長

 ここの値は大丈夫なんですか。

O堀込委員

 はい。これ以上はまだわからないということですから、これ以上考えるとに、先ほど出てきましたように、ケミカルであろうと何であろうと、ボトルにということをここまでやらないとだめだという意味にとっていただいて結構です。

O永田座長

 そういう意味では、先ほどの話じゃないですけど、見込み量もどんどん上方修正されて、回収量も増えていく。そういう中にあって、本当に先ほどのようなBTBの話は、安全サイドには見ておられるのかのしれないけれども、3ペ―ジ目の表−3で書いたような想定で本当に十分なんでしょうか。これ以上に集まってきたりしたときに、そちらの方でお手上げですよという状況にはならないんでしょうかということです。

O大平委員

 いまの数字ではそういう無責任には考えておりませんので。

〇永田座長

 ここに想定された以上に集まってくる可能性があるんじゃないでしょうかということです。

O岩田委員

 原則的には全部引き受けると推進協の方はおっしゃっていますけれども、現実に処理する私どもにとっては頭の痛い問題です。実際問題、すでに説明されているように、ことし、市町村との契約量ぼ7万2、000トンですね。実際には、現在8万6、000トンぐらいまではいいということになっていまして、それ以上のペースで推移しているわけです。実際にいまの状況で、場合によっては、短期的にはオーバーフローすることはあり得ると私は踏んでいます。

O永田座長

 市町村に保管しておいてほしいという事態が生まれるということですか。

O岩田委員

 ええ。その問題はある程度予測してくれないと、ことしの場合はちょつとヤバい

んじゃないかという気はしないでもないです。この8月以降の天候、9月の天候いかんにもよりますけれども。

 それで、基本的には、いま検討しているような形で長期釣な政策を打つにしても、実際に技術的な問題が全部解決していない現在の段階で、多少そういうミスマッチが出た場合に、原則はあくまでも市町村が収集したものを全部引き取るんだということを原則にするのであれば、緊急避難釣なものを用意していただかないとはっきり言って大変な問題になると思います。したがいまして、全部任せなさいと

はちょっと言いかねます。

O永田座長

 いかがでしょうか。いまの緊急避難的というのはどういうことを意図されているんですか。

O岩田委員

 たとえばケミカルリサイクル、輸出とは言いませんが、ほかの用途も、もちろん現実的な判断のもとに、これだけはやむを得ないだろうという枠組みをつくっていただかないと、短期的には難しいと思います。もちろん市町村の方でお預かりいただくということがきちんとできればいいですけれども、実際には、何かありますと、すぐマスコミの方に流れて、ほんの一部が相当全体に麻痺しているような感じを受けかねないような状況になりかねませんので、その辺をご考慮いただきたいと思います。

O寄本委員

 岩田さんが言われたような問題が起こった場合に、いかに製造メーカーが、リサイクルからみて余裕のある容器に切り替えてもらいたいという期待が容リ法を考えるときにあったと思うのですが、そういう調節が効かなくなってしまったという問題があるんですよね。調節を効かせるための経済的手法等々、もう一回考え直すという宿題が出てきているというふうに考えざるを得ないんじゃないでしょうか。リサイクルできない場合には、リサイクルできるものに切り替えてもらいたいという期待があったと思うんです。それがいつの間にか忘れられてしまいまして。

O岩田委員

 当時は、計画経済だから、ある程度のミスマッチは当然という部分もありませんでしたでしょうか。

O永田座長

 計画経済といっても、コロコ口数値が変わっていって、7万2、000トンが、いまや9万トンになつていったりするということからすると、毎年10月か11月ぐらいにやっている次年度の計画などは、それはそれなりに意味がある話だと思うんです。それぞれがそういう数値化という概略のところを見ながら、回収とか、あるいは再商品化というのをやられているのだから、それは意味がある話かなと思いながらも、これだけ変わつていってしまうと、ああいうことをやっておいてもほとんど意味ないんじゃないか。とにかく出てきたものは全量引き取るんですねと、そういう話でやっていってもらう以外にないのかなという気がします。

O堀込委員

 ですから、全量引き取るとおっしゃられても、最商品化の手法も決められていますし、どれだけの量が集められるかというのがわからないのはわれわれも同じです。そのような状況で、再商品化の工場を用意しておけとおっしゃられても、どれだけの量がわからない状況で、会社を新設しなければならないわけです。したがって、現実には、このぐらい集まるだろうというだろうという予測を立てて、それに基づいて対策を考えていくしかないわけで、予測がはずれたらどうするかと言われれば、正直言って、よけい働かせて間に合わせるという答えしかないのです。どう対策をとれと言われたときに、来年何トン集まるか決めていただければ、この工場を作って下さいと言えるのですが、いくら集まるかはわからないけれどもエ場を作って下さいとは言えません。ですから、一言言いたいのは、現状では、手法も全部リサイクル工場ヘ入れることに限られていて、それ以外に方法がありません。その工場の能力以上のものが集まってあふれた場合に;緊急避難的に方法は任せると言っていただけれぱ、やり方は幾らでも考えられると思います。

O永田座長

 先ほどき寄本先生が言われたように、それは話が違うんじゃないかという議論もあります。方法論は決まっています。ただ、製品をつくるということの方をコントロ一ルできるような立場におられるのではないかという議論もあるわけです。

O岩田委員

 それはないですよ。

O永田座長

 ―般の消費者の方はそのように理解していると思いますが。

O岩田委員

 マーケットは、とても管理できるものではありません。

O永田座長

 それだったら、さっきの話じゃないですけど、リサイクルをちゃんとできるだけのペースとなるような数値など、もう少し確定的なものを準備して、その中で変動がどのぐらいあるかということも含めてちゃんとわれわれにも知らせてもらいながやっていかないと、議論がかみ合いません。いつまでたっても、緊急避難的、緊急避難的といってケミカルリサイクルのことを言われていますが、将来的には成功といえるような状況に持っていってくれるという前提で、そのときの本当 にわずかな量だけがケミカルリサイクルに回るんですよという説明でしょうか。必ずしもそうはならないのではないかという不安感もあるのですが。

O岩田委員

 そういう前提で私は申し上げているんです。

O永田座長

 しかし、いまのお話を聞いていると、なかなかそのようには受け取れません。

O高山委員

 いまのお話を聞いていまして、最後の方に、今回新たに制定された6つの法律のことも考えておく必要があるだろうと思いました。容リ法とリサイクル法ができて、EPRのお話もさっきあったんですけれども、このような状況の中で新法が6本できました。特に基本法の中で生産者の責任を取り込んでいることとの整合性を持たせなくてはならないのではないかというお話があったと思うんです。確かに消費者のワンウェイの方を志向して選んでいます。そのためペットボトルが増えていっている。そのぺットボトルが現実にミスマッチを起こして、去年、ある程度の積み残しされた量が出てきた。今後、生産量が増えていったときに、それはいたし方ないでは済まないのではないかと思っています。それを、市町村の方も、消費者の方にこれだけの再商品化の費用を集めるのにお金がかかりますよ、ペットボトルの器代が高いですよとお知らせしていく一方、あくまでも発生抑制が一つの目的であり、リサイクルはこのため手段として実施するわけですから、生産量は消費者が求めれば増えていきますが、それに対する対応というのは、EPRといった新しい概念が出てきた中で、どのように整理していくことが一つの視点なのかと思いま

す。

O岩田委員

 再商品化義務量というのがありますね。それが一つの目標になっているわけですが、この際、義務量というのは何かという問題に立ち返らなくてはいけないと思います。事業者側、特に推進協の方では、ペットの場合には再商品化能力、収集力が低いものですから 一応、義務量は義務量で置いておいて、再商品化能力を少しでも伸ばして対応していこういう経歴が非常にあるわけです。その辺は推進協の方の努力というものを買っていただきたいと思います。ですから、ここのところで数字が増えると申し上げましたけれども、実際に約束した以上のものを引き取って世の中うまくおさめていこうという意図で置いているわけですよね。ですから、クルクル変更するからわからない部分もありますけれども、必ずしも悪い方で変更しているわけじゃないんですよね。その辺はご理解いただきたいと思います。

O永田座長

 それはわかっていますよ。

O槌屋委員

 遅れて申しわけございません。いまの関係で、緊急避難的な方法というお話が出ていますけれども、現時点で考えられる方法というのはどういうようなことがございますでしょうか。

O岩田委員

 私どももよくわかりません。

O永田座長

 さっきの話では、コークス炉とか高炉原料化といったあたりを頭においておきたいということでしょう。

O岩田委員

 そういうことが許されるのであれば、これから一生懸命考えます。はっきり言って、当面は永田さんがいまおっしゃったようなことですね。

O永田座長

 一方で、技術屋の立場としては、きょうは郡嶌先生が欠席されていますので、私は本来司会進行役でコントロールしなくてはいけないのですが、意見を言わせていただきますが、消費者から見ていると、せっかく分けたのに何だという議論が必ずついて回ってくるというところは、これは岩田さんも十分頭の中に入れていただいた上でのご発言だろうと思うのですが、それにしても、この辺のところをきちんと整理しておかないといけないのではないか思います。それぞれの言い分は出尽くしたというふうに解釈しておいていいですか。

O日向寺委員

 技術的な観点からながめていくと、資料1の月々の排出量は月によって2倍ぐらい排出量が違うわけですね。そうすると、年間を通じて排出量と処理能力というのがミスマッチが起きないように努力しても、瞬間的な領域は、いま岩田さんがおっしゃられたように必ず出るわけです。もしミスマッチが起きないようにというならば、最高値に相当するぐらいの処理能力を整備する、こういうことになってしまうので、とんでもない数値の整備が事業者側は必要になってくる、そういう問題が起こるわけです。それはちょっと現実的ではないことから考え合わせれば、年間を通じたミスマッチをある程度意識しながら読んでいこうとすれぱ、季節的にはミスマッチが部分的、短期的には当然起こり得るわけです。それを、岩田さんがおっしやったように、何らかの対策をたてておくべきと思うわけです。

O大平委員                       

 仕組みがそうですよね。この法律の仕組みというのは、とにかく処理能力を評価してみて、その処理能力を勘案して分別収集をしてもらって、お互いに微調整しながら、両方とも伸ばしていこうという法律ですから、その過程で必ずでこぼこが出るのは当然ですよね。にもかかわらず、ペット業界は義務量を超えて引き取ってきたわけですよね。さらに思い起こしていただきたいのは、1年目と2年目は逆のミスマッチがあったわけです。工場をつくって用意していたけれども、物がこなくて莫大な赤字が出て、そのときのミスマッチのときに、もっと集めてくれといっても、それはシステム上やむを得ないということで、結局集まりませんでした。このシステムがまずいのであれば、どう変えようかという立法論的な議論が必要だと思うんです。たとえば全部引き取れと。全部引き取るときに、形式上の義務量を超えて引き取った分は法の枠外だから、リサイクルの手法も法の枠外でやってもらおうとか、こういうことになると思うんです。

O日向寺委員

 法の枠外かどうかというのは、ケミカルリサイクルは法の枠外か枠内かという問題を議論しなければいけないのですけれども。

O大平委員

 完全に自由ということでなくて、社会が認める方法でということですが。

O永田座長

 いま論点が若干すり変わってしまったような気がするんだけど、日向寺さんが言っているのは、基本的には、毎年毎年の中でも、最適とは言わないけど、ある処理能カを持ったものが存在している状況から見てみれば、ミスマッチというのは必ず起こりますよと。その分については、さっきの話じゃないけど、緊急避難的な手法を適用させてほしいという話ですか。

O日向寺委員

 そうです。

O永田座長

 でも、それは恒常的になっていくという話ですよね。

O日向寺委員

 ある種、鉄砲水みたいなものなんですよ。

O永田座長

 それは、そこで処理するという話じゃなくて、もう少しならして処理するという体制もあるでしょうしね。

O日向寺委員

 それは、一たん自治体に保管をするというようなシステムか、それ以外のところに保管するシステムかという認識が自 治体ではされているように思います。違いがあるとすればそれだけでしょう。