「ゴミゼロプラン静岡」市民ネットワーク（略称ゴミゼロネット）
〈第２３回会合のお知らせ〉毎月第２土曜日
日時１９９９年９月１１日(土)午前１０時～１２時
所アイセル２１４階４１集会室（「街と生活を考える市民センター」名で借りてあります）
内容 ①静岡県環境フェア出展について

      ②静岡市生活フェア出展について
      ③もうひとつのゴミゼロプランについて
      ④その他

(見学場所)志田紙工中村製紙植田産業富士工業技術センター
(主な参加者)
園田真見子氏(元古紙ネット事務局長)
江尻京子氏（多摩ごみ連邦代表等）
渡辺裕子氏（古紙ネット、川崎ごみ連）
渡辺翠氏(東京２３区住民連絡会代表等)
伊藤氏(古紙ネット)渡辺孝氏(富士市)

初めての参加者、学生も含め夏休みにもかかわらず、１１名の参加者がありました。続ゴミゼロ集会（ＲＤＦ）、韓国ゴミ事情の２つの集会を踏まえながら今後のゴミゼロネットの在り方、「もうひとつのゴミゼロプラン」作成についてについてざっくばらんに話し合いを持ちました。

〈韓国のゴミ事情〉
去る７月２０日～２３日静岡に韓国全州市から市会議員、医師、記者、高校教師等８名が訪れ、韓国のゴミ事情を知るチャンスを得ました。７月２１日訪問団の方と一緒に静岡市のごみ処理施設を見学し、その夜交流会をもちました。それでも不鮮明なところは、その内の一人と静岡市井宮の美人湯に入りながらインタビューを試み以下少しまとめたものです。

古紙の利用率は７０％以上（日本は５０％ほど、生産される紙に古紙を利用している割合）と世界のトップクラスであり、ゴミ有料化をいち早く取り入れ、使い捨て容器に対する禁止措置も見事なものです。残念ながらペットボトルは使用禁止になってはいませんが、集めればお金になるようになっていて回収率も日本よりはずっと高そうです。そんな韓国のゴミ対策からたくさんのことが学べそうです。

たまたま７月１５日のニュースステーションで韓国のゴミ事情「使い捨て容器の使用禁止」（使い捨て容器の無料サービス配布の禁止）が放送された直
後でした。
９９年初頭から商店・ホテル等で「使い捨て容器の無料配布の禁止」が始まったのです。スーパー等のレジ袋は有料配布が義務付けられ、１袋２０ウォン（約２円）位で売られるようになり、半数以上が買い物袋持参（当初、無料で買い物袋配布現在２００円程度で販売）し始めるという成果が放送されたのでした。

無料シャンプー・リンス等の銭湯・ホテル等での配布禁止。割り箸、コップ、爪楊枝等のレストランでの配布が禁止されています。それはそれで取り組み易い事情があったようです。例えばもともと割り箸の普及はあまりしていなかったことが禁止が容易にできた背景です。（日本文化の影響で割り箸があるあったらしい）
又、爪楊枝禁止はレストラン等の残飯生ゴミは家畜の飼料に使われることが多く、家畜が残飯を食べる時に爪楊枝が時々家畜の命を奪う深刻な問題が頻繁に起こっていたという韓国の特殊事情のようです。

９５年１月より韓国ではゴミ有料化が実施されています。当初「税金の二重盗り」という批判もあったようですが、ゴミ減量に大きな効果あり、評判は悪くはなさそうです。（体制に批判的で人権・民主主義に敏感な訪問団も全面賛成のようでした）現在５０Ｌ袋６００ウォン（約６０円）。９５年度全国ゴミ処理費用１兆ウォンの内３０００億ウォンがゴミ袋収入によって賄われています。テレビ等の粗大ごみはシールを買って貼って処理するし、（生産段階で殺虫剤や電池等の有害物やその他製品に税金をかけ生産を抑制効果があると言われる）課徴金制度もあります。有料化の成果もあり、紙・プラスチックゴミの減少という成果もありながら、生ゴミの増加が深刻な問題のようでした。特に埋め立てによる汚染がひどく、生ゴミは２００３年からは埋め立てしないとのことでした。「私たちの生ゴミ堆肥化の取組み」については、韓国の生ゴミは塩分が多いから堆肥化はできないだろうと消極的な反応でした。もちろん、農村では何らかの取組みをやっているようでしたし、塩分が含まれていてもケイフンによる生ゴミ堆肥化は可能だとは思いますが……。

静岡の沼上清掃工場の見学時も熱心に質問を繰り返していました。「ダイオキシンの値が比較的低いと言っても新設焼却場基準高いのではないですか？市民は何故反対しないのですか？」等々するどい質問を繰り返していました。
韓国でのダイオキシン・環境ホルモンの一般市民の関心はマスメディアの力により高くなってきているようです。特に焼却中心のゴミ政策への転換（埋立中心であった）が現在計られつつあるため、焼却場建設・埋め立て処分場建設反対運動もあり、燃やすこと・埋める場所両方大きな問題に深く感心を寄せているようでした。
話しを聞いているとよくわかったのは過剰包装やごみ問題に対する市民の関心は日本と比べかなり高く、１０年前と比べるても格段に変わったそうです。それは９５年のゴミ有料化、９７年の経済・金融危機が大きく影響しているようでした。もちろん、野菜などはもともと市場でのはだか売りが当り前です。（野菜の過剰包装は日本だけの特色？）

持ち家の「埋め立てゴミ」は月～土まで毎日、家の前まで、普通は午前中、音楽を流しながら、収集車がやってくるそうです。「埋め立てゴミ」以外はプラスチック・紙・ビンの３分別で一定場所（＝ステーション？）にいつでもおけるようになっています。
アパートの場合は少し違います。アパートには３分別と「埋め立てゴミ」の捨て場所があり、２４時間いつでも捨てられるようになっています。そのため全州市のゴミ処理費用（６割の）アパートは２３億ウォン、（４割の）持ち家１００億ウォンになっており、この格差が問題になっているようです。
毎日ゴミを捨てられることは便利のようですが、気軽に捨てられるということは消費スタイルへの抑制効果がなくけっしてよいこととは思えません。もちろん、この問いかけに彼らは「その通りだ」と答えてくれました。（Ｔ）

＜施設名＞御殿場市・小山町広域行政組合ごみ固形燃料化施設
＜敷地面積＞22,288㎡＜建物及び延床面積＞工場棟6,360㎡
管理棟1,032㎡その他232㎡
＜建設工事費＞７９億２千７０万円(契約金額)
＜着手＞平成７年10月16日＜完成＞平成11年３月10日
＜設計・施工＞J-カトレルグループ
三菱商事・石川島播磨重工・荏原製作所・フジタ共同事業体
＜処理方式＞固形燃料化方式 RDF(J-カトレル方式)
＜処理規模＞150t/15h(5t×15h×2系列)

＜代替エネルギーになる固形燃料です＞
RDFは原料となるゴミを約３分の2に圧縮、また乾燥しているので、コンパクトで運搬が容易です。石炭の2分の1のエネルギーを有していますので、石油や石炭などの代替エネルギーとして、マクロ的な観点からみても環境負荷の軽減に貢献します。

＜地域へ還元できるリサイクル型エネルギーです＞
RDFは、温熱・冷熱・電気などとして、地域へ還元できるリサイクル型エネルギーです。例えば、一般家庭から排出されたごみから成形したRDFを燃焼させ、地域冷暖房としてオフィス・文化施設・スポーツ施設へ供給することが可能です。現在御殿場市内の温泉センターや製薬会社の研究所用冷暖房の燃料として再利用しています。

去る７月１７日、御殿場リサイクル市民の会の勝又さつきさんを招いて御殿場ＲＤＦの勉強会を行いました。その報告です。
分別が基本もともと消極的でした
プラスチック類等は分別してせめて埋め立ててあれば将来それを安く石油に戻す道もあるのに燃料としてもやしてしまったら復元利用する道もなくなってします。燃料にするのもリサイクルだと言う意見にはもともと消極的だったそうです。

御殿場市８万人小山町２万人でつくる広域行政組合のゴミ量は１日１００ｔ以下、焼却炉は向かないとかなり強引な決め方を行政はやったようです。
実は御殿場市は平成７年のゴミ有料化と分別リサイクルの徹底を実施して大きな成果収めているのですが、その当事実施のために市内の各地の説明会を開き、それぞれに２～３００人の市民が集まってくる盛況ぶりでした。それと比べ、ＲＤＦ建設に関しては「広域組合でやっていること」と市民からの質問にはほとんど答えないという状態がずっと続いたそうです。
御殿場リサイクル市民の会（御殿場しから補助金をもらって市役所に事務所を持つ市内の公的な消費者団体）のＲＤＦ施設の見学ですらやっとつい最近実現したという状態でした。見学時、「やはり、市民のゴミの減量分別、リサイクルが大切ですね」との問い掛けに「基本はそうです。生ゴミもどんどんリサイクルしてください」との現場担当者の返事が返ってきたそうです。

最近これもニュースステーションで取り上げられました。全国３０程のＲＤＦ施設の内半分以上は創られたＲＤＦ（固形燃料）の行き先がなく困ってしまっているというものでした。作られた固形燃料はいつでもどこでも使えるものではなく、特殊なボイラーでないと使えません。そして燃やせば一定基準を満たしているとはいえ、ダイオキシンは発生します。クリーンエネルギーとまでは言いにくそうです。

本来なら、昨年４月に動かなければならなかった施設が、今年４月になってやっと一機が稼動できている状態。それも最近火災事故を起こしています。
例えば５０Ｃｍ角以下に裁断されていない布団やカーペット（たたんだ状態で小さくなっていても不可）が含まれると処理機械を壊してしまう等、市民の分別処理の仕方が悪いからと事故原因等をメーカー側は説明しているようです。技官クラスの人も機械のジャングルの中で実はどこからまた故障するか不安顔は隠せない様子です。

建設費７９億円修理費４５億円、多い時で灯油１日ドラム缶２００本分を消費する処理実費６～８円/kg（人件費等を含まないで…実は焼却より高い）等々は結局何のために（税金が）使われてしまっているのだろう？こんな大事なことが十分な市民的論議もなしに何故こんなに簡単に決まってしまったのだろう？メーカーのうまい売り込みによるメーカーのための巨大な実験場に御殿場・小山は使われているのかなあと思えました。（Ｔ）

☆この「ゴミゼロ通信」は電子メール版もあります。メールアドレスを連絡先の mirai2@bj.mbn.or.jpにお知らせくだされば定期的に「ゴミゼロ通信」を無料配信致します。
☆ゴミゼロ集会「安井潤一郎講演」カセットテープ（約１時間１本カンパ２００円）

☆「１２月５日荻原弘子講演」テープ起こしが完成。Ｂ５版２４ページ・カンパ１００円。
「ゴミゼロプラン静岡」市民ネットワークとは？

９７年１０月地球温暖化防止京都会議に向けて静岡大学で行われたシンポジュウムの「ゴミ・リサイクル分科会」から生まれたゴミ問題、リサイクルを考える市民団体です。
〈連絡先〉壷阪道也〒421-0111 静岡市丸子新田277-4
TEL・FAX 054-257-3177 Email mirai2@bj.mbn.or.jp