ゴミゼロ通信電子メール版９９年１２月１５日号

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「ゴミゼロプラン静岡」市民ネットワーク（略称ゴミゼロネット）
〈第２７回会合のお知らせ〉毎月第２土曜日
日時２０００年１月８日(土)午前１０時～１２時
所   アイセル２１４階４１集会室「街と生活を考える市民センター」名で借りてあります）
内容 ①清掃工場でのリサイクル市について
        ②レジ袋条例について
        ③生ゴミの堆肥化の拡大活動ついて
        ④その他
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<１２月１１日第２６回の概要>
　初めての参加者４名も含めて１４名の参加者がありました。松田美夜子さんの講演会、古紙問題講演会の反省とゴミ問題談義、新沼上清掃工場でのリサイクル市について、レジ袋の現状と条例制定運動について、静岡市環境基本計画とゴミ削減目標について等を話し合いました。

<これでよいのか古紙リサイクル！>
　古紙利用率を上げるにはオフィスでのコーピー用紙やパソコン間連用紙、新聞折込のチラシを何とかしなくては……。同じ再生紙を使うにしても、目的を考え、白色度の低いものを使うことが望ましいのだが…。
　　富士環境事業団の渡辺さんと通産省の鈴木さんをよんでの古紙問題講演会が１２月４日３６名の参加で行われました。
　鈴木さんは「古紙利用率５６％（９８年度５５％）を達成していくには印刷情報用紙の利用率向上がカギであり、うまく古紙利用率があがってくれば、新聞古紙の不足も考えられ、漫画以外の雑誌古紙（比較的上質）の分別回収も考えられる。容器包装リサイクル法の２０００年４月からの完全実施に伴い、その他紙容器包装がリサイクルの対象になる。しかし、それらの再商品化の方法は製紙原料（再生紙に戻る）だけでなく古紙再生ボード（土木建築分野で熱帯材の代わりに使われれば、効果大）等があるがサーマルリサイクル（結局は固形燃料として燃やされる）の道もある。」という報告をしてもらいました。
　渡辺さんは「人口２４万人の富士市が全国紙生産の１４％、衛生用紙（トイレットペーパー等）では２３％を生産している。しかし、１日２５０万ｔの水を使用し（県内産業使用量の約４割）自家発電率５０％であるのに買電量３５万ＫＷＨ（山梨県全体の電気使用量の約７割に相当）重油１７２万ｔ（県全体重油換算使用量の約５割）のエネルギーを消費している。その生産活動に伴いＳＯＸ、ＮＯＸ、煤塵等の大気汚染物質は県内第一位の発生量、１日１７０万ｔの排水田子の浦港に流し、ＳＳ、ＣＯＤ等の水質汚濁物質を垂れ流している。その上、年８８万ｔのペーパースラッジ（製紙ゴミ）を出し、現在での年３万ｔの焼却灰を富士山麓に埋め立てしている。
　紙のリサイクルの輪を完結させるということはペーパースラッジのリサイクルと富士市への環境負荷にかかるコストを紙の価格に組み込む必要がある。」と報告されました。（注：もちろんバージンパルプへの課徴金を抜きには語れません）

<追記>　集会参加者のＳさんが直後、富士市を訪れ岳南排水路（製紙工場の灰水路）へ工場から赤い水が流れているのが印象的だったとの報告が届きました。

<どうするペットボトルのリサイクル！講演と討論会>
　１１月２４日、元気なゴミ仲間の会全国代表の松田美夜子さん講演会とパネルディスカッションが静岡市内で開かれました。
　来年４月からの容器包装リサイクル法の完全実施でその他のプラスチック類（トレー、梱包材等）も分別リサイクルの対象となり、市民は分別、行政は回収、企業は再資源化のシステムが本格的にスタートするのですが、県内では富士市、湖西市、そして静岡市はペットボトル以外の回収には参加しないことになりそうです。その事も含め、会場内は大激論になりました。以後はその講演と討論の要約は個人的にまとめたものです。必ずしも発言者の意図と一致していないかもしれないことを了承して下さい。（Ｔ）

◎討論の軸
<たまる一方のペットボトル！>
　清掃事業はとは焼却炉を確保することだ。ペットボトルのリサイクルやその他プラスチックのリサイクルは、せっかく集めても、自治体は保管場所で大弱り、最後に燃やすことになったらたいへんだ！（静岡市鉢呂課長）
　ＶＳ
<燃やしたら終わり>
　焼却炉に多くの税金をつぎ込むのは問題だ！できるだけリサイクルして、焼却炉建設費を使わないことが大事。循環型社会のためには燃やしたら終わりです。（松田美夜子さん）

◎松田美夜子さんの講演（要旨）
　スイスのチェルナット村では３０年前から電気自動車を導入し、きれいな空気や自然を守りながら観光村として栄えてきました。環境を考えるには国の大小は問題ではないのです。
　ゴミ処理、特に焼却炉建設は自治体の大小を問わず、莫大な税金が使われるのです。今は全国的に焼却炉の建替え時期です。新規大型焼却炉を造るのではなく、分別リサイクルの徹底で、清掃予算を減らしていきましょう。
　ただペットボトルのリサイクルは行政負担も大きく、問題です。使い捨て容器を減らすことが重要です。
　ドイツではデポジット容器使用の義務付けが牛乳３０％～ビール９０％まで規制され、使い捨て容器を法律で抑制しています。使い捨て容器を使うことはエネルギーとお金の無駄使いになります。
　ドイツでは、その中で消費者の意識も向上し、過剰包装をキライ包装資材を商店に置いていくようになりました。そのため、野菜・果物の無包装はもちろん、歯磨き粉類にも紙の箱はついていません。
　松田さんが初めてドイツを訪ねた時、商店には３５円のプラスチック製袋と１００円の布袋が売られていたので、安いプラスチック製袋を買おうとした時、通訳の人に「安いからといって、プラスチック製品を買うとドイツではその人だけでなく、いっしょにいる私までが軽蔑されます。」と注意され、恥をかいたそうです。
　ドイツばかりでなく、米国でのマクドナルドではリサイクル品・再利用品でお店作りをしていたり、諸外国は日本ずっと先を歩いています。
◎森章次さん
　　東洋製罐(株)環境対策室長
　ペットボトルボトルのリサイクルは行政回収が始まって、たいへん活発になってきています。93年12万t生産して、回収率0.4%だったペットボトルは今年99年３３万t生産して回収率18％(予想)なろうとしています。ペットボトル3.3本でYシャツができ、スーツもできます。今日の私の衣装はペットボトル１２本分にあたります。
　今ペットボトルは作業着、シート、カーペットに生まれ変わります。
◎鉢呂謙治さん
　　　　　静岡市清掃管理課長
　自治体の清掃事業とは、ゴミを処理することです。ゴミ処理能力＝焼却能力が重要なカギをにぎります。焼却能力に余裕が無いと集めたゴミを溜め込まなければなりません。プラスチックの特にその他のプラスチック類のリサイクルは行きつく先はサーマルリサイクル、結局燃やすことになってしまう。静岡市はだから見送った。
◎横山澄夫さん　
　　　　　　県環境循環総室長
　容器包装リサイクル法の問題点は排出者責任が入っていないことです。排出されたものがそれを生産したメーカーに戻されることが重要です。ペットボトルがペットボトルに戻っていくことが本当のリサイクルです。
◎西岡（司会）
　ヨーロッパでは再利用ペットボトル（繰り返し数十回使う）が普通です。ペットボトルの現在のリサイクルの問題点をもっと考えねばなりません。
◎森（東洋製罐）
　ペット樹脂を作っているのは繊維メーカーですから、メーカーに戻っていることになります。ペットボトルメーカーとしては集められたペットボトルからペットボトルを再生することは最大の課題です。現状では食品衛生法で再生樹脂は食品に使えないことになっています。リサイクル樹脂を新樹脂ではさんだり、混ぜたり、ということを研究しています。コスト高や法律の壁がありますが、３年をメドになしとげたいと考えています。
◎鉢呂（静岡市）
　そう言っても現実にペットボトルのリサイクルでは再生品が使われていません。そのためか、集められたペットボトルは今各自治体で抱え込んでいて置き場所にも困っているのが実状です。プラスチックのリサイクルはせっかく市民に分別してもらっっても、結局は燃やされてしまう危険性があります。
◎松田美夜子
　資源循環型が基本なはずです。燃やしたら終わりですよ。燃やさないで回していく方法を考えるべきです。市民に負担をかけるからリサイクルを行わないというのではおかしいですよ。確かにペットボトルの処理に困った場合、誰がストックヤードの負担をするのかが問題です。厚生省は予算措置をする考えがあるそうです。
◎横山（静岡県）
県は近隣自治体の調整が仕事です。自治体どうしの助け合えるようにしたいのです。

<レジ袋無料配布禁止条例を考えよう！>
　「このままでは次の世代に大きなツケをもたらす」ことがわかっていても、できないなら社会制度を変えるしかないでしょ！
　討論は続行中です。レジ袋を有料配布している戸別の生協やスーパーはありますが、どこのお店でも無料で配ってはいけないというようにもしなったら……。あなたのご意見をお待ちしています。（Ｔ）

<清掃工場でのリサイクル市に参加しませんか？>
　まだ使えそうなのに、捨てられる家具、電気製品…。清掃管理課の協力で清掃工場でのリサイクル市が開けるかもしれません。興味のある人は連絡ください。

<静岡市環境基本計画素案発表される>
　静岡市環境保全課は市内９ヶ所で延べ５５名の参加で地域公聴会を開き、市民の意見を聞いた。その計画には平成２２年度までに平成１１年度比５％ゴミ総量を減らすことと重点プランのひとつとしてゴミ有料化の検討が明記されている。

<気になる新聞記事>
<１２月１日朝日新聞>
食品後も再利用義務化　定率肥料化
対象スーパー外食産業２０００社
<１２月９日朝日新聞夕刊>
塩ビラップから環境ホルモン　市民団体調べ　２社販売を中止
<１２月１０日朝日新聞夕刊>
与党が環境新法資源消費を最小限に
ペットボトル再生　業界これ以上のめぬ　処理追いつかず拒否　自治体回収困った
<１２月１２日朝日新聞静岡版＞
静岡物語・ゴミゼロネット「捨てぬが得」の社会へ
PDFファイルあり、上記クリック

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「ゴミゼロプラン静岡」市民ネットワークとは？
９７年１０月地球温暖化防止京都会議に向けて静岡大学で行われたシンポジュウムの「ゴミ・リサイクル分科会」から生まれたゴミ問題、リサイクルを考える市民団体です。
<連絡先> 壷阪道也〒421-0111 静岡市丸子新田277-4
TEL・FAX 054-257-3177 Email mirai2@bj.mbn.or.jp
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