☆ゴミゼロ通信2006年2月22日号(今号516通発信)
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┏━↓ 今日の話題のダイジェスト↓━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
<白紙撤回の先にあるもの 静岡県ゼロエミッション事業白紙撤回を受けて>
<1>第一ラウンドは住民側の大勝利!
<2>町への住民の不信
<3>振り回された静岡県
<4>「公設公営での計画の復活」の亡霊
<5>白紙撤回の理由は料金が高いから?住民の安心のためではない?!
<6>本当は静岡県民の課題であるはずなのに…
●ごみゼロサミット2006実行委員会(開催予定 2006年5月28日)
次回実行委員会は
2006年2月25日(土)13時30分より
●「溶融炉が危ない!」(著者・津川敬 発行・止めよう!ダイオキシン関東ネットワーク)
  好評発売中

●定例会情報
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白紙撤回の先にあるもの A4版4ページ 資料付 (PDFファイル22kb) 
下記文章は上記アドレスにアップしてあります。
 
<白紙撤回の先にあるもの 静岡県ゼロエミッション事業白紙撤回を受けて>
2006年2月21日 「ゴミゼロプラン静岡」市民ネットワーク 壷阪道也
 
 私は19日に大井川町で行われた住民報告会にたまたま居合わせることができた。以下は私の個人的レポートである。(壷)
 
<1>第一ラウンドは住民側の大勝利!
 
 池ケ谷薫大井川町長は、「相当な覚悟を決めた決断(本人の表現)」で「静岡県ゼロエミッション事業を白紙にもどすこと」を去る2月19日地元飯淵地区の住民への報告会で表明した。これは昨年2月15日に結ばれた基本協定(静岡県・大井川町・タクマグループの3者)の破棄を事実上宣言したことになる。また、住民の質問に答えて、「今後のことは誠心誠意皆さんと向き合って話し合っていきたい」とも述べた。
飯淵の環境を考える会は
1 .静岡県ゼロエミッション事業を白紙に戻すこと
2 .その上で住民参加で、計画の実施を認否を含めて、検討しなおすこと

の2点を求め、3000余名の署名を短期間で集めてきたその運動の勝利の瞬間だった。「この地区でこんなに白紙撤回を求める運動が起こるとは町も誰も想像できなかったろう」(ある住民の言葉)しかし、2回行われた報告会の会場には地元住民が多く集まったが、住民側の勝利の歓喜の声を聞くことができなかった。その逆に、質問を途中で打ち切って会場を去って行った町長への怒号の中で閉会していった。あくまでも第一ラウンドの勝利だったからだろうか。
 
<2>町への住民の不信

 住民側は計画の白紙撤回=基本協定の破棄を求めながらも、心の中は「計画そのものの完全中止を願っていた」のだろう。歯切れのわるい町長報告に納得しなかった。町長は、「相当な覚悟を決めた決断」で「民設民営のゼロエミッション事業はなかった」と勢い良く明言したにもかかわらず、「公設公営」への可能性は否定しなかった。「計画の完全中止を明言しなかった」町長への不信感が増幅していくように写った。(※不信感の背景は、基本協定締結時も、一度は保留を約束しながら、結局は締結を強行したことを含めた今までの経過があるからと推測できる。)
 この施設は志太広域事務組合(2市2町=藤枝市、焼津市、岡部町、大井川町)の一般廃棄物焼却施設としても期待されていたが、町長は「廃棄物の排出市町村の責任は免れないので、今後においてこの問題の志広組2市2町で真剣に、場所の問題等についても一から出発」と発言した。この発言は飯淵地区にはもう作らないともとれないわけでもないが、公設公営を否定しない以上、再度計画が復活するのではとの疑念が住民から消えなかった事も確かだ。
 
<3>振り回された静岡県

 報告会にはもう一方の当事者・静岡県の担当者も出席していた。昨年9月に大井川町は「事業の公設への転換」を県に求め始め、静岡県とは経営形態について3月頃の結論を目指して話し合っている真っ最中であった。静岡県の担当者は「こんな報告会になるとは聞かされていなかった」とつぶやいていた。基本協定は破棄しても「公設公営を目指す」との町長の明言を期待したからだろうか。石川県知事も、21日の記者会見ではコメントを避けた。
 志太地域で03年9月に2市2町の合併協議会が発足したが、同年12月に池ケ谷大井川町長が一方的離脱宣言をし、2市1町で協議を続けたものの、04年12月に焼津市も離脱したため、合併協議会は解散した事があった。この白紙撤回報告会は合併離脱宣言とも類似したもののようにも写る。(※事前の静岡県との打ち合わせなしの池ケ谷町長の独断の可能性もある)
  
<4>「公設公営での計画の復活」の亡霊
 
 しかし、例えば今回、すでに始まっている環境アセスメント費用だけでも、億単位の先行投資をしているゼロエミコラボ(株)(タクマグループ)への保証はこのままでは明らかに大井川町の負担になってしまう。環境アセス費用を生かすには、事業形態を変えてでも、計画の続行しかない。(※静岡県環境アセス条例によれば、事業主体が変わっても、計画の大筋が変わらなければ、実行された環境アセスメントは有効となる)町長の奇々怪々の行動は公設公営でのゼロエミッション計画復活も意図しているのかもしれない。
 静岡県や大井川町の思惑はともかく、計画は白紙に戻った。大井川町飯淵地区への焼却灰資源化事業を含む廃棄物処理施設の建設は白紙になった。計画が断念された以上、少なくともまったくゼロに戻らなければならない。しかし、亡霊のように計画が静岡県と大井川町が再び組んで公設公営の「静岡県ゼロエミッション事業」が、蘇ったとしたら、「重い決断」という町長の言葉があまりにも軽いものになってしまうだろう。
 
<5>白紙撤回の理由は料金が高いから?住民の安心のためではない?!

 池ケ谷町長が白紙撤回を何故したのかは重要である。しかし、2回の報告会ではほとんど町長の口から述べられていない。ただ、報告会の中で、「皆さんが民設民営によるこの事業のなじまない不安や不満や質疑がある中…」と述べるに留まり、どんな不安や不満があるから民設民営はなじまないのかがあいまいのままであった。よくとれば、「住民の安心感のために民設民営を断念した」ともとれないことはない。
 しかし、公開されている昨年8月24日付けの静岡県への大井川町からの要望書には、公設への転換の理由を「民設の方が公設よりも料金が劣位(=高い)だから受け入れ数量がゼロが懸念される」としているだけだ。住民の安心感には一切ふれていない。
 ただ、コストが高いことはこの事業の根本的な問題そのものでもあることも確かだ。
 
<6>本当は静岡県民の課題であるはずなのに…
 
 静岡県ゼロエミッション事業は、志太2市2町の一般廃棄物焼却施設のためだけのものではない。つまり大井川町地元のゴミ処理問題ではなく、静岡県下の最終処分場問題が切迫し、県外に焼却灰は搬出されていることの解決のための事業であった。問われているのは「公設か民設か?」ではないはずだ。最終処分場の延命のために焼却灰をセメント原料に高コスト(焼却灰1トン35000円と言われているが)で処理することの是非、安全性の是非が問われているはずだ。焼却・埋立に偏重してきたゴミ処理方法、その原因の大量生産・消費こそが問われているはずだった。
 ゼロエミッション事業の導入の是非を考えなければならないのは、飯淵地区住民、大井川町民、志太2市2町の住民だけではなく、静岡県民一人々々である。「犠牲者=自殺者が出なくてよかった」とある署名活動をやってきた住民がつぶやいた。地域を2分してまで白紙撤回を求めてきて、ここまで来ることができた事(一応の白紙撤回を得る)への安堵感であろう。(過去には残念ながら、犠牲者の例があった)
 私たち自身が排出しているごみ処理をめぐって、運悪く建設予定地に当たってしまった住民にとっては、骨肉の争いに親戚をも巻き込む危険性と隣り合わせながらの運動だったのだ。
 それでもまだ住民は第2ラウンドを準備しなければならないのだろうか。
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<参考資料>
<2006年2月20日朝日新聞静岡版>
ごみ資源化施設 民設を白紙撤回 大井川町長が表明
 大井川町飯淵に計画されている廃棄物資源化施設「県ゼロエミッション事業」について、池ケ谷薫町長は19日、「(当初進めていた)民設民営ではやらない。白紙撤回」と語った。
 昨年2月に県、町、それに事業者の3者で締結した事業基本協定書も「なかった」と述べ、破棄する考えを示した。町内で開かれた住民報告会で明らかにした。
 昨年9月の町議会で既に「公設を基本に考えていく」と方向転換を示していた。報告会で池ケ谷町長は「(民設民営方式に対し)みなさんが心配している。理解に苦しむ状況にあるならば」とし、「本日をもって一区切りをつけたい。今までございましたことはすべてゼロということ」と説明した。
 しかし、別の方法を模索するのか、事業そのものを白紙にするのかについては明言しなかった。
 また、事業との関連が取りざたされている藤枝、焼津など2市2町で構成する志太広域事務組合のごみ焼却施設の建設の問題については「場所の問題も一から出発していただく」と語った。
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<池ケ谷薫大井川町長の2月19日での発言要旨>
…昨年の9月、定例会におきまして、…皆さん方のご心配なさっている…民設民営でのこの廃棄物の処理の方法…転換をしていただきたい、この旨のお話を県の当局に文書及び私も出向く中で、順次行ってきたところでございます。…民設民営方式で皆さんにご説明をし、そしてお世話になってきたわけでありますが、その方式につきましてはご辞退をもうしあげさせていただき、民設民営ではやらない。まずこれが一点です。そして故に基本協定なるものはなかった。そして今後におきましての問題でありますが、まさに白紙の状態でございますので、廃棄物の排出市町村の責任は免れないところでありますので、これはこの問題として今後においてこの問題の志広組二市二町で真剣に、場所の問題等についても一から出発をしていただく…ことこのゼロエミッション事業につきまして…この事業は本日を持って、一区切りをつけたいと思います。以上であります。
 
※注:上記は町長の発言のテープおこしを行い復元したそのままの表現で一部引用した 
   定例会とは大井川町議会 9月定例議会をさす(壷)
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<参考資料>静岡県ゼロミッション事業
 050925ゴミゼロ通信 混迷する「静岡県ゼロエミッション事業」!?
http://www33.ocn.ne.jp/~gomizeronet/tushin/050925.htm
 大井川エコタウン事業=焼却灰資源化事業を考える(03年10月25日作成)
http://www.geocities.co.jp/NatureLand/5757/youyuro/ooigawasementnani.PDF
 静岡県ゼロエミッション事業(静岡県のホームページより)
http://kankyou.pref.shizuoka.jp/recycle/zeroemi/zeroemi.htm
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●ごみゼロサミット2006実行委員会発足。開催予定 2006年5月28日(日)

2004は容リ法問題を取り上げ 

     賛同団体 19団体 参加80名(開催靜岡市)
2005は榛原町議会の「ごみゼロをめざした町づくりに関する提言書」
に注目し、徳島県上勝町々長をお迎えした。
     賛同団体 31団体 参加280名(開催 榛原町)

2006は、若者の活動に注目し、若い世代に活動を繋ぎたい
その思いで、靜岡県内の若者の環境グループを中心とする体験・活動・主張を発表することを中心にと考えています。

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次回実行委員会は2006年2月25日(土)13時30分より
場所 NPO推進センター(静岡市呉服町)
※賛同団体を募集します。ヨロシク!
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<ごみゼロサミット2006開催の概要>
●主催 実行委員会(代表佐藤伸幸(東海大E.C.Oサークル前代表))
●開催日 2006年5月28日(日)
●開催場所 アイセル21
●集会概要 
午前 県内ごみ問題関連団体の交流発表会(各団体10分程度)
午後 メイン集会
    ゲスト 西原茂樹牧之原市長(旧榛原町)
    講演  松岡夏子さん(上勝町ゼロウェイストアカデミー)
    若者報告 環境サークル等の活動等の発表・紹介
    質疑・討論

●集会目的
(1) 交流  ごみ減量を目指す静岡県内のの市民団体、諸団体、市民の交流
(2) 脱焼却・脱埋立  ごみ処理を安易に焼却・埋立をする日本型ごみ処理方式を見直し・問い直しをする機会をつくる。関係市町村に「ゼロ・ウェイスト宣言」を求め、 個別具体的な市町村のゼロ・ウェイスト宣言を応援する。
(3)若者の行動・活動を応援する
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●「溶融炉が危ない!」(著者・津川敬 発行・止めよう!ダイオキシン関東ネットワーク)
  好評発売中
紹介HP
http://www33.ocn.ne.jp/~gomizeronet/tushin/051023sasshi.htm
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●冊子の申込み先
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止めよう!ダイオキシン汚染・関東ネットワーク
〒136-0071東京都江東区亀戸7-10-1 Zビル
TEL・FAX 03−3683−0224
振込み先 郵便振替00100-6-73937 ダイオキシン関東ネット

※上記TEL・FAXは昼間は不在のためFAXによる申込みを原則

メールで問合せ・申込み
qzg07170@nifty.com (藤原寿和)
tsuga@mtj.biglobe.ne.jp (津川敬)

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┏━↓●定例会情報●↓━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
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第20回会合 志太ゼロ・ウェイスト市民ネット          
日時:2月24日(金) 夜 7:00〜 
場所:アトレ焼津3F 焼津公民館
TEL&FAX:054-628-8455 (村松)
 E-Mail :wbs29330@mail.wbs.ne.jp (田中)
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●ゴミゼロネットの定例会にお集まりください! 
第101回「ゴミゼロプラン静岡」市民ネットワーク定例会
2006年3月11日(土)午前10時〜 エコハウス静岡
エコハウス静岡の地図
http://www33.ocn.ne.jp/~gomizeronet/gomizero/ecohouse/chizu.htm
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清水のゴミを考える会 3月例会
日時 3月14日(火)午後7時〜
場所 静岡市清水社会福祉会館(ハートピア)3階 中会議室
連絡先 静岡リサイクル協会 0543−63−1273
Email  simizu.fmc@nifty.com
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