☆ゴミゼロ通信2006年9月14日号(今号524通発信)
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●溶融スラグのJIS化について(私見) 津川 敬
●静岡市灰溶融炉の運転状況

 情報公開資料(8月3日請求、8月16日公開)よりの分析

●ゴミゼロネットの定例会にお集まりください! 

第108回「ゴミゼロプラン静岡」市民ネットワーク定例会
2006年10月14日(土)午前10時〜 エコハウスしずおか
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溶融スラグの安全性については、いつも疑問に思っていること。
「溶融スラグのJIS化が、報告によればあっさり通ってしまった」とのレポートが
津川さんから届きました。全文を掲載しますが、
資料・図表付きは下記アドレスにアップしてあります(壷)
溶融スラグのJIS化について 津川敬 A4版4ページ PDFファイル40kb
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溶融スラグのJIS化について(私見)
     津川 敬
 
遅れに遅れ、ひょっとして実現不能と思われていた溶融スラグのJIS化が本年7月20日にあっさり通っていました。規格名称は「一般廃棄物、下水汚泥又はそれらの焼却灰を溶融固化したコンクリート用溶融スラグ骨材(規格番号JIS・A5031)と、同じ文脈による「道路用溶融スラグ」(規格番号JIS・A5032)です。要するにコンクリート骨材と路盤材に溶融スラグの規格を決めるJIS化作業を行ないました、ということです(詳細は別表を参照してください)。
 
もともとこの話(溶融スラグのJIS化)は2002年のTR制度の中に組み込まれていたもので、その有効期限は3年間でした。ちなみにTRとは技術情報などを早めに公開することによってJIS化の前提となる合意形成を促進させることを目的とした、いわば環境版仮免制度のようなものです。したがって本来なら3年後、つまり昨年(2005年)7月までにJIS化作業を終えておくことになっていたのにその論議が紛糾していたということなのです。では何がどう揉めたというのでしょうか。
 
経済産業省や業界関係者の話を総合してみると議論の焦点は産廃、とりわけシュレッダーダスト(ASR)の溶融スラグを含めるかどうかという点にあったようです。ただしこれもかなりいい加減なところがあって、たとえば小生も調査してきた香川県豊島(直島)の溶融スラグが高松港の造成に使われていました。品質が保証されるならそれでもいいということのようです。それはともかく、問題になったのは溶融スラグ中の溶出量と含有量をめぐる意見の不一致でした。特に鉛については1,500℃〜1,800℃ぐらいの高温で飛灰の方に移行させ、それを山元還元(精錬)すればいいなどという意見も出たといいます。メーカーによっては出てきた飛灰を再び溶融炉に投入しているケースもあり、スラグの品質はますます劣化する一方というべきです。
 
ある中部地方在住の技術者(匿名)はJIS化される以前、「自治体の溶融スラグによっては事故の発生などもわずかながら報告されており、コンクリート骨材として何ら問題がないとはいいきれない」とやや控えめな警告を発していました。溶融スラグの用途はコンクリート骨材と路盤材の二つがあり、将来を考えたら含有量数値も厳しく設定さるべきでしょう。
 
JIS化推進を強力に進めたがったのは日本産業機械工業会(エコスラグ利用普及センター)で、その会員には日本を代表するプラントメーカーの大半、道路会社、ゼネコンなどが参加していますが、各都道府県も会員になっています。もうひとつはコンクリート業界です。これら「つくる側」がJIS化を急いだのは当然の話ですが、ある有力業界誌の編集長によると産廃関連のスラグ製造者は「JIS化されることでヤブ蛇になる」と(JIS化に)不賛成だったそうです。つまりスラグの品質に責任が持てないからでしょう。今回のJIS化が一廃に限定されたのはそんな理由からのようです。
 
そこで問題になるのが「使う側」の事情ですが、「お墨付きが出た。ではどんどん使おう」という市町村が今後増えるのでしょうか。JIS化という大義名分が立った以上、経済行為ですから使ったほうがいいに決まっていますが、いまは環境レスポンシビリティといいますか、後で何か不祥事が起こったら誰が責任をとるのかという問題がついて廻ります。前出の技術者はこうもいっています。「本来工業製品としての規格であるJIS化にあたっては単に『現在不具合が出ていないからよい』というものでは十分ではなく、『こんな品質のコンクリート製品の品質は現時点ではこうだ』という数多くのデータがまだまだ必要かと思います。各種データがないままのJIS化はあまり意味がないように思います」。
 
最後に独立行政法人・国立環境研究所の試験評価研究の担当者に見解をお聞きしたところ、次のような答えをいただきました。
「これまでJIS化されないことが不安材料になっていたという面はあります。といってJIS化は必ずしも安全性を保証したものではありません。絶えず厳密なモニタリングが行なわれることでその主旨が生かされるのです」。
 
多分今後、JIS化問題は行政側と市民との鋭い対立点になるに違いありません。いま、行政側に決定的に欠けているのは設置者責任と、運用者責任です。わずか3年か、4年の人事異動で前にやった仕事の責任がチャラになってしまうような体制が続く限り、JIS化を錦の御旗にさせるべきではありません。
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静岡市灰溶融炉の運転状況 A4版4ページ PDFファイル78kb

http://www.geocities.co.jp/NatureLand-Sky/5469/siryou/0609haiyoyurojokuo.pdf

 

●4回目の静岡市灰溶融炉の情報公開請求をしました
 
ゴミゼロ通信060820号でお知らせしましたように灰溶融炉に関する4回目の情報公開請求をしました。
それをもう少しまとめたものが、上記アドレスに図表を取り入れてアップしました。
是非、参考にして下さい。
本文だけを以下に掲載します
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静岡市灰溶融炉の運転状況

 

情報公開資料(8月3日請求、8月16日公開)よりの分析

2006年9月14日

作成「ゴミゼロプラン静岡」市民ネットワーク 壷阪道也

 

特徴1 今年、3〜4月に1、2号炉の初めての同時運転。しかし、その後止めた。以前よりは一日の投入量・処理量が増えているが、処理能力(1日120t)の半分も操業していないのが実態。何らかの欠陥を抱えているのだろうか?(図1、2参照)

 

特徴2 昨年7月からスラグの公共事業への使用が始まったが、有料引取りもタダ同然の全量無料引き取りが現状。昨年の11月、12月に集中的に利用されていることからも、無理矢理、使用していることが推測される。(図3参照)安全性は別に、スラグが路盤材などに砂利の代用になりうるのかも疑問。残りのスラグは、沼上最終処分場に積み上げられているが、処分場も穴に埋めていく段階から、積み上げる段階になっており、スラグを積み上げるは普通の焼却灰より扱いにくいという話しも聞いたことがある。とにかく生成された7,836tのスラグ中3,394tが使われた。(43%の使用率)

 

特徴3 05年7月から06年7月までに静岡市は42,139tの焼却灰が発生し、結局処分場で34,932tが埋め立てられた。差し引き7,207tの処分場延命効果があったとは言える。(図2、図4 参照)

 

特徴4 1年1ヶ月で558,675,251円のコスト。 (図5、図7参照)

投入量アタリ3万9千円/t 処理量アタリ4万9千円/t(投入量、処理量の意味は図8参照) 

7,207t÷14%=51,479t(※ごみを焼却すると約14%の焼却灰になる…静岡市平均)

つまり、7,207tの焼却灰の減量は51,479tの焼却ゴミ減量したことに相当。

51,479t÷396日÷702,278人=186g/日人

これは、市民一人一日アタリの186g減量効果に相当する。04年度静岡市657g/日人ですので

657-186=471g/日人 04年度東京多摩地区平均(469g/日人)に匹敵します。

市民を巻き込んでのごみ減量ではなく、爆発リスクも背負いながら5億円以上使って、多摩地区並の処分量に減らしたことをどうみるべきだろう。

いずれにせよ、多少の延命にはなっていても最終処分場問題は解決していない。別の最終処分場はいずれにせよ、造らざるを得ない

 

図1 静岡市灰溶融炉 投入量グラフ(04年4月〜7月 05年1月〜06年7月) 

※点1つが一日の灰溶融炉への投入量 単位トン 3番目のグラフが1号炉2号炉の合計投入量

図2 月別灰投入量と未投入=未処理焼却灰量  

図3 月別スラグ利用状況 ※05年11月、12月は生成スラグ以上に引き取り量が多かった分のマイナスで残スラグ量とした。 有料引取り料金=209円/トン

図4 灰溶融炉の処分場延命効果

図5 静岡市灰溶融炉運転経費 合計5億5867万円

図6 焼却ゴミ一人一日当たり比較 静岡市と多摩地区

図7 月別 灰溶融炉運転経費

図8 灰溶融炉 流れ図 

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 静岡市では、一般廃棄物最終処分場(沼上処分場と貝島処分場)の延命のため灰溶融炉(電気式プラズマ溶融炉 60t/日×2基 建設費63億円)を建設し、2004年3月本運転開始しました。
※灰溶融炉とは焼却灰を1300度以上の高温で溶融(溶鉱炉で鉄を溶かすように)固化し、スラグと呼ばれるガラス状、砂利状の物質にすること。廃棄物を直接溶融する、ガス化溶融炉・直接溶融炉とは違う)
 ご存知のように2004年7月9日灰溶融炉爆発事故を起こしました。
 
 私は、爆発までもは想像しないまでも、灰溶融炉という技術に疑問を持ち続けてきましたので、
第1回(2004年7月)、第2回(2005年7月)、第3回情報(2006年1月)と溶融炉の運転状況、運転コスト、スラグの行方などの情報公開請求を行ってきました。
そして、今回が4回目になります。8月3日に請求し、16日付けで公開されました。
 
過去の集計は
 
静岡市灰溶融炉に関する情報公開資料 
05年7月分 PDFファイル 84kb A4版8ページ
04年7月分 A4版8ページ PDFファイル54kb

 

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第27回会合 志太ゼロ・ウェイスト市民ネット          
日時:9月29日(金) 夜 7:00〜 
場所:アトレ焼津3F 焼津公民館
TEL&FAX:054-628-8455 (村松)
 E-Mail :wbs29330@mail.wbs.ne.jp (田中)
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清水のゴミを考える会 10月例会
日時 10月10日(火)午後7時〜
場所 静岡市清水社会福祉会館(ハートピア)4階 和室
連絡先 静岡リサイクル協会 0543−63−1273
Email  simizu.fmc@nifty.com
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第108回「ゴミゼロプラン静岡」市民ネットワーク定例会
2006年10月14日(土)午前10時〜 エコハウスしずおか
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